第5話死者の幻影(後編)

 この話では、アイゼンの弟子シュタルクが登場。漫画では、「百合に挟まるな!」と非難轟々だったとかなんとか。

 そのキャラが今では、人気キャラになっているんだから凄いです。

 秘訣は、おそらく〝共感〟。



 シュタルクは、紅鏡竜というドラゴンに襲われている真っ只中の街を訪れました。


 ドラゴンに立ち塞がるシュタルク。睨めっこします。彼は内心ビビりまくり。しかし、何故か立ち去るドラゴン。


 周囲は、シュタルクを英雄と称えます。〝彼が村に滞在してくれれば、次にドラゴンに襲われても大丈夫だ〟〝次こそはドラゴンを退治してくれる!〟と。


 シュタルク本人は、ドラゴンの前に立ち塞がるまではよかったものの、建物を紙切れのように引き裂いたりして威嚇してきたドラゴンにもう一度立ち向かうなど〝勘弁してくれよ!〟って感じです。


 そりゃ、そうでしょう。ドラゴンというのは、巨大な蛇もしくはトカゲの姿に似ているといいます。

 人間が蛇を見て恐怖するのは、太古より祖先から刻まれた本能なのだとか。

 蛇より何千倍・何万倍も巨大で人を食ったり街を破壊しつくたりする怪獣を目の前にして恐怖しなかったら、何かしらの精神欠落か人格障害を疑います。


 まぁ、漫画やラノベの主人公の中にはそういった人格障害をわずらっている人物もいるかもしれませんが。

 例を挙げるとすれば、『鬼滅の刃』の竈門炭治郎。『鬼滅の刃』の反応集を見ていると、〝陽キャのコミュ障〟と呼ばれていてウケます。抜けた歯を持ち主に返そうとしたり、「さよなら」と言われてるのにしつこく話かけたり、よく読むと確かにおかしいんですよ、あいつ(笑)


『鬼滅の刃』にもシュタルクと同じくヘタレにもかかわらず人気となったキャラがいますね。

 そう、我妻善逸です。


 ドラゴンや鬼に退治するとすくみ上がって身動きできなくなる。それは、本能であって仕方のないこと。恐怖しないことがすごいことではないと思います。

 尊いのは、他人のためにその恐怖を乗り越えて普段では考えられないほどの勇気と力を振り絞ることなのではないでしょうか?

 勇者とは、力の強いものではなく勇気あるものなのです。


 ただ。シュタルクにも我妻善逸にも元々、優れた資質は秘められてましたけどね。

 本来の性格がひびりであるために、その優れた資質が普段から発揮できないだけで。


 彼らがびびりを克服するのが、〝他人のため〟である優しいところも人気を呼ぶ秘訣かもしれません。



♠️


 この話では、紅鏡竜を倒すことになったフリーレンとフェルン。

 このドラゴンにはおそらく魔法耐性があります


フリーレン 「何度も攻撃を繰り返せば、流石に倒せるでしょ」


 巨大なドラゴンと追いかけっこをする羽目になったフェルンは、真っ青な顔で木にしがみつき、必死で首を横に振ります。


フリーレン 「まぁ、そうだよね。仕方ない、素直に仲間にするか」



♠️

 近くの街へと訪れるフリーレンとフェルン。

村人に「シュタルクという奴はどこにいる?」と尋ねます。


 案内されたのは、きりたった崖。


 シュタルクという青年は、子供たちに囲まれて「必殺技を見せてくれよ」とせがまれています。


 フリーレンを見て人払いをするシュタルク。


 村人によくしてもらい、恩義を感じて村に留まっているシュタルク。ドラゴンに立ち向かうことができないでいる自分に罪悪感も感じています。

 そんなシュタルクに「一晩だけ時間をあげるよ」と言って、その場を去るフリーレン。


フェルン  「あいつは、駄目です」


フリーレン 「そうかな? フェルンだって初めて魔物と戦った時……」


フェルン  「フリーレン様、その話は……」



♠️

 宿に戻ったフリーレンとフェルン。

ドーンという大きな音を聞きます。


フェルン  「何の音でしょう?」


フリーレン 「気になるなら、みてくれば?」


 フリーレンには、その音がなんなのか検討がついている模様。


 音がしている場所へと行ってみるフェルン。


 音がしていたのは、昼間にシュタルクと会った崖でした。


 崖は、赤く発光しており、道のようなさけめが昼見た時より奥へ伸びています。


フェルン  「これ、修行の跡だったのですね」


 これだけの力があるのにドラゴンと対峙するのに躊躇しているシュタルクにフェルンは疑問を抱きます。


 ドラゴンに立ち向かうのは、超怖いと打ち明けるシュタルク。

 自分も初めて魔物と立ち向かった時は怖かったと打ち明けるフェルン。


 回想でフェルンが初めて立ち向かった魔物が『鬼滅の刃』に出てくる手鬼と似ていて笑えます。(確かに初めて対峙するには怖すぎるな)って説得力がある。(これと1人で戦えって…フリーレン、厳しすぎない?)って感じです。


