誰?

@taisuke2018

第1話

これは私が4歳の時の話。

私は活発でやんちゃな幼少期を過ごしていた。

小さい時はおじいちゃんおばあちゃん弟私の四人でいつも川の字で寝ていた。

寝る時はいつもおじいちゃんの桃太郎の話を聞きながら寝ていた。

おじいちゃんの桃太郎の話を聞いても眠れない時があった。

寝れない時は天井を眺めたり、布団の中でゴソゴソ動き回ったりしていた。

その日も寝れなかったのでいつもと同じ様に過ごしていた。

私以外全員寝ていて暇だったので、いつもの様に布団の中でゴソゴソしたりしていて、ふと、身体を起こし足元を見た時であった。

(何かいる)

声は出なかったが恐怖心が込み上げてきた。

おじいちゃんを起こそうとしたけど怖すぎて声が出ない。何もできないので布団の中でずっとうずくまっている内に寝てしまい朝になっていた。

目を覚まして直ぐ足元を見てみたら何も無かった。

お母さんが朝食の準備をしていた。

「かあさん。足元にこどもの日に飾る鎧の奴ここに居なかった?」

私はそう聞いた。

お母さんは「何いってんの?」と言いそのまま朝食の準備の続きをし始めた。

しつこく聞くものだから変な顔をされ話を流されてしまった。

「本当に見たんだ。戦国時代に出てきそうな鎧姿の何かが正座で自分の方をずっと見てたんだ。」

それから年月が過ぎお母さんに同じ話をした。

そしたら、「あの時は話を流すことしかできなかった。」と言い始めた。

「なんで?」

と聞き直したら。

「お母さんも見えるから、そういう話が嫌いだったんだよ。」

と言われた。

よくよく思い出せばあの時のお母さんの顔を思い出したら、「何いってんのこいつ」みたいな顔つきではなくどっちかというと「え?」みたいな顔つきをしていた。

あれは、あなたも見えるんだ。と言っている顔だったんだとその時知った。

また月日が流れ中学生になり、ある時お盆に親戚の集まりがあった。

親戚全員で墓参りをしている時であった。

実家の墓には1つ丸い岩が石碑になっている

不思議な物があり不思議に思いおじいちゃんに聞くことにした。

「何であの墓だけ丸い石が石碑になっているの?」

と聞いた。

「あれか〜。あれはな、今家の真ん前の田んぼあるだろ。あの田んぼを作った時に骨が出て来たんだよ。その骨を埋葬していてな。家の周辺は昔戦場だったんだよ。多分その時の骨なのかもしれない。憶測だと思うけどなw」

その話を聞いた時。

薄々感じてはいたのだが、私は見ていたのだ。丸石墓の戦国時代の戦争で亡くなっていた亡霊の1人を。

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