Letter in a Bottle with Love ～PF＆D～

第1話

あなたを動けなくしているものは何ですか？

私が記憶している限り、あなたはずっと以前から、同じ場所で同じ格好をしているように思えます。

まるで、街の片隅に据えられ、忘れられた銅像のように。

あなたはあなたの処遇に満足していますか。

それとも、今いる場所以外に居場所が無いと思っているのですか。

あなたは一見、手に入れられる限りのものを手に入れているように見えます。

あなたの両手はたくさんのもので満たされています。

けれど、それはあなたにとって本当に必要なものなのでしょうか。

あなたがそれを抱えるわけは、ときめきや楽しみといったものとはかけ離れた、不安という名の青いオーラをまとっているように思えるのです。

それを手放してしまったら。

それを失ってしまったら。

そう思う気持ちから、既に必要なくなったものを抱きしめてはいませんか？

あなたが抱きしめているそれは、たとえ手放しても本当に必要ならばまた戻ってくるでしょう。

全てを今すぐ捨てろとは言いません。

沢山持っているそのうちの一つを、そっと手放してみませんか。

その、空いた片方の手で、どうか私の手を取ってください。

私はあなたから何も奪いません。

ただ、あなたと共に、昇る朝日を見たいと思っているだけなのです。

あの、新しい世界が始まる素晴らしい瞬間を。

どうか、共に。