第蟲陸話 【花ざかりの警告】
配役表一覧✝
●PC1 タイタス→男性
●PC2 マクベス→男性
●PC3 ジュリエット&???①(作中兼役)→女性
●PC4 ラヴィニア&???②(作中兼役)→女性
●SV① ヘレナ→女性
●NC(ナレーション)①→女性
●NC(ナレーション)②→男性
✝男女比率✝
男3・女性4(7人台本)
✝ジャンル✝
SF・ダークファンタジー【R-15G】
(※同性愛表現・残酷描写・鬱展開有)
✝所要時間✝
約40分
────────────────────────
NC②
永い後日談のネクロニカリプレイ風 声劇
『The Fake World of the End (ザ フェイクワールド オブ ジ エンド)』
『第弐章 Thistle(シィソー)~壊れた楽園の華~』
第
マクベス
「っっっ!!!!!?????
……なっ、何だ……今のは……!!!???」
(あれはタイタスも見たと言っていたヴァイオレンタの時と同じヘレナの過去の記憶????
記憶の中で言っていた【A.g.r.a.v.a.i.n.(アグラヴェイン)】や【G.a.w.a.i.n.(ガウェイン)】、【P.e.r.c.e.v.a.l.(パーシヴァル)】、【G.a.l.a.h.a.d.(ギャラハッド)】が何かの地位だと言う事が分かった。
そしてヘレナはやはり【第4次新型異種混合合成超生物──Χ.ί.μ.α.ι.ρ.α.(キメラ)開発実験計画 V.e.r.ð.a.n.d.i.(ヴェルザンディ)──】の実験体だったのか……だが、もう一人の人物……まさか過去の
それにあの人物は一体……???)
タイタス
「マ……ベス……マクベス????
顔色が真っ青だけど……もしかしてマクベスも見たの???ヘレナの記憶を……」
マクベス
「嗚呼……………酷いモノだったよ……………。
それとついさっき分かったんだが、実は
(まだ不明瞭な事もある、だからもう少ししたら3人に話そう……今はまだ言えない……)
マクベス
「えええええええっっっ!!!!!????
痛みがあるのっっっ!!!!!!?????
でも僕たち一度死んでるんだよね?????
なのにマクベスだけ痛みがあるってどう言う事????」
マクベス
「シッッッ!!!!!声が大きいっっっ!!!!
だからこれの理由が分かるまであの2人には内緒にしていて欲しいんだ。
頼むよ、タイタス……」
タイタス
「マクベス……はぁっ……分かったよ、ちゃんと話してくれるまで黙ってるよって……あ、あのーーーーマクベスさん????
何で顔近付けて来るのかなぁぁ?????」
(きゃあああああああっっっ!!!!!????
顔が近い近い近い近いっっっ!!!!!!!)
マクベス
「ん???せっかく黙ってくれるならご褒美をあげようと思ってね☆
タイタスは前回の続きじゃ嫌かい???」
タイタス
「ええええええええっ!!!!!???
続きってあのっ!!!!????
まさか……ぅうわああああああああっ!!!!
まっ、待って待ってっまだ心の準備がっ!!!!」
マクベス
「じらされるのは好きじゃないんだ……
今すぐ君が、タイタスを愛したい…ね???タイタス……」
タイタス
「……マクベス……」
ラヴィニア
「タイタス母様とマクベス父様、何をしてらっしゃるんですか?????」
タイタス
「うわぁあああああああっっっ!!!!!????
ラララララヴィニアァァァァァッッッ!!!!???
ジュリエット
「あのーーーーすいませーん、アタシもいまーす。」
タイタス
「きゃぁぁああああああああっっっ!!!!???
ジュジュジュリエットォォォッッッ!!!???」
マクベス
「はははは……はぁっ……」
(今度はラヴィニアかぁああああああっ!!!!
クソもう少しだったのにっっっ!!!!!!!!)
ジュリエット
「一応言うけど、アタシはアンタ達のイチャコラを
止めるつもりは全っっっっっ然無かったんだけどさぁ~ラヴィニアが『マクベス父様がタイタス母様を
独占してますっ!!!!!!ふんすっ!!!!』って言って歩いて行っちゃったから止められ無かったのよねぇ~。
ごぉめんねぇ、マクベスゥゥゥ~、プークスクス!!!!」
ラヴィニア
「そうですよっ!!!!
