世界観が作り込まれており、読んでいて物語の世界に浸れる作品。

基本的には、人間に善人はいないという考えを持ち、常に人を疑う青年と、逆に人間にも善人は存在すると考える、性格の優しい少女、二人を主軸として綴られる、異世界ファンタジーの作品。

――人間は善であるのか、悪であるのか。
という問いかけが、この作品のテーマの一つだと思うのですが。
メインキャラ二人の思想が、善だと考える側と悪だと考える側で対極していることにより、テーマに対するそれぞれの考え方が際立っていて、読者にメッセージが伝わりやすい構成になっている、面白い物語だと思いました。

作風は硬派で、世界観の作り込みがすごいです。しっかりと設定が固められているなという印象を受け、物語の世界に読者が浸れる作りになっています。