断てども継ぎに連なり永く接ぐ

 軒先縁日は継続する。

 彼が再び盟元市を訪れるのは、手元に残ったスタンプが目を覚ましたときだ。その日が来るまで、まずは知り合ったウサギ耳の少女を救うことになるだろう。


 日比野悠芽は永続する。

 彼女は死なない。彼女がその輝かしい生き方に命を懸けた少女の中で、思い出として永遠となる。少女が思い出すたびに、語り継ぐたびに、彼女は生き続けるのだ。


 白崎鋼音は連続する。

 彼はこの先、多くの困難を起こし、また巻き込まれるだろう。誰でもない一子という少女のために、その空白を埋めるように奔走する。


 赤座一子は接続する。

 彼女はこの日まで、二度も手を取られた。そのたびに救われ、また救ってきた。願いを叶えるのは能力によってではない。手を差し伸べるだけなのだ。まずは、少年をデートに誘うところから始めよう。



能力都市盟元 決闘奇譚  了

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能力都市盟元 決闘奇譚  人藤 左 @kleft

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