タコライス・クライシス

京野うん子

タコライス・クライシス

 街の中心から少し離れた住宅街。

 立派な門扉や広い庭付きの家が多く見られる、いわゆる高級住宅街である。

 そんな閑静な住宅街の一角に佇むお洒落なカフェ。


 『ム・ラモンタ』


 ひらがなにして区切らずに言うと色黒の大物司会者を連想させるが、本来は「給食がカレーだと高確率で夜もカレー、そして翌朝も煮詰まったカレーを食べる事になる」という意味のジャワ語である。


 店を構え半年になる『ム・ラモンタ』は、店長の選んだハイセンスなインテリアと、オーガニック素材を使った料理が話題を呼び、平日のランチタイムはマダムで溢れ、休日にもなると予約必須の人気店であった。


 土曜、午前九時。


 バイト店員の七星ななほしこねこが、勝手口の前で体育座りをして店長の出勤を待っていた。

 茶髪のショートカットが目印の、明るく元気な女子高生だ。

 バイトの仕事は十時半からであるが、危機意識の高い彼女である。常に最悪のケースを想定して行動するのだ。


 (線路をカルガモの親子が横断して電車が止まるかもしれない。知らない人から道を聞かれたら、その人が実は私の生き別れた兄弟で感動の再会になるかもしれない。そして私は死ぬ)


 脳内でトラブルシューティングをした結果、彼女は朝五時に家を出て、五時半には着いていた。

 

 (ひょっとしたら……、店長は今日来ないかもしれない)


 じっと待っていると不安になる。危機意識の高い彼女は最悪のケースを想定する。


 (そして私は死ぬ)


 「死にたくない……。いやあ! 死にたくない!」


 恐怖のあまり絶叫する。

 彼女がバイトを始めた頃は、不審に思った隣の住宅の人に通報されたりして大変な事になったが、今ではこねこの悲鳴もすっかり慣れたものである。地域全体で生暖かい目で見守っている。


 「おはよう、こねこちゃん。今日もよろしくね」


 店長のアンチリア・充希みつきが店の鍵を指先でクルクルと回しながらやって来た。


 「おはようございます充希さん! 今日も頑張ります!」


 (ああ今日も素敵だわ充希さん。私もいつかこんな風になれたら……)


 充希は長い髪を一つに縛り、高伸長で八頭身、スラッとした長い手足はモデル顔負け、いかにもデキル女といった感じだ。

 彫りの深い顔と名前からわかるように、彼女は純粋な日本人ではない。


 ネアンデルタール人である。


 彼女は頑張った。

 石器を使いこなした。

 人類の祖先ではないという風評被害をはね除けた。

 元々火の扱いには定評がある。

 料理を研究し、新人類の好みを調べ、ニトリでインテリアを買い、見事自分の店を構えるようになったのだ。


 こねこはそんな充希の苦労は知らない。華やかな彼女にただ憧れるばかりである。


 「そうね、今日も頑張ってお客さんに笑顔になってもらいましょう!」


 「はい!」


 彼女達の仕事はこれからだ!



 午前十時半。



 店内はニトリのインテリアが飾られ、南国リゾートの雰囲気を醸し出していた。

 充希は料理の仕込みを、こねこは掃除に精を出している。


 「おはようございます」


 電源の入ってない自動ドアを手で開けて、バイトの高校生、中村尚裕なかむらなおひろが入ってきた。


 「おはよう尚裕」


 「相変わらず早いなこねこは。店長は奥?」


 「うん、奥で仕込みやってる」


 尚裕は充希に挨拶しようと厨房に入っていく。


 (かっこいいなあ尚裕……)


 実は尚裕のかっこよさには秘密がある。

 通信教育でカポエイラを習い始めたのだ。

 シックスパッドで鍛えた体幹を遺憾なく発揮し、今では逆立ちの状態から逆立ちが出来るほどになった。

 そう、今も逆立ちの逆立ちをしているのだ。

 だがその高等技術に気付く者はいない。


 (遅い……)


 厨房に行ったっきり、なかなか戻ってこない。

 こねこは不安になった。

 こねこと尚裕は付き合っている。尚裕に限って浮気なんてしないとは思うが、充希は魅力的な女性である。万が一があるかもしれない。

 危機意識の高い彼女は最悪のケースを想定する。


 (強盗が入ってきて……、私は死ぬ!)


