第3話 クリスマス・イブの昼

前日に夕の家に行ったけど、実はお泊り会の荷物を持って行っていたので

家に帰らず、そのまま夕の家に泊まったのであった。

もちろん、着替えは多く持って来てあるし、親の許可も貰ったよ。

そして、キス以外の事もしてないけど、夕がゲームをやって大声はだしてたけどね

あと、プレゼントのネックフォーマーは荷物の中に忍ばせれるサイズなのでよかった。


「それじゃ~、温海ちゃんの家に行こうか~」

「そうだね」


温海から連絡が来たので、夕の家から温海の家へ向かう。

かなり冷え込んでるけど、空は晴れ渡っていて雲一つないから雪が降る気配はない。

もっとも、元々雪がそんなに振らない地域だから、ホワイトクラリスマスなんてならないからね。

とはいえ、北風が吹いて寒い中、夕のプレゼントをもって温海の家へと着いたのであった。


「いらっしゃ。寒いから上がってね」

「おじゃまするね~」

「おじゃましますー」


夕の家に上がると、今日はリビングに行かず直接2階の温海の部屋へと向かった。


「あー、ついに温海の部屋に入るのかー」

「別に期待するものも、変な物もないわよ」

「わかってるって。でも、変な物があったら、それはそれでかな」

「いい、勝手に部屋を漁ったら文乃でも追い出すからね?」

「大丈夫、そんな事しないからさ」


言われなくても、勝手に漁る事はないし、寒空に追い出されたくない。

いや、追い出されても家に帰るだけなんだけど、今日はお泊り会だから

早く帰ってきたらきたらで、何かあったか心配するからね。


「さ、あたしの部屋よ、入って」

「おじゃまします」


温海の部屋に入ると、夕から聞いていたどおりに沢山のぬいぐるみがあった。

大体はある程度年季が入ってるけど、1つ新しいぬいぐるみがあったが

このぬいぐるみは、わたしが温海の誕生日にプレゼントした物だ。


「ちゃんとわたしがプレゼントしたらぬいぐるみを使ってるのね」

「なんか、その言い方だといやらしく聞こえるわね」

「それは温海さんの心が穢れているかなのです」

「ある意味、一番穢れた心の文乃に言われたくないわね」


確かに、心の穢れ具合はわたしが一番かもしれない。

だって、今の学校を選んだはリアル百合カップを見つけるためだし。

そして、現に百合カップルを見つけ、そして親友になってこうして家にお泊りに来てる訳だし。

いやぁ、自分の欲望に忠実で正解だったよ。

お陰で勉強法や学力も上がったし、百合カップル様様だよ。


「心が穢れてるから、2人に出会えたんだよ」

「なんか、あまりうれしくない感じだけど、文乃が今の学校選んだ理由からしたら

文乃の心が穢れてからだし、こうして出会えたんだからなね」


これはツンデレでなく、ガチの照れだけど温海は可愛いな本当に。


「お話はここまでにして~、まだ午前中だし~どうするの?」

「外は寒いし、街は人が多いから、温海の家でぬくぬくとするよ」

「それもいいけど、お姉ちゃんが下で料理を仕込んでから、昼は外で食べるわよ。

そのために、2人の分のお金も貰っているし」

「温海様のおごりなら、寒風吹き荒れる荒野でも、雪山でもどこにも行きますぞ」


なんか良くわかないキャラが出てきたけど、おごってもらえるのならば寒空の中でも街に行くよ。


「何そのキャラは。ということだから、まだ早いけど今日は街も混んでるからもう行くわよ」

「えー、今来たばかりでまだ温まってないってー」

「寒空の中、行列に並びたいならそれでもいいわよ」

「わ、わかったって。でも、ショッピングモールのフードコートなら寒くないよ」

「レストラン街も寒くないよね~」

「まったく、夕まで文乃に乗って……。でも、確かにその方が暖かいわね」


問う事で、ショッピングモールへ昼ご飯を食べる事にしたのであった。



 *****


「高校生が昼からしゃぶしゃぶ食べ放題か」

「一番食べておいて、それはないでしょ」

「やっぱり、冬は鍋だよね~」


昼ご飯はレストラン街にあったしゃぶしゃぶ食べ放題だったけど、1人4000円ぐらいしてかなり贅沢だった。

なぜ、しゃぶしゃぶ食べ放題になったかというと、そういう気分だったからとしか言えない。

決して、温海のおごりだから高いものがいいんじゃなくて、3人の意見がまとまったからだよ。


「時間はまだあるし、お腹いっぱいになったから腹ごなしもしたいよね」

「一応、クリスマスイベントはやってるみたいだけど、どこも混んでるわね」

「ま、年末のイベントがいろいろ重なってるから仕方がないよね」

「それに~、外は寒いから~ショッピングモールの中は暖かいしね~」


外は寒風が吹いて上、イルミネーションとかも特にないから外で過ごす理由もない。

とはいえ、今はまだ14時で夕食まではあと4時間程あるから、どうにかして時間を潰すしかない。


