う~ん、おもしろい!
史実とフィクションの織り交ぜ具合がいいですね。
江口の遊女の正体があやかしというのも、確かに鎮西八郎の母親ならばあり得るかもとワクワクします!
作者からの返信
ありがとうございます。
最近流行の「転生」「戦国時代」「天下統一」は供給過多なので、敢えてそれらを避けて書いてみたら、こうなりました。
玉藻前のモデルとの説のある美福門院(保元の乱、平治の乱の一因を作ったと言われる方ですね)は、調べてみるとちょうど為朝の母親ぐらいの年齢なんです。
それがこの物語を書こうと思ったきっかけですね。
これからも史実をベースにしながらも様々なフィクションの事件が起き、記録では為朝と接点のない歴史上の有名人が重要な登場人物として何人も八郎と絡んだり、あーなって、こーなって……
ゆっくり楽しんで頂けたら幸いです (^_^)
ドラマチックでありながらもどこか運命の残酷さを感じさせる展開が魅力的ですね。為義の懊悩と玉藻の毅然とした態度の対比が、二人のキャラクター性を際立たせていますね。特に、玉藻の「この子は私がこの手で育てたい」という言葉が、未来の予感を漂わせつつも母としての芯の強さを表現していて胸に響きました。物語の中にある時代の空気感が、情景描写を通じて鮮やかに伝わってきました。
作者からの返信
ありがとうございます。
実は今ちょうど悠鬼よう子様の作品を読ませて頂いて戻ってきたところで、そこにこのコメントを頂いて、偶然にびっくりしました (^_^)
為義はねえ、最初は男らしいところもあったんですが、どんどん情けなくなっていって、まあ年甲斐もなく玉藻に惚れ込んでしまった弱みといいますか。
玉藻は玉藻で、それこそ巨大な秘密を抱えてますんで「この子は自分の手で育てたい」という台詞には二重の意味がありまして、ひとつはもうすぐ明らかになりますが、もうひとつは玉藻の正体の根幹に関わる部分なので、こればかりはサービスでネタバレする訳にもいかず…… クライマックスまで秘密です (^^;)
時代の空気感が出てますか。
そう思って頂けたなら嬉しい限りです。
この時代は子だくさんで、跡継ぎ争いとか当たり前でしたよね。妊娠したのが自分の子かと疑うのはなんとも悲しいですね
作者からの返信
本当に子沢山。
史実では為義には八郎の下にも子供がいます。
中でも有名なのは源新宮十郎行家ですね。
後の源平合戦において各地に以仁王の令旨を持って回り、源氏反撃のきっかけに一助した人ですが、後は頼朝と義仲の間でウロウロし、義仲敗死後は義経に接近して、最後は頼朝に討たれちゃう。
扇動者としてや権謀術数には長けていたけど、戦には弱かった、この人が名前で分かる通り、なんと10男!
はあ~😓
そんな為義ですが、この時もう40代なかばで、当時としては初老です。
いっぽう玉藻はまだ10代末ですから、爺さんになりかけた為義が嫉妬し、若い、しかも白拍子である玉藻を疑ったという、悲しいけれども、当時ではありがちな話ではないでしょうか (^^;)
ガチの歴史小説、良いですね。
あまり人が扱わないもの、自分の目指すところです。
作者からの返信
「歴史小説」というか、史実の大きな流れは押さえながら、随所に創作を落とし込んだ、いわゆる伝奇小説ですけどね。
そもそも、玉藻前が出てくるところからして「歴史」ではないですし (笑)
ただ、最近流行の「転生」や「タイムスリップ」は排除しました。
それらの要素が絡むと簡単に知識チートが可能になって、よくある物語と一緒になってしまうので。
おまけに源為朝には信頼できる事実の記録があまり残っていないんです。
知られているのは若くして鎮西を束ねたこと、保元の乱での活躍、伊豆大島に流刑になってからのことぐらいですね。
後は大蛇退治とか、人間離れした強弓での活躍、琉球に渡って王朝の始祖になったとか、荒唐無稽な伝承ばかりです。
本作では、そういった伝承や史実はある程度参考にしながら、滝沢馬琴作「椿説弓張月」とも違う、全くオリジナルな物語を創作してみました。
