クリスマスプレゼント
誰かのぽっぽちゃん
プレゼント
ジェリルシー: 「── ということだ。お前たちできるか?」
ヘンゼル:「僕に任せてよ、ジェリルシー。僕だけで出来るよ。ニンゲンなんて仕留めるのは簡単さ。ひひっ、楽しみだなぁ。」
グレーテル:「はぁ、ヘンゼル。あんたは調子乗りすぎ。これ、あんた一人で回収出来るわけないじゃない。」
ヘンゼル:「えー、グレーテル心配しすぎ。できるんだっちゅうの。僕がやれると思ったことはやれるんだよ。だから心配しなくていいの!」
グレーテル:「はぁ、仕方ないなぁ。心配するなって言っても心配になるの。失敗何回もしてるじゃない。それも片手で収まらないくらいにね。」
ヘンゼル:「ちぇっ。わぁったよ。着いてきてもいいけど邪魔しないでよ?いい?わかった?」
グレーテル:「わかったわかった。ほら行こう。ジェリルシーの顔みてご覧。怖い形相になってるから。ほら早く出よ。」
ジェリルシー:「……」
ジェリルシー:「お前たち、さっさと行きな。」
ヘンゼル:「へーい。」
グレーテル:「わかった。」
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シャルル:「ねね、見てみてこれ、綺麗な石、見つけたよ。」
リリン:「ほんとだ!綺麗だね!シャルル、私のも見て!綺麗な貝殻!」
シャルル:「すごい!帰っておじさんに見せようよ!」
リリン:「うん!見せよう!」
シャルル:「うん!」
リリン:「ふふっ。」
シャルル:「ふふふっ。」
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カランコロンカラン
シャルル・リリン:「ただいまー!」
クロム:「おー、おかえりー。ん?お前たち手に持ってるやつはなんだ?」
シャルル:「おじさんみて!浜辺で綺麗な石を見つけたの!ほら!」
リリン:「私のも見て!綺麗な貝殻を見つけたの!」
クロム:「おーおまえたち、あの浜辺まで行ったのか。遠かっただろうに。迷わず帰って来れて偉いな!」
シャルル:「えへへっ」
リリン:「んふふっ」
クロム:「さて、お前たち、腹も空いただろう、その拾ってきた石と貝殻、おじさんが貰うから、お前たちは手を洗ってこい。飯食うぞ!」
シャルル・リリン:「うん!」
クロム:「あいつらもうこんなに大きくなったんだなぁ、にしても綺麗な石と貝殻だな…んー、どこに置こうか…あ!窓辺に飾るとしよう。あそこなら綺麗に見えるだろう。」
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グレーテル:「さて、ジェリルシーから頼まれたこと、やるよ。」
ヘンゼル:「わかってるよ。ほら、早く済ませようよ。長引くとジェリルシーからの拳骨が飛んでくるからね。さて、探すか……」
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ヘンゼル:「ねぇ、グレーテル。」
グレーテル:「なに?ヘンゼル。」
ヘンゼル:「あれ見てよ。」
グレーテル:「ん?あぁ、あの光ってるやつね、」
ヘンゼル:「うん、そうそう。」
グレーテル:「眩しいわね。」
ヘンゼル:「そうだね。」
グレーテル:「まぁ、いっか。目当てのニンゲンを探そう。」
ヘンゼル:「そうだね。」
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ジェリルシー:「ヘンゼル、グレーテル、お前たちにわしの望みを叶えてもらおう。上手くやってくれることを見ているよ。」
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シャルル:「ねぇ!おじさん!」
クロム:「うぉ!どうした!」
リリン:「ねね、おじさんおじさん!今日のおやつは何?」
クロム:「今日はシュークリームだ。生クリームとカスタードがあるぞ!どうだ?どっちがいいか?」
シャルル・リリン:「カスタード!」
シャルル:「リリンー、僕にカスタード譲ってよー。」
リリン:「シャルルこそカスタードゆずってよー。」
クロム:「コラコラ喧嘩するな。おじさんとジャンケンして、おじさんに買ったらカスタード、あいこか負けたら生クリーム…で、いいな?いいよな?」
シャルル:「ジャンケン、楽しそう!ね!リリン!」
リリン:「そうだね!よぉし、絶対にカスタードのシュークリーム食べるぞ!」
クロム:「よぉし…」
ジャンケン………ポン!
