(失礼ながら)ふざけたタイトルと序章の段階だけだど、これはギャグベースのラブコメかな、と思わせておいてからの、その次の章が終わった辺りで、これはしっかりとした設定が組まれた超常モノだと唸らされます。
その上で、締める所はしっかり締めつつも、基本は軽いノリで進む上、文体が非常に読みやすいので、サクサク読み進める事ができます。
加えて、難しそうな設定や説明関係とかも、最小限かつ、分かりやすくなるよう丁寧に噛み砕かれているのも、読みやすさに寄与しているかと。
メインヒロインの「りほ」も可愛だけでなく、千年を超える大妖たる「畏れ」をしっかり感じさせる絶妙な塩梅ですし、その他のキャラ達も、りほに隠れる事なく、むしろ互いに際立たせながらしっかり存在感を感じさせます。
他にも魅力的キャラが満載で、掛け合いのテンポもよいです。
ただ、このレビューの段階では、いい所で連載が中断している点が、ちょっとオススメし辛い難点ですが、骨子はしっかりとした物語だと思います。(連載再開されたらこの部分削るかもです)
「九尾の狐が封印されているという殺生石の前で、きつねうどんを作ってみた」は、陰陽師の主人公と九尾の狐「りほ」が織りなす独特な物語です。主人公が「殺生石」の前で呪術を操りながらきつねうどんを作るという奇抜な設定が、ストーリーに軽やかなユーモアを与えています。物語の核心では、令嬢沙織が謎の呪いにかけられ、その背後に隠された陰謀を解き明かすべく、主人公と「りほ」が奔走します。
作中には、緊張感あふれる呪術バトルと、りほの愛らしさと恐ろしさのギャップが絶妙に描かれています。また、主人公と異母弟「陣」との複雑な関係も物語に深みを加え、兄弟間の確執が描かれるシーンでは心を揺さぶられます。特に、陣の野心と術式の激突シーンは迫力満点です。
伝統的な陰陽道と現代的なセンスが融合したこの物語は、ユーモアとシリアスな展開がバランスよく混ざり合い、最後まで飽きさせません。九尾の狐ときつねうどんというユニークなテーマが物語に独自の風味を加え、私たち読者に新鮮な驚きを与えてくれる作品です。
すごく面白くて一気読みしてしまいました!
かわいい九尾の狐と一緒の不思議な生活をテーマにした物語ですが、軽妙な語り口の文体が癖になりますね。今時のトレンドワードも各所に散りばめておられるので目新しさと、何より勢いがあります。
舞台が京都なので、根底を流れる歴史にも深みと魅力があって素敵ですね。
明さんがどんな対処を取るかも見ていて面白いですし、妖狐の「りほ」ちゃんが一緒にいてくれる生活がこれまた楽しそうです。
斎王代の話が登場したり、報酬のやり取りのシーンあたりも、妙にリアリティがあって引き込まれました。
すごくポテンシャルを秘めた作品だなと感じました。
続きを楽しみにしております!