お金が魔王の手下
「よう」
そう黒い物体が声をかけた。
俺は動かない。
手に持った封筒が床に落ちる。
落ちた封筒からはまた黒い物体が出てきた。
一つ、二つ、何個も、何匹も。
「なんか言えよ。」
最初に出てきた黒いやつが手にしがみついたまま言った。
「はあああああああああああーーーーーーー!?」
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数分が経って俺はベットで寝ていた。
眠いわけでもない、ただのふて寝だ。
もう最悪。
もらった給料は変な生き物に変わってるし、大声出して親に怒られるし。
こいつらを見せたら分かってもらえるかと思ったが俺以外には見えないようだし。
「まあそう気落ちすんなって。」
「…誰だよ。俺の給料返せよ…」
「無理。」
即答。悲しい。
「そもそも誰なんだよ…」
「それは知ってる。魔王の手下だよ。」
…魔王の…手下?
「…この世界でも滅ぼすの?」
古今東西いろんな魔王がいるが大抵はいいことがない。
その手下がここにいると言うことは絶対に良くないことが起こるに違いない。
「いや、ちが…」
「勝手にやってくれ。もうこの世界に悔いはない。」
「…」
「言っとくけどオイラも何で袋の中に入っていたか分からないの、目が覚めたら狭いところにいたの。」
「…は?」
目的無しに給料袋に入っていたの?
ますます意味が分からない。
「俺の給料はどうした。」
「…知らん。オイラに化けたんじゃないか?」
首を回したらそこにも同じような大きさの魔王の手下がいた。
十センチぐらいと小さく悪魔とも言えない大きさ。
「何でこうなった?」
「だから知らんって言ってるだろ?知りたいんだったらお前が探せよ。」
仕方ない。俺の初任給のためだ。
どうせ暇だしやって見るか。
「頑張れー」
勝手にパソコンを起動させネトゲに興じる悪魔数名。
「お前らも手伝えよ!」
所得が魔王の手下。 nyao2 @afudaru
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