タイタス母様の独り占めはダメ、絶対ですっ!!!!
めっ!!!!ですよ、マクベス父様っ!!!
それとさっきは何をされていたんですか???
凄くお顔が近かったですけど?????」
ジュリエット
「どぉぉぉぉせ下心丸出しのマクベスがタイタスに
キッスでもしようとしてたんでしょ、でももう今に始まった事じゃないけど。」
ラヴィニア
「キス????タイタス母様、キスって何ですか????」
タイタス
「えええええええええええええ!!!!!????
キキキキキキキキキスゥゥゥゥゥッッ!!!!!???
えーーーーーーーっと、あの、その、あの、キキキスって言うのは、その、あの、つまりね。」
マクベス
「そうだね……ラヴィニアがもう少し大人になったら教えてあげるよ、手取り足取り実演も込みで☆」
ラヴィニア
「本当ですかっっっ!!!!???
約束ですよ、マクベス父様っっっ!!!!」
ジュリエット
「ダメダメダメダェェエェェッッッ!!!!!!!
何考えてんのよっっっ!!!!ばっ、馬鹿じゃないのっ!!!!
こんのぉスケコマシッッッ!!!!
馬鹿馬鹿っっ!!!!変態っっっ!!!!!」
タイタス
「ぎゃぁあああああっ!!!!!
銃向けないで、ジュリエットッッッッ!!!!!
マクベスもラヴィニアで遊ばないでよっ!!!!!
えっとラヴィニアは教わらなくても大人になれるからっ!!!ねっ!!!!!」
ラヴィニア
「は、はい????分かりました????
でも、早く大人になる為頑張りますっ!!!!
ふんすっ!!!!」
NC②
穏やかな空気が流れる中、4人はラヴィニアとタイタスが見つけた桜の木の下にある丁度良い場所を見つけ、スコップでゆっくりと穴を掘っていく。
ざくり、ざくり、ざくり、ざくり。
地面に掘られた穴。
名も無き少年少女達の遺体とパーツを埋葬する。
ばさり、ばさり、ばさり、ばさり。
最後の土を被せる。
美しかったかつての【楽園】に完成したのは小さな小さな手作りの墓。
木製で出来た十字架とジュリエットが摘んだ花で作られた花の
供え終わると誰かが声をかける事も無く、一人ひとり墓の前で祈る。
何に祈る訳でも無い。
この世界に祈りを捧げるモノはもういないと言うのに、それでも祈る。
どうか、せめて安らかな眠りを。
そう、想いを込めて祈りを捧げる。
彼女達の生の終わりを示す象徴。
もう彼女達が【
使い捨ての役者風情が大切な主役達に
マクベス
「……じゃあ、行こうか……」
タイタス
「……うん……」
ラヴィニア
「きっと……ヘレナさんは独りぼっちじゃないから、寂しくないですよね……」
ジュリエット
「ええ……きっと大丈夫よ……」
NC①
区切りを付けた貴方達は一人、ひとりと枯れて腐り朽ちる花畑と、桜の花弁はなびらが舞い落ちて逝く美しかった【楽園】に背を向ける。
貴方達はヘレナの
でも。
それでも、だからこそ、貴方達は歩き続けるべきなのよ。
貴方達の過去を取り戻し、この【後日談】を続ける為にも。
タイタス
「……さよなら……ヘレナ……」
NC②
美しかった花畑を後にした4人は新たな手掛かりを探せば、自然と
密集とした木々が作る自然のドーム状のトンネルの中でひっそりと現れた獣道。
道の先は
ジュリエット
「この道は安全に通れそうよっ!!!
獣以外に人らしき何かが通った後も少し残ってるし、この先に何があるか分からないけどアタシが先頭進むから 、行くわよっ!!!!みんなっ!!!!!!」
マクベス
「フフフ、やる気十分なのは分かるけど
タイタス
「そうだね、この先に僕達の記憶に関わって来る何かあれば良いんだけど。」
ラヴィニア
「ちょっと怖いですけど、でもボクッ、頑張りますっ!!」
ジュリエット
「大丈夫よっっっ!!!!!