 震える自分の体を、両腕できつく抱き締める。誰だって死ぬのは怖い。


 「どうしたこねこ? 大丈夫か?」


 ホールに戻ってきた尚裕は心配そうにこねこの顔を覗き込んだ。そして自分の額をこねこの額にくっつけて熱を計る。


 「熱は、ないみたいだな」


 「ちょ、ちょっと尚裕……、充希さんが見てる」


 「あら、見せつけているんじゃないの?」


 ウフフ、と充希は笑う。

 充希はこねこと尚裕が幸せそうにいちゃつくのを、決して不快には思わなかった。

 ただ、羨ましかった。

 自分の店を持つのに必死だった彼女だ。恋なんてする暇はなかった。それに、出会いもない。

 友人とたまに飲みに行っては

 「今度醤油顔のジャワ原人紹介してよ~」

 なんて頼んだりしているが、そんな男性がフリーな訳はない。

 「出た~! 充希のジャワ狂い!」

 と茶化されて終わるのだ。

 充希もわかっている。醤油顔のジャワ原人なんて高嶺の花、出会えた所で自分を選んでくれる訳がない。

 ネアンデルタール人は所詮、亜種なのだ。自惚れてはいけない。

 だが、友人がジャワ狂いと称するほど、充希のジャワ原人への憧れは強い。

 ジャワと名のつくものは大好きである。

 カレーは勿論ジャワカレー。

 紅茶はやっぱりジャワティー。

 好きな声優は野ジャワ雅子である。

 

 そんなこんなで開店の準備は進んでいった。



 午前十一時。

 

 準備も終わり、開店の時間を迎える。

 

 「あれ? 店長、この11時半にご予約の七星様の二人って?」


 予約帳を確認した尚裕が馴染みの深い名前を目にし、充希に尋ねた。


 「うん、珍しい名字だからね。こねこちゃんのご両親よ」


 「ええっ! うちの親来るんですか?」


 (そんな事言ってなかったのに!)


 両親は伝えようとしたのだが、こねこが家を出るのが早すぎた為に声を掛けられなかったのだ。


 「それは失礼の無いようにしなくちゃな」


 二人は幼馴染みである。家も近い。小さい頃からよく遊んでいた。当然両親とも何度も会っている。


 尚裕はこねこの父親に恩がある。

 尚裕の両親は共働きで、いつも一人でジェンガで遊んでいた。それをこねこの父が教えてくれたのだ。


 「ジェンガは大勢で遊ぶものだよ」


 そしてこねこを連れてきて三人で一緒にジェンガを遊んでくれた。

 尚裕は衝撃を受けた。

 みんなでやるジェンガは面白すぎたのだ。

 何故なら、一人ジェンガでギリギリを攻めても、次の自分の番が苦しくなるだけだからである。

 その時から彼はこねこの事を意識するようになり、また、彼女の父親を尊敬しているのだ。


 そんな彼氏の気持ちを知らないこねこは、親がバイト先に来るのが恥ずかしくてたまらなかった。


 (充希さんに変な事言ったりしないかしら。尚裕に私との仲の進展の事とか聞いてこないかしら。そして全員死ぬ)

 

 危機意識の高い彼女だ。またしても最悪のケースを想像した。


 「そうそう、今日からね、新しいランチメニューを始めようと思うの」


 充希はパウチされた新メニューを二人に渡し、各テーブルに配置させた。


 「店長、タコライスですか」


 「うん。うちのお店って南国リゾートを意識してるじゃない? だからタコライスはぴったりかなあって」

 

