この物語はヒーローのサイラス様にヒロインのリーリエが剣を突きつけられ結婚を迫られるところから始まります。
このような始まりなので最初は「サイラス様怖っ!笑」となりますが、読んでいると徐々に「サイラス様可愛い……」になります。
脅されるリーリエと無邪気(?)に愛を告げるサイラス様の様子はちょっとコメディチックで、見ていてクスッと笑えたり微笑ましく思えたりします。リーリエも反応や言動が可愛らしく、序盤から二人の様子をいつまでも見ていたい……という気持ちにさせられました。
物語の中に謎要素もあり、それが明かされ、解決しようとする流れも面白いです。私はお話の途中くらいで「あっ……サイラス様ってもしかして……」とある可能性を思いつきました。
サイラス様の事情を知ってからはさらに「サイラス様ぁぁぁぁぁ!」とサイラス様の愛にやられます。
つまり読んでいると
「サイラス様怖っ!笑」→「サイラス様可愛い……」→ 「サイラス様ぁぁぁぁぁ!」
といった流れでどんどんサイラス様への好感度が上がり、めちゃくちゃ応援したくなっていきます。最初はヒロインに剣突きつけてるのに……!
リーリエ&サイラス様、末永くお幸せに――……。
とってもお似合いだと思います。
私はこういった西洋風ラブロマンスを最近読み始めたばかりなのですが、今作は特に作者さまの文章力が高くて情景を思い浮かべやすいので、きらびやかな西洋風舞台をたっぷり楽しめました。
甘々ラブストーリーが好きな方にぜひおすすめしたい一作です!
誘われたお茶会にて、英雄にして美貌の騎士サイラスに声をかけられた『ニセモノ令嬢』ことリーリエ男爵令嬢。
初対面のはずなのに声をかけられ、――しかもなぜか、サイラスに突然剣を突きつけられてしまう!?
「俺と結婚していただけますか」
「……は?」
最低最悪の求婚をされたリーリエは、とにかく生き残るためにOKを出す。そして始まる監禁生活に、測った覚えないのないのにピッタリのドレス。
ゾッとすること連続だが、何故ここまで彼が自分に執着するのかわからないリーリエ。
「あなたには訳の分からない状態でしょうけれど、これには意味があるのです」
「俺は今度こそ、君を失わない。必ず守ってみせるから」
さらにリーリエのそばには、美男子ジェレミアが近づいてくる。どれもこれも心当たりが無さすぎて戸惑うリーリエ。
そんな中、オディール王国では皇太子を廃そうとする動きがあって……?
貧乏男爵令嬢リーリエは、貴族社会でも庶民からも大人気の美貌の騎士サイラスから、剣を突き付けて婚約を迫られる。
命の危機を回避するため婚約を了承したリーリエだが、サイラス様はどうやら本当にリーリエに恋をしているらしい。
誘拐のようにして始まった婚約生活の中で、溺愛が始まる!
なぜサイラス様がリーリエを愛しているのか?
ここまで過保護なのか?
予想しながら読むのが楽しいです。
またリーリエの突っ込みも面白い。
最初はサイラス様を恐れているリーリエが、次第に彼に惹かれていく様子に、あたたかい気持ちになります。
イケメン騎士と貧乏令嬢のハートフル・コメディ、ぜひ読んでみてください!