あとがき

 ここまでお読みいただきありがとうございました。いかがだったでしょうか?


 本作は、本格的な悪女ヒロインに活躍してほしい、というところから出発した作品です。そのため、なんと初期構想段階ではセレスティアが主人公でした。


 ただ、マッツィアーノでの出来事があまりにも陰惨すぎるため、ちょっとした鬱小説になりかねないということで、急遽主人公をレクスにバトンタッチすることになりました。


 そうして軸が固まり、いくつかのいわゆるなろうテンプレを絡めつつ、それぞれが苦しみながらもベストを尽くし、前に進んだ結果、こうしてハッピーエンドにたどり着くことが出来ました。


 ちなみに原作小説や乙女ゲームでは、レクスの協力が得られずに魔力が少ないままだったセレスティアは、クルデルタによって和解の証という名目でルカと婚約します。


 そうして獅子身中の虫となったセレスティアはルカ暗殺を手引きし、毒殺されたルカが川を流れているところが発見されるという展開でした。


 そしてルカの死後、マッツィアーノへと戻されたセレスティアはファウストの実験台となります。魔人と化したセレスティアはファウストによって支配され、クーデターのときにマリアを自らの手で殺してしまいます。そうしてすべてを失ったセレスティアは絶望し、すべてを呪って悪魔のコアを取り込み、悪魔となりました。


 その後、破壊を始めたセレスティアですが、ルカ亡き後に責任を一身に背負い、心を入れ替えて覚醒したマルコと聖女リーサたちによって倒される、というのが原作小説や乙女ゲームのシナリオとなります。


 本作ではレクスのおかげでルカ暗殺は失敗したたためマルコは覚醒せず、そして聖女リーサもレクスのせいでませ犬になってしまいましたが……。


 そしてセレスティアはレクスに力を貰い、マッツィアーノ内部での立場を築くことに成功しました。おかげで絶望することもなく、すべてを手玉に取り、レクスを含め望んだすべてを手に入れたのはお読みいただいたとおりです。


 ちなみに本作の世界観はレクスが前世でプレイしていたブラウエルデ・クロニクル(原作小説のその後をモチーフとしたゲーム)とリーサが前世でプレイしていた乙女ゲーム(原作小説の派生)が混ざりあった世界観です。


 特に精霊の泉はブラウエルデ・クロニクル由来の要素で、一人で二属性を得られる、光属性魔法に男女差がないといったものはブラウエルデ・クロニクル由来のものです。


 だから元々光属性を持っていたルカとリーサは下位互換という形になってしまいました。


 ではなぜ二つの設定が混ざりあったかというと、リーサが異世界転生の儀式に無関係のレクスを巻き込んだせいです。リーサは乙女ゲームを望み、レクスはたまたまブラウエルデ・クロニクルのことを考えていたため、きっと間を取ってこうなったのでしょう。


 何をするにも、周囲の安全確認を怠ってはいけませんね!


 さて、今後の二人ですが、きっとレクスはセレスティアの尻に敷かれながらも幸せな生活を送っていくことでしょう。


 ルカは……もしかすると毎夜毎晩、キアーラに踏んでもらって喜んでいるかもしれません。


 また、たくさんのコメントや★で応援いただきありがとうございました。特に頂いたコメントの中には鋭いものも多く、一部のコメントに「これだから勘のいい(ry」と思ったのはここだけの秘密です。


 その答え合わせが作中でなされていないものもございますが、それは読者の皆様のご想像にお任せしようと思います。


 最後に、よろしければ感想やレビューなどをいただけますと幸いです。


 それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。また次の作品でお会いしましょう。


一色孝太郎


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2024/06/08 に新作「追放幼女の領地開拓記」を公開しました。八歳で追放された転生悪役令嬢が追放先で領主となり、領民たちのために魔物のスケルトンを作っていたらいつの間にか産業革命を起こしてしまって……というお話です。サクサク読めるというコンセプトで執筆しておりますので、ぜひとも読んでやって下さい。

https://kakuyomu.jp/works/16818093078833538977/episodes/16818093078842382216

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ドン底から始まる下剋上~悪魔堕ちして死亡する幼馴染を救うためにゲームの知識で成り上がります~ 一色孝太郎 @kotaro_isshiki

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