ドチャリドチャリと迫り来て、ヌチャリヌチャリと呑み込まれる……!

 刑事の結束倫正(ゆいつかみちまさ)は、ある出来事がもとで駐在所へ左遷されます。
 一年前、偶然にも訪れていたその土地で彼は、ある家の二階、その窓辺に佇む女性の、項(うなじ)に魅入られます。
 彼は今、その項を求め窓を凝視しているのです。ただ倫正は知っています。もはやその窓辺に、女性が佇むことは無いと。なぜなら……。
 倫正が「人ならざるもの」に翻弄される、緊迫感が魅力です。また後半、もう一人の主人公、その「切れ味」も実に愉快でした。お勧めです。
 素敵な作品をありがとうございました。
(メモ、短編28)

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