「寒いから、また温泉にでもいく?」

「そうしたいけど、さっき通った時、車がいっぱいだったでしょ」

「確かにそうだね」


温海と言った入浴施設は夏の違って、かなりの混み具合だった。

あと、クリスマスのイベントもやっているらしく、これも混雑の原因だ。


「こうなったら、温海の家に帰ってごろごろしようか」

「もう帰るの……って言いたいけど、それが一番ね」

「それじゃ帰ろうね~」


結局わたしたちは、他にどこに行く事もなく刈る事にしたのだけど……


「あれ~月ちゃんからメッセージがとどいてる~」


夕がそう言うと、メッセージを確かめるけど、どうあら月さんも彼女さんと

このショッピングモールに来ているとの事だった。


「せっかくだから~月ちゃんたちに会おうよ~」

「わたしも会ってみたいし、新たな百合カップルと出会えるのはうれしいよ」

「文乃、余計な事しないでよ」

「しないってー」

「えーと、近くのテーブル席にいるらしいよ~」


わたしたちが食事をしたところから、すぐの所のテーブル席にいると言うのですぐに向かった。

すうと、背の高い可愛いと言うよりは綺麗な女の子、背は小さいけど胸が大きい女の子がいたけど

こちらを見てるからこの2人が月さんと彼女さんらしい。


「夕さん……こちらです……」

「月ちゃん、久しぶりだね~」


夕は綺麗な女の子の方と挨拶をするけど、この子が月ちゃんか。

背が高くてすらっとしていて、夕とは反対のタイプ。

ということは、背の小さいこの人がさくらさんか。


「夕さんお久しぶりです。どちらが温海さんで文乃さんんですか?」

「こっちのいかにもツンデレぽいのが温海ちゃんだよ~。

そして、こっちが文乃ちゃんだよ~」

「は、はじめまして、夕の彼女の大牧温海です」

「はじめして、2人の親友の川奈文乃です」

「はじまして、上山さくらです」


お互い挨拶をかわすけど、さくらさんは同学年なので話も合い、すぐに打ち解けた。


「へー、2人の出会いはさくらさんが夜に月ちゃんが桜並木のベンチに座っている所を見つけたからなんだ」


2人の出会いを聞いたら、月ちゃんが桜並木のベンチの下にたまたま座っていたのを

さくらさんが見つけたらしい。

そのあと、なんやかんやあて恋人になったそうだ。


「月ちゃんって~すっごく面倒くさがりだけど~、さくらさんと付き合ってから変わったよね~」

「流石に……自分の事は自分でしないといけないです……」

「でも、今も朝、髪を整えるが面倒ってことで、凄い寝ぐせで学校に来るけどね」

「一応……少しブラッシングしてますが……まだまだ面倒なので……髪ぐらいっとおもってしまいす……」


うーん、綺麗な子なのに残念美人って感じかな。

というか、これでかなり変わってと言う事は、以前はもっとすごかったのかな。


「以前はどうだったのかな?」

「以前は……学校から帰るのが面倒臭がったり、服を着るのが面倒だったみたい。

さすがに、出会った頃はちゃんと服は着てたけど、時々ノーブラだったらしい……」

「下はともかく……ブラジャーはかなり面倒ですし……するほど胸もありませんし……」

「でも、わたしが『ブラジャーをちゃんとしないと胸が大きくなならないよ』って言ったらする様になったけどね」

「そ、それは……言わないでください……」


月ちゃんは照れて赤くなるけど、もじもじして照れ方がかわいいな。

月ちゃんは夕や陽さんに比べて、胸は小さいのは確かだけど、それでもわたしぐらいはあるのかな?

まぁ、さすがに詳しくは聞かないけどね。


「あれ、話てたらもうこんな時間だ」


さくらさんがスマホをみてそう言うので、時間を見たらもう16時でフードコートで買った

コーヒー飲みながら話してたら、時間はすぐに過ぎた。


「わたしたちはこれで失礼します。皆さんと話せてよかったです。

あと、夕さんたちと文乃さんの出会いも面白かったですし、他の同性カップルと話す機会もそうないですから、話せてよかったです」

「あたしも2人と話せてよかったわ。また、お会いしましょう」

「わたしも色々話を聞かせてもらってよかったよ。では、また会いましょう」

「温海さん……文乃さん……夕さんとずっと一緒にくて下さい……。わたしたちはこれで」

「気を付けて帰ってね~」

「では、失礼します」


2人を見送って、わたしたちも温海の家へと戻ったのであった。

月ちゃんとさくらさんから色々な話を聞けて良かったけど、なんかわたしも彼女が

欲しくなってきたかもしれないけど、わたしは女の子が好きだけど、恋愛感情が

あるかどうかまでは、まだまだわからなかった。

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