第30話 俺の知らないデュエルサモナーズ
「マジかよ……」
最初の
確かに勝利の為に必要だったとはいえ、それこそ数えきれない程の自爆を強要されれば誰だって言う事を聞かなくなるよな。ブラック以外の何物でもないもん。
本来のデュエルサモナーズなら基本、一ターンに召喚出来る
だがこの世界において、そのルールは完全には適応されない。
「まぁ、
相手は頑強な
とはいえ、『怨恨の小剣士』の元の攻撃力も決して高いとは言えない。
「手札から
この効果で手札にある
「さぁ行け! 『怨恨の小剣士』の攻撃!」
「待ってドロウ! 不用意に近づくと危ないわ!」
危ないって、たかが
俺の知る
……待てよ?
嫌な予感を感じ取った頃には、既に俺の命令を受けた『怨恨の小剣士』が
今回はちゃんと剣を使えたらしく、素早い動きで見事に
だが、肝心の
一方、上下に裂かれたはずの
どちらが優勢か、火を見るよりも明らかだった。
俺は急いで撤退の命令を出すが、それよりも先に
閉じ込められた『怨恨の小剣士』はものの数秒も経たない内にジュワッという音を立てて消滅した。
嘘だろ。攻撃力2300まで上昇した『怨恨の小剣士』が
「
「相性最悪じゃねぇか!」
剣士の天敵相手に剣士をぶつけたって、相性的に勝てる訳ない。それは分かる。
だが、本来デュエルサモナーズにおける
しかし、この世界において俺の常識はおそらく通用しない。
勝つためにはカードに書かれたテキストやパラメータだけじゃない、もっと多くの事象を考慮して戦略を組み立てる必要があるのだろう。
「なんだよ、それ……」
そんなの、俺の知ってるデュエルサモナーズじゃない。そんなの…………。
「…………すっげぇ、面白いじゃねぇか!」
この世界には、俺のまだ
こうなったら、何が何でもこの
「――……ぶない! 後ろ! 後ろ!」
後ろ後ろ……って、俺に言ってるのか?
人が新たに決意を固めてる最中だっていうのに、何があるっていうのか。
振り返ると、そこは一面のクソ緑。
「――ってあっぶねぇ!!!」
急いでその場から逃げ出し、後ろへと下がる。動き自体は鈍重なため、躱すのはそこまで難しくなかった。
「一先ずコイツは無視して、町まで逃げるぞ!」
「「「了解(ニャ)!」」」
従来の要領でカードが使えないとなると、このまま戦闘を続けるのは余りにも危険すぎる。一度安全な場所で情報を集めた方がいい。
幸い、このスピードなら走って振り切るのは容易だろう。
かくして、俺達四人の
生粋のカードゲーマー、異世界だろうとデッキ片手に最強目指します! フェイス @fayth3036
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