 「タ、タコライス……」


 こねこは悪寒を感じずにはいられない。

 両親とタコライス。最悪の組み合わせである。

 父親はオヤジギャグが大好きな古い人間である。最近の流行りなど知る訳もないし、ファッションやお洒落には勿論疎い。

 危機意識の高い彼女だ、そこから導き出される答えは一つである。


 (お父さんが興味本意からタコライスを注文。当然あの人はタコライスが何なのか知らない。出されたタコライスを見て大きな声で言うのよ、ねえ店員さん、このタコライス、蛸が入ってないよ、って……そして全員死ぬ)


 お洒落なカフェで「タコライスに蛸入ってないんだけど」なんて洒落にならない。

 場は凍り付くだろう。

 惨劇である。

 惨劇、むごたらしい悲惨な出来事。

 起こしてはいけない。

 回避しなければならない。

 こねこは静かに決意するが、恐怖に体が言うことを聞いてくれない。

 ブルブルと震えた。

 とてつもなく震えた。

 尚裕が震えた。

 シックスパッドの誤作動である。

 彼は常にシックスパッドを着用しているのだ。


 「いやあぁぁぁっ!」


 こねこは絶叫した。

 尚裕は震えた。

 そして、そんな二人を充希は生暖かい目で見守っていた。変わらない、いつもの『ム・ラモンタ』の風景である。


 

 午前十一時半。


 「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。七星様、二名様ですね。ご案内致します」


 こねこの両親が来店。

 尚裕はいつも以上に丁寧な挨拶で出迎えた。


 「おお尚裕君! なかなかサマになってるじゃないか」


 白のカッターシャツと黒いズボン、それに茶色の腰下のエプロン。いかにもお洒落なカフェ店員の格好である。

 というか、カフェ店員というとこれしか作者には浮かばなかったのである。


 「そうねぇ、良く似合ってるわ尚裕君」


 「あ、ありがとうございます」


 容姿を誉められ、尚裕は下を向いて照れた。

 こねこの母は美人だ。こんな美人に誉められたら照れてしまうに決まっている。

 七星おおくまねこ。

 透き通るような白い肌と、漆のような艶やかな黒髪が織り成す白黒のモノトーンは、思わず息を飲むほど美しかった。

 名は体を表すと言うが、なるほどその通りだと尚裕は思った。


 充希が両親の元へ行き、何やら挨拶をしていたが、こねこは恥ずかしくて近付く事が出来ない。

 今思えばそれが失敗であった。


 「ご注文を繰り返しますね。タコライスランチとム・ラモンタランチが一つずつで間違いないでしょうか?」


 (なっ……? 遅かった!)


 何とかタコライスだけは注文させまいと考えていたが、何でも急ぎたがるせっかちな父の性格を忘れていた。席に着くなり、直ぐ充希にタコライスを注文してしまったのだ。


 (もうダメ……、おしまいよ。そして全員死ぬ)

 

