普段は花屋として、店を訪れる人々に花を手配するミシェル。彼の扱う花は見た人の心を動かし、その香りは安らぎを与えるが、花とは決して祝い事にのみ送られるものではない.....。その当たり前を、この作品は気づかせてくれます。
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死体を扱う副業……というと、怪しげな人物で描かれがちかなと思うのですが、主人公は好青年で、人望も厚く、人に愛されるキャラクターです。それ故に、死体に恭しく接する場面は少しぞくりとするようですが、それでも、風変わりなマッドサイエンティストみたいな感じとは全然違います。また、アニミズム信仰といえば森とかうっそうとした自然のイメージですが、この作品はおっとりとした街が舞台で、出てくる人もお上品。とにかく、よくある死体屋さんみたいなものとは全然違って、オリジナリティがあると思いました。
シカトリスの街で花屋を営むミシェル。彼には副業があり……。描写が丁寧で花屋の様子が目に浮かぶようでした。冷却機能がある様子など、とてもよく考えられているなぁと思いました。シカトリスの街で彼の副業は既知されているようで、秘密の仕事でないことが普通の物語とは一味違うと感じました!今後、どんな展開になるのか楽しみです!