流行り病”チート、ハーレム、ざまぁ、婚約破棄”に飽きた読者達へ

とにかく筆者の表現力が素晴らしい。
淡々とした筆致で紡ぎ出される世界観は、読者に血の匂いや張り詰めた空気を肌で感じさせることだろう。

もうここまで自信を持って ”いい” と云えてしまうとこの作品の出来というより、単に自分の好みにハマりすぎただけなのでは、と疑問にすら思えてしまう。
最近のマンネリを吹き飛ばしてくれる作品

やっぱりこういった読み物も世間のブームは汲みがちなもので、ランキングなどを見ると分かる通り、未だに”チート””ハーレム””ざまぁ”などが権勢を振るっている。
もはやここまで流行っていると書き手より読み手に問題があるのでは、と感じる程だ。

主人公が不遇な環境からスリーステップで英雄になる物語より、環境において得られる等身大の物語を積み重ねて成長していく物語の方が、読んでいてより深い情緒を味わえると思う。

まだまだ作品も序盤、主人公がこれから立ち向かう試練と成長の物語、そして繰り広げる血と汗舞う闘争がとても楽しみだ。