どんなもんが来たってアタシがギッタンギタンのボッコボコにしてやるんだからっっっ!!!」
マクベス
「やる気があるのは良いけどあんまり気を張り過ぎて
後で疲れた~歩けないぃ~とかって言わないようにね、ジュリエット。」
ジュリエット
「うぅぅぅぅぅっ!!!!わっ、分かってるわよっ!!!
ほら、行こう、ラヴィニアッ!!!!!」
NC①
ラヴィニアに差し出されたジュリエットの手に触れようとしたその時、リィンっとラヴィニアの髪飾りのベルの音が鳴り響いた。
すると突然ラヴィニアの視界にノイズが走り、ザザーーーッと音に混じって誰かの鳴き声と見知らぬ映像が拡がった。
ラヴィニア
(えっ!!??な、何っ!!!???
あれは…あの子は……ヘレナお姉様……!!??)
NC②
─────────ヘレナの記憶のカケラ
【鳥籠の鳥】のシーン──────
ヘレナ
─────あの【扉】には近付いてはいけない────
白く重く、固く閉ざされた、あの【扉】に近付いてはいけない。
それが
破れば良くて折檻、悪くてもう戻って来れない。
わたしはずっとあの【扉】の先が知りたかった。
だからある日、こっそりあの【扉】に近付いた。
すると、普段は厳重なロックが掛かっているのにその日は
真っ白な【悪魔】優しく微笑んで笑い合って温かな手で頭を撫でるセンセイ達。
わたしと同じ服を着た真っ白な【悪魔】は閉じ込められているのに明るく楽しげに笑っていた。
どうして???
どうして???
どうして???
わたしと違う。
わたしと違う。
【
どうして、オマエは【
ラヴィニア?
「あれ、あいてる??だれか、そこにいるの???」
ヘレナ
真っ白い【悪魔】の赤い瞳。
【カミサマ】と同じ赤い色。
【
タイタス
「……ヴィニア……ラヴィ……ア……ラヴィニア???
おーい、ラヴィニア???大丈夫???」
ラヴィニア
「え……???タイタス……母様……???
あれ????今のは????」
タイタス
「もしかして疲れちゃったかな???
マクベスとジュリエットって意外と歩くの早いから
もうあんなに先に行っちゃってさ。
ラヴィニア???聞こえてる???
それとも具合でも悪いの????」
ラヴィニア
「い、いえ……大丈夫です……
すみませんです、ちょっとボーっとしてしまって……
でも大丈夫なので平気ですっ!!!!」
(あれは……ヘレナさんの過去……???
その記憶の中にボクがいた……???
……どうして……????)
タイタス
(もしかしてラヴィニアもヘレナの記憶を見ちゃったんじゃ……だけど僕らに心配をさせないように気を使ってる……あんな事があったばかりだから……だけど……)
「駄目だよ、ラヴィニア……
……ラヴィニアって時々辛そうな顔をするんだ。
辛くて苦しかったら無理しちゃ駄目だよ……
辛い時はちゃんと辛いって言わなきゃ。
僕等は万能で何でも出来る訳じゃないから、だからちゃんと話さなきゃ、言葉にしなきゃ伝わらないんだよ……
ラヴィニアは優しくて良い子だけどたまには甘えて良いんだからさ……
ラヴィニアが辛い想いをしたら僕も心が痛いんだ……
だから、お願い、独りぼっちに、一人きりで独りぼっちにならないで……」
ラヴィニア
「タイタス母様……ありがとうございます……」
タイタス
「……ううん、良いんだよ、ラヴィニア……さぁ、行こう、2人がどんどん先に行ってるからねっ!!
マクベスー、ジュリエットー!!!
2人共ちょっと待ってー!!!!」
NC①
4人は記憶の道標を目指して一歩一歩進んで行く。
自然豊かと言えば聞こえは良いが、自然しかない単調な景色を歩き続けた。
どんなに歩き続けても疲労とは無縁の身体。
手掛かりと呼べるモノも無く歩いていると、森の中でひっそりと顔を出したソレが見えて来るでしょう。
その正体は頑丈に閉じられた、丸い円状の形をした鉄製の扉。
扉の周りはコンクリートで出来ており、扉の前には
誰かが複数人通った足跡が残されていた。
マクベス
「扉か……この地面の足跡は扉の方に続いている。
この先に
ラヴィニア
「扉の周りにも足跡以外これと言って調べるモノもなさそうですね。
タイタス母様は何か見つけましたか???」
タイタス
「うーん………駄目だ、さっぱりだよ。
他に標識とか鍵も無いけどこの扉開くのかな????
