第4話 再開発エリア

 ステラとビバームスが住むコロニーNo.5メトロは標準型スペースコロニーであり、内側の居住区は両端が窄まった十二角柱の形をしている。

 中心には10,000キロメートルにも及ぶ巨大なシャフトがあり、三方向に伸びた二対の柱六本により、計24枚の居住パネルを支えている。

 二人が向かっているのは、対角上にある予備エリアであった。

 LXXリーイクスイクス専用浮遊船ボートで7500万㎡の広さを持ち多くの人が住む左側居住区レフトから第一森林区グリーンワンを抜け予備エリアへと向かう。

 本来は区画代わりの通路が格子状に広がるだけの殺風景な場所であったが、LXXやJAPYなどの多くの大企業が参入した再開発事業により、巨大な商業区になっていた。


「ステラ、LXX通りについたぞ。此処からはでの移動が制限されているから自走歩道ロードで向かうぞ」

 Bポートに降り立ったビバームスが傍らの少女に告げる。


「やっとついたのねビム…それにしてもトロイ君の言ってたルナシティって何処なのかしら?」


『…ピピッ ニノリコンデ サキノ ミギテノシセツガ ソレニアタイシマス マスター』


 長時間の移動で疲れた顔をしている少女の問いに、従属端末パートナーが、代わりに応えた。


「トロイの奴が言う処のらしいから直ぐにわかるだろう。一休みしたいならさっさと行くぞステラ!」

 そう告げたビバームスは、へたり込んだステラの手を引いて緩やかに流れ進むロードにと歩き出した。

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