為朝とは同世代でありながらも、実際には接触のなかった人物を、重要な役柄で絡ませてみたり、記録にはない事件を発生させてみたり、八郎為朝の人間像自体が一般に信じられているような豪放磊落一辺倒ではなかったり……
アイディアを思いつくのと書くのに疲れます (^^;)
でも、楽しいですけどね。
あまり人が扱わないものを目指すのは、私も一緒です。
ひねくれ者なのかな 😄
ありがとうございます。ただ、安易に擬音を用いていたことで、自分の中で手抜きがあったと思ったのです。読者のみなさんに真心を尽くしてないと。大分たくさん作っちゃいましたが。それはそうと、生まれたばかりの赤ちゃんの顔が整っている。ここで玉藻前の神秘性を感じました。母親の力が影響してるんですね。
作者からの返信
決して深い意図は無くて擬音語・擬態語について述べただけでしたが、それが何かの気付きのきっかけとなったのなら、私としても嬉しい限りです。
確かに読者の皆さんに、それから一文一文に真心を尽くすのは大事ですよね。
疲れますけど、ホント (^^;)
でも、それが嫌なら文章なんて書かなきゃいいんで (笑)
赤ん坊の顔ですが、仰る通り、なにしろ母親が母親ですから。
それに為朝は数え歳の4歳(満なら3歳)で牛車をひっくり返したっていう伝説をお持ちの方ですし、生まれた時も大人びていたのではないかと。
それと、ウチの娘が生まれた時のことも少し思い出しながら書いたかな (笑)
親が言うのもなんですが、生まれた時から赤ん坊らしくない、大人びた顔をしてたんですよ。
見舞客の皆さんに、よく驚かれました (^_^)
為義の疑念もすごくわかります。
そして赤ん坊の異常な成長な速さ。
どのように物語が進むのかワクワクです。
作者からの返信
まあ、男性は意外と嫉妬深いですし、昔は後継ぎの問題もありますからね。
特に、作中でも述べたように、江戸時代になるまでは長子相続が確立してませんし。
赤ん坊ですが、八郎はつまり為朝ですから、異常な成長の速さにしてみました。
なにしろ4歳(数え年です。満なら3歳!)で牛車をひっくり返したという伝説の持ち主です。
他にもいろいろと人間離れした荒唐無稽の伝承が……
まあ本作ではなかなか史実や伝承、有名な「椿説弓張月」通りには話は進みませんけど(作者がヒネクレ者なので・笑)、常人離れした活躍には乞う御期待です (^^♪
こんにちは。自主企画より参りました、岩井喬と申します。
和風作品・和風ファンタジーって、やっぱり惹かれますよね! 明らかに自分たちの実生活とは違うのだけれど、やっぱりどこか繋がり(過去とか今とか未来とか)があって、そこにテーマとなる異質なものを存在させることで、創作物としてのエンタメ性を打ち出す。
それが達成されているという点で、貴作はまさにお手本になるといって過言ではありません。
遅読で恐縮ですが、これからも拝読させていただければと存じます(^ω^)
作者からの返信
いらっしゃいませ。
拙作を「実写化希望」と仰って下さる有難いコメントやレヴューが多いので、ああいう企画を立ててみました。
「お手本」とか言って頂いて恐縮です。
ごゆっくりお楽しみ下さいませ (^_^)
英雄の誕生譚から物語が始まっているので、なんだか神話の序章を見ているかのような気分になりました。
漢語の多い硬めな印象の文体を用いているのも、作品の雰囲気に緊張感を与えていていいですね。
作者からの返信
物語の冒頭部分で主人公が登場しないのは、読者が感情移入できないので悪手である、なんて説がありますが、本作ではどうしても必要だったのでやっちゃいました。
そうでないと、第1~4話のような玉藻の描写もできないし、為義さんが八郎の出生について疑いを持って、疎むようにも話を持っていけないですしね。
文体はねえ、特に最初の方は時代感を出すために、古文調または漢文調にしたところがあるかな。
最初の頃はもっとやり過ぎちゃって、随分と修正しました。
