第10話 吃音・どもりを抱えながら働くとは
■最初のハードルは面接から
吃音・どもりを抱えながら働くのは、ストレスが溜まる事がとても多いと思います。
まず社会人になる為の第1段階のハードルに「面接」があります。私は緊張すると、どもりやすくなるタイプなので、とても苦手でした。
こればっかりは逃げようが無いので、前向きに頑張っていた記憶です。
緊張している人を見ると逆に自分は落ち着いた経験から、集団面接の時は周りの人をよく見るようにしていました。
ただ最終面接に近づくほど、1人での面接となり、お偉いさんが増えるので、失敗のほうが多かった記憶です。
カミングアウトに抵抗がない方は「吃音・どもりの症状がある」事を履歴書に書いておくのもいいかもしれません。
私が人事部だったら、応援したい意味で「ぜひお話してみたい」となるような気がします。
■どんな業界でもコミュニケーションは必要
私の場合、超ど緊張で息苦しくなりながらも、一生懸命さが伝わっていくつか内定を頂く事が出来ました。
最終的に選んだ会社は、当時「ベンチャー企業」と言われる小さなIT会社でした。
ここでの最終面談が一番緊張した記憶で、面談中に「ちょっと深呼吸しようか」と言われるぐらいでした。
なぜ「IT業界」を選んだのかは「消去法」という、かなり後ろ向きな理由からでした(笑)
私が就職活動をした年は「超氷河期」と言われる時代でした。小さな女子大出身だった事もあり、選べる道は極端に言うと「保険の外交員」「大学院への進学」「IT業界」の3択でした。
この頃IT業界では「2000年問題」という、今となっては黒歴史のような出来事があったのですが(笑)
この「2000年問題」により「IT業界」だけは採用が活発で、受けた面接は全てIT業界でした。
「システム開発であれば、PCと向き合う時間が多いだろうからコミュニケーションが苦手でもやっていけるかな」
と思っていましたが、やっぱりそうはいきません。
新人の頃は、最初は自己紹介から始まり、電話対応・朝礼でのスピーチなど、逃げる事が出来ない分、へこみ具合も大きかった記憶です。
2年目になると、今度は新人への指導(一部サボりましたが…)、お客さまとの会議、上司への報告など、コミュニケーションを取らない日は無かったです。
本格的なシステム開発の仕事になっても、要件定義や設計などで、やはり色んな方との会話は必要です。
コーディングしている時でさえ、分からない事を質問したり、別の案を提案したりなど、吃音・どもりを回避できる時間なんてありませんでした。
これはIT業界に限らず、どの業界もそうなんだと思います。
■会話の少ない仕事はあるのか
私のどもりは調子いい時・悪い時があり、「この人、吃音なのかなと」と思われる確率は50%ぐらいだったので何とか乗り越えてきましたが
「この人、吃音なのかなと」と思われる確率が高い方は、普通の社会で働くのは、とても辛いと思います。
「会話の少ない仕事」を考えてみたのですが…
「自分で何かを作って、Webで販売する」のはどうかな、と思いました。
例えば、「ココナラ」というスキルマーケットがありますが、これであれば、コミュニケーションの部分はメールでやり取りでき、仕事が自己完結できるなら「会話」というコミュニケーションは不要なのかな、と思いました。
「ココナラ」で仕事を受ける為には、それなりのスキルが必要ですが、上手くいけば生計も立てれるのでは、と思います。
PCを使った仕事だけではなく、例えば下記のような物もWebで販売できるのでは、と思いました。
・「野菜」や「果物」など農作物(楽天市場・Yahooショッピングなど)
・「惣菜」や「お菓子」など食べ物の加工品(楽天市場・Yahooショッピングなど)
・「手芸」や「工作」など手作り作品(クリーマ・ミンネなど)
他にも「物理的に存在する物」だけではなく、「ブログ」や「記事」など「得意な物を販売する」という観点であれば、他にも色々ありそうな気がします。
■AIによってなくなる可能性がある仕事
ここからは余談ですが、「ココナラ」の仕事内容を見ると「イラスト」「Webサイト制作」「プログラミング」「動画編集」など、将来AIによってなくなる可能性がある仕事が多いような気がします。
実際、私はシステムエンジニアとして働いていますが、コーディングに関しての疑問点はChatGPTに聞いています。
適格な答えが数秒で返ってくるので「私の仕事、将来なくなるなぁ」と実感しています(笑)
なのでシステムエンジニアを検討されている方は「ChatGPTに的確な質問ができるエンジニア(AIディレクター・プロンプトエンジニア)」を目指したほうがいいかもです。
吃音・どもりの作戦会議 @tsubaki_snow
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ひとりごと/龍宮真一
★7 エッセイ・ノンフィクション 連載中 97話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。