香りに導かれるように読んでしまう

聴香師という魅惑的な仕事をしている主人公は、誇りを持って働いている格好いい女性でした。彼女が香りを聴き分けてその芳しさを伝える姿はいつも素敵で、きっと近くにいたら憧れてしまうような女性です。

恋愛の場面も、香りによって相手の素直な気持ちを知っていき、どうしても心引かれずにいられないというシーンも素敵でした。もどかしくて、それでも縮まっていく二人が好きでした。また、探し人の依頼から国をめぐり大事件の真相に迫っていき、最後には息もつかせない転換がやってきて、ときめきとはまた違ったどきどきがあって楽しく読むことができました。