結婚なんてしなくても生きていけるとか、結婚してから言ってくれる?負け惜しみにしか聞こえないから。という話。
モノ柿
うーんなんでかなあと考える。
「最近の若者は達観している」
そんなことを言われることがある。
個人的に、これは大いに間違っている。
最近の若者が達観しているのでは全くない。
最近の大人が無知すぎるのだ。
とまあ、過激な論法をひけらかすことで、炎上商法を狙う最近のインフルエンサーのようなことを言っては見たものの、特別なことを言いたいのではない。
むしろ全く逆で、無知すぎるが故に、子供が知らなければいけないことを知れていないのだと言いたいのだ。
だから、この論法はこうなる。
「子供は達観しているのではなく、大人が子供に知らなければいけないことを教えられないから、何も考えられなくなっているのだ」
つまり、達観なんて大人びたモノではなく、ただバカだからボケっとしているだけだということだ。
『Z世代、一生独身でもいい 60%超え』なる記事をみた。
一生独身でもいい。
まあまあ、確かにね。
そう思った。
金があって、友達がいて、スマホで娯楽は事足りて、うまいものは宅配で頼んで家でのうのうと生きるから、一生独身でいい。
まあまあ、うんうん、確かにね。と。
ぶっちゃけ、彼女もいない童貞や、彼氏のいないバージンがいっているのであれば、顔洗って出直してこいとしか言いようがないので、それらは省いて、全員人と暮らしてみての感想であるという前提で。
まあ、他人と暮らすのって結構神経使うよねと、そう思ったのだが。
それでも俺は、結婚はしなくても、誰かと一緒に生きていたいな。
そう思っている。
結婚とはなんぞやと、考えて見た。
愛し合う二人が一生を誓い合う行為。
これから生きる道を共に歩く相棒。
他人が家族になる契約。
ふむ、と。
どれであっても正直確かに必要であるとは思えない。
好きで付き合っているのであれば、別段結婚などしなくても一緒にいることは可能だ。
現在の法律的に、家族にしかできないことも多く、不便がつきまとうという不利はあるが、それを気にしないのであれば現代に日本においては結婚などする必要は特にないとも言える。
なんなら弾みで子供ができちゃったりしても、ひとり親だと助成が受けられたりして便利だと聞く。
家の名前が幅を利かせた旧来の様式ではなくなった現代社会で、結婚とは一体なんの意味があるのか。
いや、家の名前は幅を利かせるけどね、現代日本でも。
今でも元財閥の家系とかすごいんだからね?
政治は基本世襲だし、金はある人のところにしか入らないし。
うん、だから旧来の様式で生きている日本人は現代においても腐るほど、というか腐っているんだけど。
けど、一般人の、そういう世界に関わりを持ちたくない、ピッチピチの日本人として、結婚てどうしてするのと、そういう疑問が浮かぶわけですよ。
好きな人がいて、付き合っていて、そういう風になる。
わかるね。
実に自然だよね。
子供ができちゃってなんとなく。
まあわからなくはない。
おろさなかったってことは女性側は確信犯な気がするけど。
孫の顔が見たいと親に言われた。
今時あんまりなさそうだけど、そういう話もちらほら。
結婚した理由は様々だと思うけど、結局結婚して何がしたいの?
結婚って結局なんなの?
その疑問の答えにはなり得ない。
正直高校生くらいまで俺はそんなくだらないことをウダウダとこねくり回して悶々としていた。
意味がわからないことに意味を見出そうとするのは、思春期特有の病気だと思う。
サインして家名を同じにして、一つところに住所を固めて。
そんな行為に確固たる意味なんて見出そうとする方が滑稽なのだと、誰も教えてはくれないから。
大学を出て、なんちゃって社会人になって、ぶっちゃけ人生に満足している。
今読んでるラノベの最終巻を読んだら死んでもいいな、くらいに思っている。
学生の頃は毎日がしっかりと組まれていて、自分が歩く道がそこにあったから何も考えずに歩いていた。
今、ふと考える。
「このラノベの最終巻が読み終わったら、次は何を読もう。それが最終巻になったら、次は?」
そうして終わりが続いた先に、俺はどうなるのだろう。
10代の頃、生活習慣が悪すぎて、30手前で死ぬねと言われたことがあったから、それくらいに死ねればいいかなあと思っていたが、20代も半ばになって、あれ?俺これ死なないんじゃね?と思えてきた。
死なないのだとすると、それはそれで誤算だ。
俺は死なずに、いったいいつまで生きてしまうのだろう、と。
生きるためには金が必要だ。
働いていれば時間は過ぎる。
死なないから、生きるために金を稼いで、いったい俺はいつ死ねるのだろうと思う。
死なないから生きて、生きるために時間を潰して、俺はいったい、何がしたいのだろう。と。
人間は一人でも生きていけると本気で思っている奴らがいる。
そういう奴らは決まってこう言う。
「結婚なんてしなくても生きていける」
結婚したこともない、結婚することなんてできない社会不適合者どもの捨て台詞だ。
そう言う奴らは考えたことがないんだろう。
考えて、目を背けているのかもしれない。
親はいつまでも生きていないし、自分の体はいつまでも元気じゃない。
娯楽はいつまでも楽しいものじゃないし、生きるだけの人生はどこまでも退屈だ。
一人で生きて、最後は孤独りになることの恐ろしさを、考えたことがないのだろう。
いつでも連絡が取れる相手はいつの間にかいなくなって、誰も自分を見なくなって、社会から消える恐怖から目を逸らしているのだろう。
人間はいつも独りだ。
一人で生きられるのなんて当たり前だ。
そういうふうに設計されているのだ。
今のZ世代とかいう謎の集団は、設計書通りの生き方をしようとしているのだろう。
社会が作ったプログラムには従わないぞと、意味のわからないことには首を縦には降らないぞと。
そんな反抗期真っ只中なガキみたいな生き方を、選ばざるを得なくなっているのだろう。
達観しているなどと、おだてられて。
いい気になって。
一人の方が気楽ですよねぇなんて子供がいる上司にいうと、やっぱり一人が最高だよなんて言われて。
「結婚は墓場」
そんなことを言っていいのは、結婚して痛い目にあった人だけだ。
「結婚は、墓まで一緒にいてくれる、そんな人と一緒に生きられる行為なんだ」と。
大人は言ってやらないといけないのに。
結婚なんてしなくても生きていけるとか、結婚してから言ってくれる?負け惜しみにしか聞こえないから。という話。 モノ柿 @0mono0kaki0
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