エピローグ

 山口千彩やまぐちちいろは、原稿をそろえて、よしっと立ち上がった。

 ついにマンガ原稿が出来上がった。

 それは、サンフランシスコで「流れ星」のよう輝いたアンビシャスな人達について描いたものである。


これからカフェで編集者の岩田道長いわたみちおさと待ち合わせて、原稿を渡すことになっている。

 彼が何というのか、全くわからない。


 雨模様なので、千彩は傘を持って出かけることにする。

 帰り道に、この傘を使うことになるのだろうか。必要がないのだろうか。

 るんるんとスキップして帰るのか、傘もさしたくなくて濡れて帰るのだろうか。


  作品のことも、帰り道のことも、どうなるのかわからないけれど、あとはケセラセラ。Mrs. GREEN APPLEの歌を口ずさむ。


 描きあげたばかりだというのに、集中できた日々が、すでに懐かしい。


          

 完

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サンフランシスコの流れ星。アンビシャスな人々の波乱万丈ストーリー 九月ソナタ @sepstar

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