ゼロの解放者

@hirosushimakoto

第1話 ゼロの世界

 この世界で人類史上初めての人工知能が生み出され、30年の月日が流れた。


2047年12月21日 都内某所

デジタルインフォーメーションニュースの掲示板にテロップに国内本年度の出生数予想40万を下回るとの予測が公表のテロップが浮かびあがっている。

多くの人々がそんなテロップなど意に介さず、自己空間の中の会話で大忙しだ。


地上では自立制御型自動車が行き来し、浮遊制御車がものすごい勢いで飛び交っている。車はすべてオートメーション化されており、人々はリングピットによって各デジタルテバイスを操作している。高齢者はスイングスピード(自動機械歩行機)を使い移動している。一部の若者はスピーカー(自動言語作成者)で声を作成し、リアリスト(自己投影システム)でアバターを作成し、デジタル空間との融合されたミックスリアリティ上で収入を得ている。

多くの人が物を所有せず、自分の生活様式に合わせて日々を送っている。

リングフィットと連携しコンタクトすることで世界中の情報を瞬時に集め、情報や取引などを行っている。


そんな華やかな都内某所で、多くの人が第4次デジタル革命の恩恵を受け暮らしているように見えるが、国内失業率のみならず全世界失業率は深刻化していた。


国内だけみても。年金制度の崩壊とともに財務事情が急激に悪化、金融封鎖を一度行い、急激なハイパーインフレに向かい、貨幣の価値は変わってしまった。年功序列制度は完全に消え去り完全な実力社会に切り変わっていった。


若者はより高い技術を求められるようになり、市場での若者の価値も2極化していた。


優秀なものや技術をすでに持っていた人間が大都心エリア・中央地区に住み、莫大な資産を形成していた。技術のない人間、能力がないとみなされた若者は地方移住を強いられ、それ以外は大都心エリアの下層もしくは郊外での暮らしを強いられるのが当たり前になっていた、だれが見ても格差は深刻になっていることは明らかな時代になった。


リングピットとXRの技術開発功績を称えられた(主人公の父)の2世と期待されていた(主人公)だが、学業不良のため、ランクCとランクされ、就職選考にも落選し、絶望に伏し、明け暮れた毎日を送っていた。


20231212修正

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