小説ってやっぱり作者の意図とか思惑が透けて見えると萎えるよね。それがない時点でかなり読みやすいし、蛇と竜の尻尾の絡みがエロくて好き、なお人間に備わってない部位なのでエロではない(作者曰く)
主人公のヒールロールプレイ(本性)も抜かりなく遂行するとこ好き。能書き垂れないとことかも好み。
戦闘の描写も含めて細部までちゃんと調べてそうな印象を受ける、ほぼ出てこない麻薬シーンすらしっかり調べてるみたいで、さまざまな豆知識をあとがき部分でおもしろく伝えてくれる。
作者の透けて見える文体に飽きた人はおすすめしたい。埋もれていい小説じゃない
とにかく筆者の表現力が素晴らしい。
淡々とした筆致で紡ぎ出される世界観は、読者に血の匂いや張り詰めた空気を肌で感じさせることだろう。
もうここまで自信を持って ”いい” と云えてしまうとこの作品の出来というより、単に自分の好みにハマりすぎただけなのでは、と疑問にすら思えてしまう。
最近のマンネリを吹き飛ばしてくれる作品
やっぱりこういった読み物も世間のブームは汲みがちなもので、ランキングなどを見ると分かる通り、未だに”チート””ハーレム””ざまぁ”などが権勢を振るっている。
もはやここまで流行っていると書き手より読み手に問題があるのでは、と感じる程だ。
主人公が不遇な環境からスリーステップで英雄になる物語より、環境において得られる等身大の物語を積み重ねて成長していく物語の方が、読んでいてより深い情緒を味わえると思う。
まだまだ作品も序盤、主人公がこれから立ち向かう試練と成長の物語、そして繰り広げる血と汗舞う闘争がとても楽しみだ。