シャルル:「やったー!僕がカスタードだぁー!」
リリン:「むぅー!」
クロム:「はっはっはっ!また今度シュークリームを作るよ。リリン、今日は我慢して生クリームのシュークリームを食べな。」
リリン:「わかったぁ、」
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グレーテル:「中々見つからないね。ニンゲン。」
ヘンゼル:「そうだね。なーんでみつからないんだー?困ったなぁ、これじゃ、ジェリルシーに怒られちゃうよ…」
グレーテル:「そうだね。」
ヘンゼル:「あ、グレーテル。いい匂いがするよー。」
グレーテル:「んー、どこからだろう。探してみよう。あ、箒から降りなきゃだね。降りたら姿を変えるよ。」
ヘンゼル:「そうだね。ほら、降りよっか。」
グレーテル:「そうね。」
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シャルル・リリン:「んー!美味しぃ!」
クロム:「そうかそうか、美味いか、良かったよ!」
リリン:「ねぇねぇおじさん!」
クロム:「ん?どうした?」
リリン:「今度さ、エクレア作ってよ!私それ食べたい!」
シャルル:「えー!リリンだけずるいー!僕だって、あまーいバターが塗ってあるクロワッサン食べたいもん!あとはー、メロンパンとかー、クリームパンとかー、それとそれとー……」
リリン:「ずるいずるいー!」
クロム:「わぁった、わぁったよ笑、2人が言ったやつ、今度作ってやるよ。」
シャルル・リリン:「やったー!」
クロム:「お前たち可愛いなぁ、よし、気合い入れて作るかぁ。」
シャルル・リリン:「んふふっ。」
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ヘンゼル:「グレーテル、あそこじゃない?甘い匂いがしてるところって。」
グレーテル:「そうだね。行ってみる?あ、でも待って、」
ヘンゼル:「どうしたの?」
グレーテル:「定休日って書いてあるから閉まってるみたいだね。」
ヘンゼル:「えぇー、甘いの食べたかったなぁー、お菓子とかぁ、お菓子とかお菓子とか!」
グレーテル:「お菓子ばっかりだね。そんなんじゃ、ジェリルシーからお菓子にされて食べられちゃうよ?」
ヘンゼル:「うへぇ、それはやだな。」
グレーテル:「んー、あ!待って!あそこ見て!あれじゃない?ヘンゼル。」
ヘンゼル:「ん?どこどこどこ?」
グレーテル:「あの窓辺のところ。あの男じゃない?ジェリルシーが言ってたニンゲン。」
ヘンゼル:「どれどれー、あ!ほんとだ!あいつだよ!あいつ!あー、でもどう近づこうか、どう見てもお店みたいだし、お店開いてる時にする?」
グレーテル:「それじゃ間に合わないと思うよ。」
ヘンゼル:「なんで?」
グレーテル:「ジェリルシーの話聞いてなかったの?タイムリミットは今日の夜。気づいてる?今日が12月25日ってことを。」
ヘンゼル:「へ?」
グレーテル:「もう!これみて!」
ヘンゼル:「懐中時計?」
グレーテル:「は!や!く!」
ヘンゼル:「わかったよ、見るよ。あ、ほんとだ。今日はクリスマスだ。うげぇ、白魔女とか白魔法使いがうろちょろする時期じゃん。うわぁ、最悪。」
グレーテル:「そうね。でも私たち黒魔女も黒魔法使いも一応いるし、この隙を縫って行くしかないわね。」
ヘンゼル:「あ、いいこと思いついた。」
グレーテル:「ん?」
ヘンゼル:「耳貸して」
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シャルル:「おじさぁん、僕まだ遊んできてもいいかな?」
リリン:「ダメよ、シャルル。もう暗くなってきてるんだから。」
シャルル:「でも、でもでもでも、リリン、外見てよ!ほら、街中がクリスマスのお祝いをするために沢山綺麗なもの飾ってるよ!行きたいよ。僕、だってクリスマスの夜は遊びたいよ。家の中じゃ嫌だよ。」
リリン:「……」
クロム:「なら、そうだな、遅くならないように、んー、20:00までには帰ってこいよ。それなら遊んできてもいいぞ。その間に特別美味しいケーキを作っておくよ。」
シャルル:「やったー!」
リリン:「んー、じゃあさ、シャルル!」
シャルル:「なぁに?リリン。」
リリン:「あのね、私行きたいところがあるの!一緒に行こう!」
シャルル:「いいよ!」
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ヘンゼル:「ねぇ、見てよ。あそこ。」
グレーテル:「うん、見たよ。いたね、ニンゲン。」
ヘンゼル:「あれが目当てのニンゲンだよね?どうする?獲物が来たよ?」
グレーテル:「んー、獲物では無いけど、獲物を誘き寄せるためには使えそうだから、どうにかこうにか捕まえないとね。」
ヘンゼル:「あ、そっか、子供じゃなかったね。」
グレーテル:「ほんっとヘンゼルって馬鹿よね。」
ヘンゼル:「ええっ!」
グレーテル:「クスッ」
ヘンゼル:「笑わないでよー、恥ずかしいじゃん。」
グレーテル:「まぁ、そんなことは置いといて。ほら、急がないと人混みに紛れてあの小さいニンゲンがどこかに行っちゃうよ!ほら!急いだ急いだ!」
ヘンゼル:「押すな、押すなって!」
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シャルル:「なにか寒気がしない?」
リリン:「ん?しないよ?」
シャルル:「そっか、気のせいか。」
ヘンゼル:「ねぇ、そこの君たち?これ、食べないかい?」
グレーテル:「チョコレート、おいしいよ?」
シャルル・リリン:「わぁい!チョコレートだー!」
ヘンゼル・グレーテル:「ふふっ、おいしいかい?」
シャルル:「うん!とっても美味しいよ!」
リリン:「お兄さん、お姉さんまだチョコレート、持ってる?」
グレーテル:「持ってるよ、でも……こんな子供たちが多い場所じゃ渡せないなぁー。だってほかの子供たちも欲しがりに来ちゃうからね。どうする?」
シャルル:「うーん、どうしよっか、リリン。」
リリン:「ちょっとだけならいいんじゃない?行こうよ!ちょっとだけならおじさんも怒らないよ!」
シャルル:「そうだね!行こう行こう!」
ヘンゼル:「そうと決まれば、行こうか、チョコレートのある場所へ。」
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シャルル:「どこまで行くのー?」
リリン:「歩き疲れたよー。まだぁ?」
ヘンゼル:「あとちょっとだよ。もう少し頑張ろうか。」
グレーテル:「……」
ヘンゼル:「ほら、着いた。」
シャルル:「はぁ、つかれたぁ、」
グサッ
シャルル:「え?」
ドサッ
リリン:「ひっ!い、んぐ!」
グレーテル:「しっ!静かに。」
ヘンゼル:「やりすぎた?」
グレーテル:「いや、別に?」
ヘンゼル:「あ、グレーテル。見て、アレ逃げてるよ。」
グレーテル:「ちょっとまってて。」
リリン:「おじさん、おじさん助けて!」
ドンッ!