どう、ジュリエット???」
ジュリエット
「この扉がかなり分厚くて、中は空洞になってるから
多分通れるって事位しか分かんないわね。」
(でも……あれ………この扉、
NC②
扉に触れたジュリエットの脳裏に突如、ザザザッと音を立てて、ある場面が拡がって来る。
その中どは白い服を着た人物と彼女の姿があり、眼下に広がる光景は目を覆いたくなる、まさに地獄絵図。
さぁさ、御覧になってお祝いしましょう。
その忌まわしく、悲惨で残忍な哀れな【怪物】の誕生を。
NC①
─────────ヘレナの記憶のカケラ
【身代わり】のシーン──────
???①(ジュリエット兼役)
「被験体番号00019(ゼロゼロゼロ ヒトキュー)。
オマエの能力稼働実験の成績は他の実験体よりもどれも低いモノばかり……
これだけ手間の掛かる事をしても結果は最悪。
次が駄目ならもうオマエを【N.E.P.H.I.L.I.M.(ネフィリム)】行きとして処分するわ。
だってそれ位しか利用価値は無いもの。」
ヘレナ
「……ごめんなさい……センセイ……【N.E.P.H.I.L.I.M.(ネフィリム)】だけはお願いです……許して下さっ」
???①(ジュリエット兼役)
「はぁぁっっ??!!
謝るくらい誰だって出来んだよぉっ!!!!
ったくどうしてこうテメェら【L.i.L.i.N.(リリン)シリーズ】は使えないのよっっっ!!!!!!」
ヘレナ
「あぎゃっ!!!がぁっ!!!いだいっ!!!
ごめんなさいっっっ!!!ごめんなさいっっっ!!!
ちゃんと良い子にしますからっ!!!!
だから殴らないでっ!!!
ごめんなさいっっっ!!!!
ごめんなさいっっっ!!!!
ごめんなさいっっっ!!!!
許してくださいっ!!!!!センセイっ!!!!!」
NC②
────────黒い髪に赤い唇と氷の刃の様な蒼い瞳。
その女は
殴られて蹴られ続けて、身体中痣だらけになって血を流しても許すことは無く。
他の子達の様に上手に出来なくい
でも、ある日。
見た事も無いくらい優しく笑いながら
???①(ジュリエット兼役)
「よく来てくれたわね、被験体00019(ゼロゼロゼロヒトキュー)ちゃん。
さっそくだけどオマエを【第4次新型異種混合合成超生物──Χ.ί.μ.α.ι.ρ.α.(キメラ)開発実験計画 V.e.r.ð.a.n.d.i.(ヴェルザンディ)──】の被験者に選ばれたのっ!!!
おめでとうっっっ!!!!!
オマエの能力稼働実験の結果を再分析したら、一定のある種の適応生体とのシンクロ率が向上している事が分かったのっ!!!!!!!
これなら私の考えている理論が実践出来るっ!!!!
オマエは他の実験体よりも適正数値も良いのよ~。
……オマエ、【あの子達】を助けたいんでしょう??
だったら私の実験に付き合ってくれるでしょう??」
ヘレナ
「……ほ、本当に【あの子達】を助けてくれるんですか???
お願いしますっ!!!!!
私はどうなっても良いんですっ!!!!
だからっ!!!!どんな実験にも耐えてみせますっ!!!!
だからセンセイっ!!!どうかっ!!!」
???①(ジュリエット兼役)
「ええ、オマエが実験で頑張って耐えてくれたら【あの子達】の安全は保障すると約束するわ。
誰かを守る為の自己犠牲っ!!!!
感心するわ~偉いわねぇ~。
さぁ、そこのベットに横になってちょうだい。
まずは要らないモノを無くさないとならないから。」
NC①
そう言って女は
まるで台所で新鮮な食材を真っ二つにザクリ、ザクリと切断してしまうように。
ヘレナ
「いぎゃぁぁぁあああああああっ!!!!!!!
