第10話 そして、わたしは

オトコもオンナも

所詮、

手身近な相手を探して

傷の舐め合い、なんて

寂しいとか

あっためて欲しいとか

綺麗事じゃなくて

ただ欲求のはけ口なんでしょ

認めたらいいよ

浅はかな自分を


汚い

汚い

気持ち悪い


本命には本心を伝えないで

どうでもいい異性の友達には

「相談乗って」と

気安く話せる人って

意気地がないわけではなくて

ただ、本命だけに収まってしまう

今後の不安や

浮気心があるから

少し弱さを見せれば

相手は寄り添ってくれる

強欲で

ずるい人だよ

気持ち悪い──。




私も雪に相談してみたんだ。

本命に無視される私の『女の価値』を試すだけの為に。


まさか、雪が殺されるなんてね……。

でも私は漠然と思っていた。

『いつか、雪は殺される』と。


私でさえ知らない、不特定多数の異性に良い顔をして近付いていた。

肌を寄せ合って寂しさを埋めたいだけの女。

相談に乗って欲しいと理由をつけて誘い出す女。

サバサバ系だか知らないけれど、仲間のフリをして近付いて、雪だけに近寄る女。

眉目秀麗な雪を繁華街で連れ回して羨望の眼差しで見られることに満足する女。


汚い女ばかり。


いつかそんな事を続けていたら、殺される。

雪は儚い男に見えていた。


汚い。

雪も汚れて、魔法は溶けてしまった。

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