エピローグ

「あのさ」

「ん?」

「なんであたしが宝くじ当たったの知ってたの?」


 どうにも納得できない。誰にも話さずに隠し通していたのに、預金通帳だって見せたことないのに、なんで哲也は知ってたんだろう。やっぱり職権乱用して私の身辺調査かなんかして“大金手にしてるなこの女”とか思ってたんだろうか。わからん。

 哲也が起き上がって私の正面に座る。膝がくっつく。


「お前さ、大切なものってどこに置く?」

「どこにって・・・あっ」

「冷蔵庫にずっと貼ってあったぞ、

『祝!宝くじ当選3,000万円』って書いた紙」

 ありゃー、忘れてたわ・・・

「防犯上、好ましくないと本官は思っておりました」

 哲也が旦那さんでよかった。


 あたしの運命、最高!

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瑠璃唐草 七夕 @nana_shibazaki

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