私の足があああああぁぁぁっ!!!!!!!
私の腕がああああああああっ!!!!!!!
いだいいだいいだいぃぃぃっ!!!!!!」
???①(ジュリエット兼役)
「こらこら、暴れるんじゃないわよぉぉぉぉ。
まだ手足を一本ずつ切り落としただけでしょぉぉお????
痛くても我慢しないとぉ……フフフ……アハハハハハハハハッッ!!!!!!!
バァァァァァカァァァッッ!!!!!!!
簡単に騙されやがって、アハハハハハハッッ!!!!
誰が【あの子達】の安全なんか約束するか、クソがっっっ!!!!!
オマエ達、【L.i.L.i.N.(リリン)シリーズ】は替えがきく役立たずで出来損ないの
【ニンゲンもどき】の劣化品にくれてやる 慈悲なんて初めからねぇんだよっっっ!!!!!
………嗚呼でもぉ、オマエには感謝してるのよ???
【第4次新型異種混合合成超生物──Χ.ί.μ.α.ι.ρ.α.(キメラ)──開発計画、V.e.r.ð.a.n.d.i.(ヴェルザンディ)】の被験者に選ばれたのは本当だし、ちゃんと適正してたんだから。
でもワタシィ、生きて参加させるなんて言ってないわよ???
オマエを私の【
アハハハハハハハハッ!!!!!!!!!!」
ヘレナ
「ぃ゙い゙ぎゃ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙あ゙ぁ゙ぁ゙っ!!!!
殺さないでっっっ!!!!!
殺さないでっっっ!!!!!
い゙だい゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙っ!!!!
い゙だあ゙ぁ゙ぁ゙あ゙ぁ゙ぁ゙っ!!!!!
ひぎゃ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙っ!!!!!」
NC②
───────手足を切り刻まれ、腹の中身を掻き出され、頭をぐちゃぐちゃに掻き回される永遠の苦痛に
マクベス
「ジュリ……エット……、ジュリエ……ト……ジュリエット????
まさか君もヘレナの記憶を見たのかい????」
ジュリエット
(……酷いっ!!!酷過ぎるわ、あんなのっ!!!
あの記憶の中の人物ってアタシ!!!!???
違うっ!!!!アタシはあんな事っ!!!!)
「……マクベス……????
アタシ……えぇ……アタシも見たわ、ヘレナの記憶を……」
ラヴィニア
「ジュリエットお姉様、大丈夫ですか???
少し休みましょう。ジュリエットお姉様のお顔、凄くやつれてらっしゃいますし……」
ジュリエット
「ありがとう、ラヴィニア……少し深呼吸すれば落ち着くから。
すぅーーーーーはぁ……うん、ちょっとは楽になったわ、もう平気よ。」
タイタス
(ジュリエットが動揺してる……余程、酷いモノを見たんだろうな……皆に心配掛けないように何とか取り繕っているけど震えてる……)
「駄目だよ、ジュリエット、一人で無理して耐えてちゃ。
前にラヴィニアが言ってたじゃないか、【家族】に心配掛けちゃったって良いんですよって。
僕等を不安にさせたくないのは、分かるけど……」
ジュリエット
「タイタス……何よ、肝心な事は皆だって、
アンタだって言わないじゃないっっっ!!!!!
【家族】に心配かけたって良いって言うけど時と場合って考えないわけっ???
アンタの、タイタスの心配って
タイタス
「な、なんだよ、その言い方……
確かにまだ皆に言ってない事とかあるけど、でも僕は皆の事が本当に思ってるからっ!!!!」
ジュリエット
「それが余計なおせっかいなのよっ!!!!!!
自分が誰よりも皆を守る為に自己犠牲を掲げる、馬鹿野郎ってまだ分かんないのっ!!!???
一人よがりの優しさなんて迷惑なのよっ!!!!!」
タイタス
「はぁっ!!!!????
ジュリエットだって僕等に何も言わないじゃないかっ!!!!!
僕にはジュリエットが何考えてるか分かんないよっ!!!!
馬鹿馬鹿って言うけど本当はジュリエットの方が馬鹿だよっ!!!この分からず屋っ!!!!!」
ラヴィニア
「タ、タイタス母様……ジュリエットお姉様……」
マクベス
「っいい加減にしろっ!!!!!
