第2話 日常

 2014年 6月8日 日曜日(事故から2年後)


 手で点字をなぞりながら

 

 ジョバンニはもういろいろなことで胸がいっぱいでなんにも云えずに博士の前をはなれて早くお母さんに牛乳を持って行ってお父さんの帰ることを知らせようと思うともう一目散に河原を街の方へ走りました。


 本の余韻に浸りながら、障害用の時計に触れる。

 

 「あ、こんな時間か。そろそろ帰らないと」


 白杖を持ち、読み終わった本を直してから今日家に帰って読む本を持って貸出所に向かった。貸出所ではいつも同じ人が対応してくれる。


「今日は、銀河鉄道の夜を読んでいましたね」

 

 彼は私が読んでいる本を毎度知ってる。それに、今回のように毎回首を突っ込んでくる。正直にいってキモい。彼は私の中でストーカー認定している。だから、好意的な行為を見せるとエスカレートして、面倒なことになりかねない。だから、慎重に言葉を選ばなければならい。

「あ……そうですね」

「あなたはジョバンニとカンパネラが銀河鉄道に乗り見てきたものや世界は、ジョバンニの妄想だと思いますか?」


 あーいつものか。私が読んだ本を知るだけではなく、私が読んだ本に対しての見解を聞いてくるのだ。そんなに私と話したいのか?と考えながらも相手をしないと何をされるかわからないので答えてる。


 ジョバンニはクラスでいじめに会い、小学生でありながら生きていくために働かなければならない環境にあった。彼も、私のように残酷無比な現実にうんざりしてただろ。現実から逃げるために、死を選ぼうとしたのではないか。だが、彼も死ぬに死ねなかった。だから、あれは、現実から逃げ、自分の思い描く世界がある妄想にいったのだろう。

「私は妄想だと思います」


 ストーカーは

「私は、ジョバンニはカンパネラと過ごした時間は彼を変えたものであり、それは現実だと考えます。

 ですが、妄想もありだと思います。現実から一度は逃げたけれど彼は再び現実に戻り歩んでいっきました。だらか、どちらもありなのかもしれなせんね。」

 

 彼の見解を聞いた後に貸出の申請が終わった本を渡され、図書館を出た。外とは春の寒さが残り、少し肌寒い。バス停でバスを待ち家に向かった。


***


 家に着くと、玄関のすぐ近くにある階段の手すりにつかまり、2階にあがり、壁に手を当て、両親の寝室の扉を通り過ぎて2つ目の扉を開けた。2つ目の扉は私の自室で食事の時間まで借りてきた本を読む。

 

 私は本が好きだ。本を呼んでいると現実から離れて、自分が主人公になり、幸せな人生を送っている自分になれる。そこには、残酷な現実で目を失った少女はいない。だから、私は本を読むために、何度も図書館に足を運ぶ。


「小春……そろそろご飯にしましょうか〜」

 

 呼んでいたページにしおりをはさみ、1階にあるリビングに向かった。

 

 リビングではお父さんとお母さんの歩く音が聞こえる。二人で食事の準備をしているのだろう。お父さんは仕事を定時にまで終わらせて帰ってくる。そのため、お母さんとの時間を大切に取っていいるのだろう。私は椅子に座り、時間が流れて自分の目の前に食事が準備されるのを静かに待ち、昔のことを思い出した。


 私が目が見えなくなり全盲の世界になれてない頃、今日の日のように二人が食事の準備をしていた。目が見えてきたときはいつも、手伝いをいていた。それはおさないころから。だから、癖みたなものでキッチンに向かった。目が見えなくなったといえ、ここは何年も生活してきた家なのだからえが見えずとも何かはできると軽い気持ちでいた。


 食器を出そと、食器棚を開けようと手を伸ばした。

「小春、今日はお手伝い大丈夫かな。こはるは、休んでいて」

「そうだよ……お父さんが手伝ってるから座って」

「え……でも」

「大丈夫、これからは私とお父さんの2人でご飯の準備をするからもう大丈夫」


 さっき、なんて言われたがわからなかった。物心ついたときからしていたことをやめろと言われたのか。どうゆうことか理解が追いつかず、言われた通りの行動をした。席に向かって1歩くたびに今までの生活から離れていく気がしたがその足は止まらなかった。椅子にぶつかったとき、一旦の落ち着きを取りも出して、椅子に腰掛けた。


 

 そして、そのまま席について今のように何もできなくなった自分にがっかりしたっけ。あらから、私はかわってないな。


 食事の準備ができて、「いただきます」「いただきます」「いただきます」をした。


 食事を黙々と食べ勧めていると

「小春、今月も綾音ちゃんがうちに来たよ。小春ちゃんはいますか?て。会わなくてもいいの?」

「綾音が行った高校はここら辺では旧帝大をだすような進学校だし、綾音は頭がいいから私なんかに時間をかけてほしくないだよよんね」


 これは本心であると同時に嘘でもある。綾音には勉強を頑張って欲しい。だけど、綾音にあって今の自分を小春として見るか、障害者として見るかがわからない。昔のように小春を受け入れてくれているならいいけど、不変のものはない。綾音も私を障害者として扱う。綾音は私に対して何を思っているかは知らないけど、できるだけ会いたくない。昔の綾音のままで私の記憶に残っていてほしいから。

 

 それからは、特にこれといった会話がなく淡々と箸をすすめた。食べ終わった皿は机に置いたまま自分の部屋に戻った。


 昔はキッチに自分の皿を持っていっていたが、遠回しに避けるように忠告されてからは持っていていない。なんで私はこうなったんだ。元の生活に戻りたい。あの頃に、すべてに色がある世界に。明るく照らされた世界に。


 あ、また変なことを考えてしまった。

 

 心を落ち着かせて、決定しているルーティンをする。はじめに、風呂に入り。歯磨きをした後、自分の部屋に戻る。そして、1時間くらい本を読み、学校に行くため、ベットに横たわっ

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私の目になってくれた彼 帰宅部エース @aaadsssjdjsjndjdn

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