リリン:「あ、あぁ、……」
ドサッ
グレーテル:「まさか逃げるなんてね、うっかりやらかすところだったよ。さて、ヘンゼル。この子供二人、仕留めたわけだけど、どうする?どこを切る?」
ヘンゼル:「首、でいいんじゃない?」
グレーテル:「それじゃ、流れた血でバレるじゃない。いっその事、心臓と手でいいんじゃないの?」
ヘンゼル:「心臓はダメだよ。ジェリルシーに持っていかなきゃ行けないものの一つだよ?絶対だめ。」
グレーテル:「それなら、手首にしよう。」
ヘンゼル:「そうだね、そうしよう。」
ヘンゼル・グレーテル:「ひひひっ」
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クロム:「遅いな、もう20:00を随分とすぎてしまっているじゃないか。心配だ。急ぎ迎えに行くとしよう。」
コンコンコン
クロム:「ん?なんだ?」
コンコンコンコン
クロム:「わかったわかった出るよ。……シャルルとリリンかな……」
ガチャ
キィー
クロム:「何だこの箱。ん?メッセージカード?なになに、おじさんへ、クリスマスプレゼント買ってきたけど、まだまだ遊び足りないから、扉の前に置いておくね!シャルル・リリンより。ってクリスマスプレゼントか。中に入ってあげてみよう。」
クロム:「……なんだこれ、子供の手?」
ヘンゼル:「そうだよ。子供の手。」
クロム:「お前たち誰だ?」
グレーテル:「教えても意味ないから教えない。」
クロム:「気色悪いから出ていってくれ。」
グレーテル:「無理だよ、どこにも出られないように魔法で鍵を閉めたから、私たちを追い出すことは出来ないよ。」
ヘンゼル:「ねぇ、クロム。それなんの手がわかる?いや、誰の手かわかる?」
クロム:「なぜ、俺の名前を?」
ヘンゼル:「いいからいいから、ほら?ソレなに?」
クロム:「……ん?うわぁぁぁぁぁぁあ!」
ヘンゼル・グレーテル:「クスクスクスッ」
グレーテル:「シャルルとリリンからの素敵なクリスマスプレゼントだね。よかったね。クスッ」
ヘンゼル:「いやぁ、喜んでくれて嬉しいよ。シャルルもリリンも喜んでくれてると思うよ?」
クロム:「あ、あ、あぁ、……」
ヘンゼル:「あ、壊れた。」
グレーテル:「そうね。壊れちゃったね。」
ヘンゼル・グレーテル:「手っ取り早く終わりそうだ。」
ドンッ
グサッ
バタッ
ヘンゼル:「意外と楽勝だったね。」
グレーテル:「それは、私がついてたからでしょ?」
ヘンゼル:「えー、」
グレーテル:「えー、じゃないの。ほら、ジェリルシーへのお土産にこいつの心臓、持って帰るよ。」
ヘンゼル:「へいへい。それじゃぁ、ずらかりますか。」
グレーテル:「ええ。」
──────────────────────
ヘンゼル:「ジェリルシーみてよ!ほら!獲物たちの心臓!持って帰ってきたよ!」
グレーテル:「あとついでにこれ、指輪。」
ヘンゼル:「いつこれ拾ったの?」
グレーテル:「帰る前にね。ジェリルシー、これ、いるでしょ?はい、あげる。」
ジェリルシー:「よろしい。よくやった。これでわしは再び若返ることが出来る。ひひっ、たのしみだ。」
Fin
クリスマスプレゼント 誰かのぽっぽちゃん @Margarita-0221
★で称える
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