 死を覚悟したこねこだったが、尚裕の声で我に帰った。


 「いらっしゃいま……、何しに来たんですか?」


 新たな男性客に尚裕は訝しげな視線を送る。男のお一人様なんて珍しいが、見知った顔であった。

 近くにあるカフェ『心葉このは』のオーナー、黒野くろのカイジーンだ。


 「何って客だよ客。黒野で予約してあるだろ。不味いもん出したら全部のグルメサイトで星一つにしてやるぜ。当然、ミシュランガイドにもな! あーっはっはっ!」


 『ム・ラモンタ』が開店して以来、客を取られて『心葉』は閑古鳥が鳴くような状態であった。

 黒野は『ム・ラモンタ』を敵視しており、何かにつけてちょっかいを出してくる。今日もきっと難癖をつけにきたのだ。


 「店長の料理が不味い訳ないでしょう。もしお気に召さなかったら逆立ちして接客しますよ」


 売り言葉に買い言葉、こねこも心配そうに様子を見ている。安い挑発に乗ってしまったように見えるが、実はそうではない。尚裕はカポエイラを見せつけたいだけなのだ。


 「ハッ、いい度胸じゃないか。タコライスランチ、さっさと持って来なってんだ」


 不躾にドカッと腰を下ろした黒野は、腕を組み、がっしりとした下顎を突きだして、如何にも偉そうである。


 「かしこまりました。とびっきりのタコライス、お持ちしますよ」


 とは言ったが、一抹の不安はあった。尚裕もこねこも、今日から始まったタコライスランチの味見をしていないのだ。しかし充希の腕は信じている。大丈夫だ、そう言い聞かせる。

 現にほら、さっきタコライスを出したこねこの父親は美味しそうにタコライスを食べている。

 これに驚いたのはこねこである。


 (あれ? お父さんが普通にタコライスを食べてる。意外にお洒落とか流行とかチェックしてるのかも。ありがとうお父さん)


 少しだけ父を見直したこねこ。

 しかし、違った。


 「旨いなぁ、この蛸飯」


 (蛸飯? タコライスだから直訳すれば蛸飯だけど……。まさか?)


 「尚裕くん、タコライスランチあがり! 黒野さんの所にお出しして」


 「はい。お任せください」


 さあ食え、そしてあまりの美味さに驚くがいい! そんな自信満々の表情でタコライスランチを黒野の前に置いた。


 「お待たせしました」


 「な、何なんだよこれぇ!」


 タコライスランチを見るなり、驚嘆の声をあげた。

 それもそのはず。

 黒野の知っているタコライスではなかったのだ。


 「蛸が入ってるじゃないか!」


 「え? 蛸のライスでしょ?」

 「え? 蛸のライスでしょ?」

 「ええ? 何で蛸入ってんのぉ?」


 そう、こねこの父が食べていたのは正真正銘、蛸飯であった。

 尚裕も充希もタコライスがどんなものか、よくわかってなかったのである。

 安直に蛸の入ったライスだと思ってしまったのだ。

 怖い。

 この世に無知ほど怖い物はない。

 作者は無知と、ローソクと、そして三角木馬が怖い。

 女王様は好き。


 「あんた達本気で言ってんのか? タコライスって言ったら、アメリカンタコスの具材をご飯の上に乗せた、沖縄料理の事だろう?」


 「え? そうなの?」

 

 尚裕と充希がこねこに視線で問い掛ける。

 こねこは首を縦にブンブンと振り頷いた。


 「わ、私はなんて馬鹿な事を……」


 充希は膝から崩れ落ちた。

 尚裕も崩れそうになったが、シックスパッドの誤作動がそれを許さない。鍛えられた体幹は彼を直立させる。


 「充希さん……」


 フォローしようと思うこねこだったが、さすがにタコライスを蛸のライスと思ってた奴に掛ける言葉なんて持っていない。


 「仕方なかったのよ」


 追い詰められた充希は独白を始める。


 「だってそうでしょ? タコスライスって名前なら私だって気付くわ。でもタコライスだなんて、蛸のご飯って思うに決まってるじゃない!」


 充希の背景に崖が見える。

 犯人の自白をもって、この物語もクライマックスのようだ。


 「充希さん、貴女も被害者だったんですね」


 そう、誰が悪い訳ではない。

 ただ、勘違いがあっただけだ。

 加害者などいない、悲しい事件であった。


 「許されるとは思ってない。だけど私、これからきちんと償っていくわ。まずタコスライスと名前を変えることから始めようと思うの」


 決意に満ちた表情の充希。

 しかしその顔は悲壮感を漂わせている。

 それを見抜いたのは、彼女を半年間見つめ続けてきた男。


 「そうやって、何でも一人で背負い込むのか?」


 黒野カイジーンだ。

 

