エピローグ そして明日も、きっと死にたい
エピローグ そして明日も、きっと死にたい
「つづくな! そんなに! いくらなんでも!!」
と、さすがのナジャも悲鳴をあげる
なにしろ、何年も魔王軍に支配され続けた人々だ。
そこから
街のヒトたちが
ムリはないのだが、こうも毎日、酒! 肉! 歌と
13日目の
「うー……もうだめ……」
「ほぺー。ぽいー」
「こりゃ命にかかわるな……」
「あぱー。ぷー」
「ヒメなんて、ひっきりなしに知らないヒトから話しかけられるから、ストレスで頭があっぱらぱーになってるし……」
「こりゃあ、アレかなあ?」
「アレって?」
「今夜のうちに、こっそり
ナジャとキリンジは、じいっ、とおたがいを見つめあい……
「「よしっ!!」」
飛びおきて、荷物まとめにとりかかった。
*
ここからなら、
魔王城が
ナジャは大きく背のびして、目を細めて街をながめた。
「この国、これからどうなるのかなあ?」
「ユンデの話だと、外国に逃げてた王族を呼びもどして、また王位につけるつもりらしいぜ。
とはいえ、発言権を持ってるのは、反乱軍として戦ってたユンデたちだからな。
いちおうおかざりの王様を置いといて、実際の政治は
「お、おう。わからん」
「なんにせよ、南方にはまだ孤立した魔王軍の部隊が残ってるし、
そこで、2人の後ろから、ヒメナイトが、ヒョイと顔をのぞかせた。
「うまくいくといいな」
「ん……ですね!」
「ま、なんとかなるだろ。
竜の
あの竜がいりゃあ、ちょっとやそっとの魔族なんて敵じゃねえよ」
「あーっ!! 竜で思いだした!
キリンジィ! あんたねーっ、ヒメ様がつかまった後、どこで
「あっ……おまっ……
そういうコト言うかァ!?
オレはなあ! ヒメといっしょに捕まりそうだったところを
聞いてんのかお前らっ!」
いつのまにか、西へ向けて歩き始めていたヒメナイトとナジャ。
そのあとを、ぷぃーん、と気楽に飛んで追いかけるキリンジ。
「ね」
ヒメナイトが、胸の内のワクワクを隠しきれずに、はずんだ声をあげる。
「どこへ行こうか」
「そうですねー。
とりあえず、わたしの故郷に帰って、みんなに『やったぞー!』って報告して、そのあとは……」
ナジャは、きゅっ、とヒメナイトの腕に、自分の腕をからめた。
「そのあとは、そのあと考えましょっ!」
「うん!」
彼女らの前に、道はどこまでも続いていく。
浮かびもすれば、
だからこそ、姫騎士さんは今日も死にたい。
そして明日も――きっと死にたい。
「姫騎士さんは今日も死にたい」完
姫騎士さんは今日も死にたい 外清内ダク @darkcrowshin
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