「カクヨムでアドベントカレンダー」という企画で、25日間にわたり更新されていた作品です。愛してやまない娘をユーモラスに、そして温かく見守る三田(みつだ)パパ。その姿が1話300字程度で綴られていきます。
家族愛かと思いきや(いやそこは間違いないのですが)、早々に「あれ、三田って……?」という謎がわきあがる。SFのようなミステリーのような、少し不思議で愛おしい物語でした。
可能であれば毎日1〜2話ずつ、いろいろ予想しながら楽しんでみてほしい(私の予想は撃沈でしたけれども)。そして全てを知った後にもう一度最初から読んでみてほしい。もうね、「みつだぁぁぁ……!」ってなること請け合いですから。25話あっても1万文字に満たないのですぐに読み返せますから。私も即読み返して「みつだぁぁぁぁ!!」ってなりましたから!!!
この短い物語で、たいへん贅沢な読書の楽しみ方をさせていただきました。ぜひご一読ください。
三田(みつだ)は愛する可愛い娘の為にクリスマスプレゼントを贈ることを決意。おちゃめで明るく、娘のことが大好きな三田パパの奮闘は読んでいてとても心地が良いもので、1話の分量は300字程度ですが、その中にギュッと詰まった娘への思いはとても温かなものです。
ですが、単なる娘思いのパパによるクリスマスアドベントだと思いきや、読み進めていくうちに少しずつ驚きの事実が判明していきます。ただのほっこりアドベントだと思って読むと意外なミスリードに引っかかるかも。
それでも終始あふれるパパから娘への思いはとても大きく、中には自分の子供へ送りたくなる素敵な一文もたくさん見つけることができます。
章タイトルも凝っていて、区切り方によってその章のテーマが決まっている構成も秀逸。
優しい想いに溢れた、クリスマスにピッタリのアドベント。短編小説としても読める素敵な作品でした!