今でも折にふれて、読み返してはちょこちょこ変更、修正してます。
もう、我ながら推敲マニアじゃないかと思うぐらいです (^^;)
この時点で、かなりハイクオリティな作品だと驚いております
為朝は出自からして、すでにただ者ではない雰囲気を醸し出してますね
父親との関係だけでなく、これからどのような運命を辿っていくのか
楽しみに読み進めていきたいと思います
作者からの返信
ありがとうございます。
ハイクオリティとか言って頂いて感謝感激です。
物語の冒頭時点で主人公がまだ生まれていない作品は、カクヨムではめずらしいかと (笑)
で、これからの運命ですが、もう、ああなってこうなって……
史実とも、有名な「椿説弓張月」とも違う、独自の物語になっております。
歴史の大筋を外す訳にはいかないし、でも為朝が主人公である以上、破天荒な面白さは必要だし。
ということで、もう発想するのが大変で大変で。
現在、最新話では八郎は九州に渡って合戦に次ぐ合戦を繰り広げているところです。
序盤はこの直後、玉藻に大きな出来事が、その後しばらくは八郎の成長譚になりますが、ゆっくりとお付き合い願えれば幸いです 😄
女性は妊娠に気付くのに3週間以上かかります。
ん? と思いつつ、次のも来ないことからよし検査してみようなどとやってるともっとかかります(私がこのパターン)。なので、3ヶ月後に打ち明けられても早すぎると怪しんでしまうの分かります。
別の子じゃないかと疑られても仕方ないなーと思ってたら、
〉既に誰ぞの胤たねを孕はらんで
やっぱり。
そして、男の子っ
鎮西八郎為朝の誕生でございますね。
本来男の子を生むことはめでたいことなのに、タイミングのせいで怪しまれ、望まれぬ子になってしまった為朝。
育てられ方によっては、グレるど。
作者からの返信
おっしゃる通り疑われて、この疑いは後々も続くんです。
男って、人によってはこういう事にシツコイですから (^^;)
そしてまた、この後もいろんな事件があるもので、八郎はああなってこうなって……
編集済
コメント失礼します。
タイトルとキャッチコピーが気になって、異聞の源為朝はどんなものかと見ましたが、為朝も伝承の中では人間離れしているので、こういうふうに繋げてきたかと思いました。
この先、どのように話が進んでいくのか気になります。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
調べてみると、玉藻前は鳥羽天皇の時代のお話で、他の方のコメントにも書きましたように、保元の乱や平治の乱の一因を作った美福門院がモデルだと言われているようです。
だから、ちょうどこの時代です。
で、私は八郎為朝も玉藻前も大好きなので、母と息子にしてみました。
でも本作のストーリー自体は史実とも「椿説弓張月」とも相当に違うオリジナルで、玉藻以外にも超有名な人物たちがガンガンと八郎の人生に絡んでゆきます。
楽しんで読んで頂けたら幸いです。
こんばんは!
第一話のみゃーの感想に頂きましたお返事がジワジワと現実の物に…
為義さんのイメージ、確かに変わりました
(^~^;)
お返事を噛み締めながら拝読しました。
為義さんの玉藻さんへの感情は、非常に興味深いですね。
愛とか信頼とか言う感じでは無く、でも、昔の高貴な身分の男性は本妻の他に沢山の側室がいたでしょうから、高貴な身分の男性の側室への感情はこういうものだったと思いますし、為義さんの玉藻さんの囲い方や感情は凄く歴史文学として現実味があり凄く納得しました。
作者からの返信
この時点で為義は40過ぎ、玉藻はまだ20歳前ですからね。
しかも為義の玉藻に対する気持ちは「愛情」とは程遠い「恋慕」ですし、玉藻は白拍子のうえに正体は「アレ」だし。
そこに更に「家」の問題が絡んでくるから複雑です。
平安の昔を背景とした物語なので、当時の男性はこうだったろうな~、なんて思いながら為義の心理を描写しましたが、あらためて考えると、こういう男性って、現代でも居そうですよね (^^;)