やめろ2人共っっっ!!!!!!!!
ラヴィニアのいる前で争いあって恥ずかしくないのかっ!!!???
……落ち着くんだ2人共。
この扉に入る前に少し休んでから入ろう。
扉から何か聞こえないか?????」
ラヴィニア
「え……????何かの音楽????
でも歌じゃない???
扉の中から鳴ってますね、こうやって扉に耳を当てると……っうわぁっ!!!酷い音ですっ!!!!」
タイタス
「音量が上がって来てるっ!!!!????
扉越しじゃなくても聞こえて来るっ!!!!!!」
ジュリエット
「何よ、この音っ!!!!うるっさっ!!!!!
何か気持ち悪い音っ!!!!
誰よこんなの流してる奴っ!!!!
文句言ってやるんだからっ!!!!!!」
NC①
聞こえて来る酷い不協和音は貴方達が
音が上がる、音が上がる、音が上がる、音が上がる。
上がるっ!!!上がるっ!!!上がるっ!!!
上がり続けるっ!!!!!!!!!!
扉から離れても、耳を塞いでも音は止まず、脳に直接響いてくる音が心と自我を蝕んで来る。
音が聞こえる。音が聞こえる。音が聞こえる。
音がっ!!!音がっ!!!音がっ!!!
どんなに抵抗しても不協和音は鳴り続ける。
音の暴力の前に貴方達は何も出来ない。
マクベス
「ぐぁ……まず、い……この、ままだと……っ!!」
ジュリエット
「うぅぅぅ……ヤバ……これじゃ……歩けな……」
ラヴィニア
「頭が……頭が痛い……っ!!割れて……」
タイタス
「みんなっ!!??ぐぅあっ、身体が震えてっ!!」
NC②
─────────脳を染め上げて来る。
自我が乱される、心が侵食される。
音が全てを掻き乱して来る。
声が出せない、音に塗り潰される。
声が聞こえない、視界が塗り潰される。
意識が保てない、思考が出来ない。
自我が揺れる、視界が暗転する。
立って居る事も、座る事もままならない。
音が全てを奪い尽くしていく。
音が、音に揺さぶられて、脳が、心が、自我が、
上手く…………─────────
ラヴィニア
「ぅ……ぁ……あ……」
ジュリエット
「アタ……シ……もぅ……」
マクベス
「ジュ……ラヴィ……」
タイタス
「くっそ……みんなしか……り……」
NC①
どさり。冷たい地面が頬に触れ、土とアスファルトの匂いがする。
貴方達は身体を支える事は出来ない。
最初にラヴィニアが倒れ、次にジュリエット、マクベスの順に倒れていった。
手足の感覚と意識が抜けていく。
何とか耐えていたタイタスに身体を揺さぶられていたが、その声も揺さぶられる感覚も無い。
そして、タイタスも力尽きた様に倒れていく。
あれほど
NC②
見えない。聞こえない。感じない。
何も、何も、何も、何も、何も、何も感じない。
とろけるように。眠るように。
思考も身体も心も自我も何もかもが消えていく。
砂糖が水に溶けていくように何もかもが溶けて、溶けて、【
睡魔に近い【ナニカ】が眠らない死者を忘却へと沈め、それに抗う手段など持たないドール達は穏やかに、速やかに、思惑通りに、シナリオ通りに。
─────君達の思考は
NC①
─────シークレットNCシーン
問1 アンデットは【夢】を見るのか??
彼は【見ない】と言った。
【夢】を見たと感じるならばそれは幻である。
例えて言うなら幻肢痛のようなモノ。
アンデットに眠る必要は無いのだから……
NC②
問1 アンデットは【夢】を見るのか???
彼女は【見る】と言った。
恐らくは【自我次元】に保存された
行っているのだろう。
アンデットの体内に【とある物質】は脳と同様の
シナプスを発生させて情報や信号を盛んに交換し、身体全てがフラクタル化され、脳に依存すること無く情報の蓄積と分析を可能としている。
故にアンデットは【夢】を見ているのだろう。
NC①
──────さて、どちらが正しいのだろうか???
