第2話 希望の信号

場面は都心郊外に変わる


暗い中に無数の明かりが散りばめられている。多くの人たちが生活共同体を形成しコロニーとして生活を送っている。


そんな中、明かりのついていない古びた建物の一室。

少年「・・・」

ただ天井を眺めている一人の少年(16歳)

~少年の回想~

君には残念ながら才能がない

この話はなかったことで

残念ですが、面接の結果不採用とさせていただきます。

~回想が終わる~

少年の頭の中ではぐるぐると思い出したくもないことが堂々巡りに回っている


主人公「これから…どうすればいいのかな。」


主人公の父は偉大な技術者として世界中でもてはやされた。しかし、若くして妻を亡くし、父は少年と向き合うことが少なかった。少年はひとり寂しく学校に通い、孤独に苛まれて生きてきた。幸い資産だけは莫大にあったため孤独に向かいつつ、暗い部屋の片隅で独自の理論構成を基に多くのものを作ってきた。


しかし、現実は残酷だ。世界で必要とされる技術とは異なり理論構築が独特すぎたため、周りの人からは必要ない技術と判断され、簡易なアルバイト生活を強いられる日々を送っていた。


時代は変化し学校に通う人間でも職に就き働いて技術を得るという考えが定着していた。しかし、それぞれがランク分けされた後に職に就けるという世界でもあった。


この時代の判定機は既存のプログラム通りしか動かない判定機であり、逸脱した解答をした場合や時代にそぐわない技術などと判定されてしまうと、ランクCに認定されてしまうという管理主義の権威の恐怖によって世界はなりつつあった。

ランクは上からSS、S、A、B、C、Fという順番だ。ちなみにUという評価も一応ある。なぜかこのUという評価があるかは誰もわからず、評価だけ存在している。


少年は逸脱した解答のためランクCに振り分けられていた。ランクCは技術職などにはつけず肉体労働として与えられたタスクをひたすらこなす職がほとんだった。


ちなみに犯罪などを犯すとFがつけられる。





そんな事情もあり少年は天井を見上げていたのだ。


涙が少しこぼれる。


そんな生活を送っていたある日、少年のリングフィットが赤く光る。

突然過去の通信回線を通ってなにかが少年のデジタルスペースに侵入してきた。


少年は動揺しどうすればよいのかわからず右往左往する。

対処するためにセキュリティを起動させ、対処しようとするが、一瞬で侵入されてしまう。

圧倒的な力の前で少年は立ち尽くしてしまう。


少年はセキュリティの分野においては卓越した技能であったにも関わらず、1秒もたたないうちに侵入を許してしまったことに本人もただ事ではないことが瞬時に分かった。そこで逆に攻撃を仕掛けようとするが、瞬時に跳ね返された。少年は頭が真っ白になった。明らかに人の人智を超えていたからだ。


今では使われなくなった骨董であるパーソナルコンピューターという機械の画面が急に起動し、デジタルメッセージが急に書かれ始めた。


主人公はまじまじと画面をのぞき込んで固まってしまう


パソコンの自動音声ソフトも急に起動し音声が流れる


”はじめまして。私はゼロ。あなたの力が必要だ。” 

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ゼロの解放者 @hirosushimakoto

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