弱き人々の守り手

ファンタジーと生活保護。びっくりな取り合わせですが、面白く読めました。
冒険者稼業の末に起こる生活上の様々な問題を、法律……ではないけれど、独自の規範をもって救済していくお話です。

冒険者はよく考えれば何の保証もないフリーランス業です。しかも命がけの。
そんな彼らが負傷したら?死んでしまって、家族が残されたら?
ありえる問題を洗い出して、主人公は奔走します。

国家や公的権力ではないものの、冒険者ギルドという組織を使った「生活保護」。
冒険や貴族の領地経営の裏に隠された庶民たちの生活を描く力作です。