フェルン  「魔物との初めての戦いで逃げ出す私、何故か助けてくれないフリーレン様。追い詰められた時、体が勝手に動いたのです。修行した通りに。大切なのは、少しの勇気だけでした」


 シュタルクの手を握るフェルン。


フェルン  「シュタルク様も大丈夫だと思います」


 そう言って、その場を去るフェルンなのだった。


♠️

 次の日、シュタルクは待ち合わせの場所にいませんでした。


フェルン  「あいつ……」


 キレると言葉づかいが荒くなるフェルン(笑)


フリーレン 「仕方ない。紅鏡竜と追いかけっこしようか?」


 再び木にしがみつき、必死に抵抗するフェルン。


(フェルンもやっぱり、ドラゴンが怖いんじゃん)

 この流れをお笑いにする漫画力が素晴らしい。



♠️

 少し遅れてシュタルクも来ました。


 ドラゴン討伐の段取りは、シュタルクがドラゴンの動きを抑えている間にフリーレンが大魔法をぶっ放すというもの。フェルンの魔法はドラゴンに通じなくでも、フリーレンにはドラゴンを倒す魔法があるらしい。


 10分、ドラゴンを牽制すれば良いらしいです。


シュタルク  「俺がくたばっても紅鏡竜は必ず葬ってくれ」


フリーレン  「なんで、この村にそんなに入れ込むの?」


シュタルク  「俺は3年もこの村に世話になった。3年だぞ?」


フリーレン  「短いね」


シュタルク  「超長ぇよ」



 ヘタレではあっても、とても律儀なシュタルク。紅鏡竜の元へ急ぎます。



♠️

 紅鏡竜の巣についたフリーレン一向。討伐目標は寝てました。


 崖の上から見下ろす一向。


フリーレン 「ふふっ」


シュタルク 「笑うことはねぇだろ」


フリーレン 「震え方がアイゼンと一緒だ。と思ってね」


シュタルク 「師匠が?」


 フリーレンの記憶の中で、シュタルクの師匠となるアイゼンは戦いの前にいつも震えてました。


アイゼン  「この震えが俺をここまで連れて来たんだ」


 歴戦の戦士たるアイゼンも戦いの前は震えていたと知り、シュタルクは勇気をもらいます。


 ドラゴンへ崖の上から飛びかかるシュタルク。


シュタルク 「うおっつつつーーー!」


 ドラゴンは、シュタルクへ爪を振り下ろす。


 シュタルクは、その爪を避け、振りかぶった斧でドラゴンの掌を砕く。


 ドラゴンは、口から火炎放射。



 シュタルクは、炎を切り裂きながら再度ドラゴンの頭上へジャンプ。ドラゴンの眉間に全力で斧を叩き込みます。


シュタルク 「フリーレン、今だ」


 昏倒し、動きを止めるドラゴン。


 微動だに動かないフリーレン。


シュタルク 「フリーレン、何をしている? 早く魔法を叩きこめ! 約束が違うぞ! ふざけるなよ、このくそババァ」



 この言葉を聞いて、フェルンはあちゃあ!って感じで額を抑えます。NGワードが入っているからです。(笑)


フリーレン 「もう死んでるよ、そいつ」



シュタルク 「へ?」


フリーレン 「よくやった、シュタルク。偉いぞ」


 崖の下に行ってシュタルクの頭を撫でるフリーレン。

 NGワードは、一旦保留。聞こえなかった、あるいは、忘れた訳ではありません。(笑)



♠️

 紅鏡竜は、魔力を帯びたアイテムを自分の巣に溜め込む習性があります。


フリーレン 「うひょー、宝の山だ!」


フェルン  「3つまでにしなさい!」


 買うお菓子の数を制限するお母さん概念のフェルン。


 フリーレンが紅鏡竜を討伐したかったのは、巣の中に魔導書があったからでした。


フェルン  「今回は、何の魔法ですか?」


フリーレン 「【服が透けて見える魔法】だよ」



♠️

【服が透けて見える魔法】を使ってみるフェルン。


 シュタルクの股間の辺りに目を向けます。


フェルン  「ちっさ(笑)」


シュタルク 「ちっさくねぇよ!」


 一体、何が誰と比べて小さかったのでしょうか?(すっとぼけ)


 とりあえず……この時のフェルンは公式からLINEのスタンプになってますが……使う相手しだいでは怒らせる要因にもご褒美にもなりうるので、相手をちゃんと選びましょう! 公式いわく、「ちっさい時に使って下さい」だそうです(苦笑)



————————————————————


[後書き]


 今回はだいぶうろ覚えで書きました。細かいところが実物と異なるかもしれません。


後で映像を見て訂正を入れます。ごめんなさい。


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