第5話 ルナシティ

の速度からするとよりはかかるようだが、この先の右手にあるのは確かなようだな」

 周囲に浮かんだ浮遊映像フロートビジョンを空いてる方の手で操作しながらビバームスが傍らのステラに話かける。


「私にもお願い」

『…ピピッ イエスマスター』


主人の言葉に背もたれにと形態変化していたライトビットが同じようにフロートビジョンを投影した。


「えっ?」

不意に停止したロードにステラがよろけライトビットが再び支える。

『…ピピッ マスター! ボス! パーソナルIDノ シュトクスキャンヲ ソシシマシタ…』


「発信地点の解析を!それと反撃の警告だ!」

『ピピッ… ハッシンチテンハ ミギゼンポウ ルナシティシセツナイ     スデニ フルビットガ モクヒョウノ ロックオント ケイコクヲ ハッシンズミデアリマス ボス」


その時、右側の長々と続く黒い壁に変化が訪れた。

壁に二対の月が浮かび上がり表れた扉が開く。そこから一人の人物が現れ、止まったままのロードを小走りにかけながらこちらに向かってくる。


「す、すみませんでしたあ!」

駆け寄った人物は、勢いそのままに土下座の姿勢で止まり、開口一番に謝罪を述べはじめる。


「………「…どうゆうこと?」だ??」

その様子に毒気を抜かれた二人は、おそるおそる土下座のままの女性らしき人物に問いただした。


「本当にすいませんでした、うちの莫迦部下どもが、お二人のあまりのビッグネームにパニクりまして、確認のスキャンを断りなくおこなってしまい………「わかったから顔をあげて?」」

あまりの狼狽ぶりに気の毒になったステラが声をかけるまで、女性の謝罪は続いたのであった。





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双子人形の日常 いちごはニガテ @xxitigo

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