 「俺は確かに、最初はあんたの事を目の敵にしてた。でもあんたのいつも一生懸命な姿を見て、悲しい事があっても笑って頑張るあんたを見て、今じゃ支えになりたいと思っている。その荷物、半分持たせてくれ」


 バイトの女の子が突然悲鳴をあげて通報された時も、大切にしていた高い皿をバイトの男の子が突然ビクッと動いて割ってしまった時も、充希は唇をグッと噛んでこらえた。そして、笑って許したのだ。

 何があってもこの店にはいつも充希の笑顔があった。今日だって、実はそんな充希の笑顔を見に来たのだ。

 『ム・ラモンタ』が人気店になるのも、今の黒野には納得出来る。

 

 「黒野さん? 荷物、ですか?」


 黒野はこれでも頑張って気持ちを伝えたつもりだった。

 しかし恋愛経験の少ない充希はピンと来ていないようだ。さらに踏み込んだ言葉を口にする。


 「タコライスって、何でタコスライスじゃないか知ってるか? タコスのスは複数系のSなんだよ。あれの名前は本当はタコなんだ。それでタコライスって訳だ。だからさ、その……、タコライスにSを付けてタコスライスにしたように、あんたの人生にもSをつけてくれないか?」


 「――っ! それって、どういう?」


 充希はわかっていた。

 けれど、ちゃんと聞きたかった。

 人生に複数系をつけるという、その意味を。


 「結婚を前提に付き合ってくれないか?」


 まさか。私が。告白されるなんて。

 黒野は充希好みの醤油顔だった。

 それだけじゃない。出会いこそいい印象ではなかったが、最近では自分を見る目にも優しさのような温かみを感じていた。まるで、充希がバイトの二人を見守るような、そんな優しい視線。

 突然の告白に思わず舞い上がりそうになる。

 でも、私は……。


 「気持ちは嬉しいですが、私では黒野さんに相応しくありません。だって私は……」


 「ネアンデルタール人だろ?」 


 「――っ!」


 黒野は全てお見通しだった。

 彼女が頑張り屋だという事も。

 彼女が木綿より絹ごし派だという事も。

 彼女がネアンデルタール人だという事も。


 「わかってる。だから、俺にはあんたしかいないんだ。何故なら俺も……」


 日本人ぽくない名前に、がっしりとした下顎。

 充希はその事実に気付き、目を見開いた。


 「まさか……! ジャワ原人?」


 「ああ、醤油顔のジャワ原人なんて滅多にいないから、あんまり気付かれないけどな」


 ああなんてこと。

 理想の人がこんな近くにいただなんて。

 しかもその人が私に告白してくれるなんて。


 涙が溢れた。そして、消え入りそうな声で返事をする。


 「よろしくお願いします」


 


 翌日。


 『ム・ラモンタ』の厨房では充希と黒野が肩を並べて料理をしていた。

 黒野は『心葉』をたたみ、充希の店を手伝う事にしたのだ。『心葉』は来月から『全身もみほぐし2,890円』として生まれ変わる事になる。


 「タコスライスランチ、出来上がり!」


 幸せそうな充希の姿に、顔を見合わせるこねこと尚裕。思わずニヤニヤとしてしまう。

 そして、こねこは尚裕との未来に思いを寄せた。

 危機意識の高い彼女であるが、この時ばかりは幸せな結末を想像する。


 (いつか、あんな風に尚裕と一緒に歳をとれたらなぁ。そして老衰で死ぬ)


 「お待たせしました! タコスライスランチです!」


 だが、幸せは続かなかった。

 誰一人気付いていなかったのだ。

 タコスライスの落とし穴に。


 「ねえ店員さん、このタコスライスランチ、蛸のお刺身がないんだけど」


 タコスライス=タコ・スライス。


 タコスライスお刺身


 店は凍りついた。


 回避、失敗。


 ―惨劇END―

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