せっかくだから議論して貰っても良いのだけど、アナタにはもう、関係ない話でしょ……?
重要なのは【夢】の内容、そのものなのだから……
──────マスターシーン
タイタス 記憶のカケラ
【懺悔】のシーン……─────
タイタス
──────────これは俺の【懺悔】。
これは俺の犯した許されざる【罪】。
これは俺が受けるべき【罰】だ。
???②(ラヴィニア兼役)
「……ひっく……ふぇえっ……ひぐぅ……
ご、ごめん……ごめんなさ……い……ごめんなさい……ごめんなさい……センセイ……」
タイタス
「もう謝らなくて良い、この程度の傷は平気だから泣かなくて良いんだよ。」
???②(ラヴィニア兼役)
「でも……でも……ボクのせいで、センセイが
ケガをしてしまいました……ボクの、ボクのせいで……
ボクがもっと上手く出来ていたら……
センセイはケガなんてしなかったのに………
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
タイタス
「これは俺が勝手にしただけだ、君が気にする事じゃない。
それに君を守るのが俺の仕事だし、俺以外君を守らせるつもりは無い。
それに俺はこれでも元軍人だ。
傷なんて戦場では飽きる程、経験して来たんだ。
だからもう慣れているし、心配する必要も無い。」
???②(ラヴィニア兼役)
「ひっく……そんな……ケガをしたら…痛いです……沢山、血が出て……身体だけじゃなくて
ボク……そんなの……いやです………センセイが痛いのは嫌です……」
タイタス
「君の心が痛くなる????
まだ傷が、心が痛むなら戻ったら検査をしよう。
いや、まずは問診が先か。
君は俺が傷付くと心が痛むのか????
それは今日だけか???
それとも俺が傷を負えば痛むのか???」
???②(ラヴィニア兼役)
「センセイは……
あの日も……センセイは泣いていました……
だから……駄目、です……独りぼっちにならないで、センセイ……
1人きりで独りぼっちにならないで……」
タイタス?
(……俺が……泣いていた……????)
「……そうか、君は優しいんだな……
心配するな、俺は大丈夫だから。
さあ、もうすぐ部屋に着くからそれまでもう少し俺の背中で休んでいなさい。
君をおぶって
???②(ラヴィニア兼役)
「はい…ひっく……わかり、ました……ひぐっ……ごめんなさい……ごめんなさい……」
タイタス
──────────俺は選んだ。
俺は傷付いたあの子の手を取った。
許されざる想いと許されざる感情。
決して許されざる【罪】……
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
俺はこの許されざる道を進む。
それしか、もう、道はないのだから……
だから、どうかどうか、俺を許さないで……
【俺の最愛の子】よ……──────
NC②
────────────場面変わり、【現在】。
次にドール達が気が付いて目覚めると
タイタス
「……え?????」
マクベス
「なん……だと?????」
ジュリエット
「い、一体どう、いう事、なの???」
ラヴィニア
「……
NC①
見知らぬ光景が広がる場所だった……─────
NC②
Congratulations(コングラッチュレーションズ)ッッッ!!!!!!!!
おっめでとうございまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁすっっっ!!!!
ついに君達、
我等が崇高なるっっっ!!!!偉大なるっっっ!!!!
慈悲深く、気高く、孤高の高潔の御心を持つっ!!!!
我等の親愛なるぅぅぅぅっ!!!!
敬愛なるぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!
我等を束ねる【偉大なる家族の
我等が【
嗚呼っっっ!!!歓喜なさいっっっ!!!!!
恐怖なさいっっっ!!!!絶望なさいっっっ!!!!
全て全て全てぇぇぇぇぇええこの時の為にっ!!!!
さあ、始まりますよっっっ!!!!!!!
【新たな
アヒャヒャヒャヒャヒャッ!!!!!!
アハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!!!!!!
NC①
───────
───────
───────
───────
どうか、どうか。悲しまないで。
どうか、どうか。嘆かないで。
どうか、どうか。
どうか、どうか。
永遠に、
どうか、どうか。
【裁きの剣】が下される前に。
【シアワセな結末】を。
NC②
第
~終演~
──to be continued(トゥ ビィ コンティニュード)…………───
『The Fake World of the End』 ぐるこ☆さみん @alice996602
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