あとがきと解説とネタバレと
★やっぱり双子といえばノックスの十戒だよね
双子ヒロインのラブコメってちらほらありますが「顔は似ているけど性格が違う」という設定の「違う」にフォーカスを当てているものが多くて、どうも双子という設定を生かし切れてない気がするんですよ。
こちらとしてはもっとノックスの十戒に挑戦するような双子小説が読みたいわけですよ。だってR18なら双子って入れ替わりが基本じゃないですか!
という思いからこの小説は始まりました。ではまずキャラ設定。
ヒロインですが最初から名前は「エリカ」にしようと思ってました。ちなみに内閣府の北方領土公式キャラクターと同じ名前です。
※北方領土エリカちゃんはこちら参考 https://kakuyomu.jp/users/yamamoriyamori/news/16817330669237398095
一方、双子のもう一人については入れ替わり前提なのでよく似た名前でエリモにしました。漢字だと恵梨香と絵里萌です。文字もかわいくていいネーミングですよね。
せっかくなので姉妹以外のキャラ名も北方領土周辺からで纏めました。幼馴染の国後さんに友達の歯舞君。そうなると主人公の姓は択捉かとも思ったんですが、ちょっとくどい気がしたので樺太南部の地名である大泊にしました。
そして彼女たちと主人公との関係ですが、最近のラブコメではヒロインは義妹か幼馴染か学校一の美少女と決まってますよね。
今回は入れ替わったり間違えたりのイベント前提なので、家の中での遭遇頻度が多い義妹でしょう。双子のラブコメや義妹のラブコメは数多くありますが「双子かつ義妹」のパターンはあんまりないしと思いまして。
とまあこんな感じで一度プロットを考えてみたのですが、双子の見分けがつかない設定なのでどうもヒロインのキャラが立たない、というかキャラ立たせると入れ替わりが発生しないんですよ。
結局「そりゃラブコメの双子で入れ替わり少ないはずだよな」と納得しつつ、義妹の永遠のライバルである幼馴染を加えたトリプルヒロインにしてみました。
全体の構成としては、双子の謎というノックスの十戒に挑む推理物というメインプロットに対して、「幼馴染=過去」と「義妹=現在」の対立をテーマに置き、基本三角ときどき四角な関係での修羅場が連発するシチュエーションコメディとします。
それではこれで、ミステリーでいうところの「死体を転がし」ますね。ゴロン。
★双子の姉妹の見分け方
今回の小説、推理っぽくするためにほとんど一人称視点です。このため地の文に「恵梨香」「絵里萌」と書いてあっても主人公がそう思ってるだけだったりするのですが、さすがに紛らわしいので読者からはどっちか分かるようになってます。
まず呼び方。作中にも書いてありますが、「おにいちゃん」だと恵梨香、「お兄ちゃん」だと絵里萌です。ニュアンスとしてはひらがなの方が甘えた感じですね。
ちなみに「おにーちゃん」と呼んでくるときはわざとらしく甘ったれてる時で主に絵里萌です。普段は夜中だけの呼び方ですが、たまに昼間のシーンもあります(第32、33話、38話等)。
そして見た目。基本的にロングヘアーは恵梨香でツインテールは絵里萌ですが、ロングの時も髪を指でいじってると絵里萌です。第3話の最初の図書室とか、第38話の風呂上りの妹とかですね。第18話みたいにお兄ちゃんに見破られてる回も髪をいじってます。
このへんは「主人公は気が付いていなくて読者だけ気が付いている」というツッコミ感を狙ってみたんですけどね。
実は作者的には本当の主人公は美紀ちゃんだったりしてまして、それを主人公(たっくん)の視点から見ているという感じになってます。
たっくんのダメダメ感も含めて一人称叙述トリック風読者ツッコミ小説として考えてたんですが・・・
まあでもやっぱり眼鏡っ子いいよね。
★犯人はこの中にいる!
多くのコメントをいただきました図書室の変なラノベですが「幼馴染ざまぁセット」と「お兄ちゃん大好きセット」があります。
作中では、
第3話 (恵梨香の振りした)絵里萌「幼馴染ざまぁセット」
第5話 恵梨香「お兄ちゃん大好きセット」
第20話 恵梨香「幼馴染ざまぁセット」
という順番に借りられていますが、これは絵里萌が先に読んだものを恵梨香にお薦めしています。つまり第1話の前の時点で”原作に忠実な絵里萌”は「お兄ちゃん大好き」を読んでいるわけです。
結論的には主犯は美紀ちゃんで実行犯は絵里萌なわけですが、美紀ちゃんの動機は精神的に幼い主人公に揺さぶりを掛けることなので、やってることは暴力革命理論を実践しているテロリストです。途中で映画のブラックホークダウンを微笑みながら観ているのはそういうニュアンスだったりです。
ただ、恵梨香もなんか怪しいですけどね。ということは絵里萌もこのままではないでしょう。というかそもそも恵梨香は本当に恵梨香なのか?みたいなのもあったり。
★ラブコメなのにエモく無いのってどうなの
作者的に気に入っている話は、第9話の妹の呼び名の回、第19話〜20話ノックスの十戒犯人当てトーク、第32話~33話の美紀ちゃんがコンタクトにしてみたと妹のモテ自慢話の回、そして第51~52話の義妹vs幼馴染の最終決戦あたり。
やっぱり掛け合い漫才みたいなのは書いてて楽しいです。そこまでの執筆カロリー高いんですけど。
そういえば作者の考える学園ラブコメ三大イベントというのがあって、屋上で玉子焼き、掃除ロッカーに女の子と入る、水着を買いに行く女の子に付き合って試着室の前で待つ、の三つなんですが、せっかくのカクヨムコンなので頑張って全部入れました。
ラブコメイベントとしてはまだ夏祭りに浴衣、文化祭を二人で回る、クリスマスでデートでドキドキ、それにバレンタインなどもありますが今回はこんなもんで。
というわけでこの小説ですが、全体的には「新世代に追いやられた旧世代の逆襲」というテーマなので、そこはかとないガンダムっぽさを感じていただければ嬉しいです。特に最後の決戦シーンとか。
一応、ガンダムでいうと美紀ちゃんはシャアのイメージです。たっくんはアムロよりカミーユ的な。
しかし自分でいうのもなんですがこの小説、ラブコメなのにドキドキはあっても全然エモいシーンないですね。ていうかラブコメって女の子の自分語りが入らないとどうもエモくならない気がします。今回はほぼ一人称だったし。
でもまあそもそもこれ推理ものだし、感動系はカクヨムに既にいっぱいあるからたまにはこういうのもいいよね。これも多様性ということで。
作者的には「爽やか風だけど後味が微妙に引っかかる」みたいなのを狙ってみました。ドクターペッパーみたいな。あるいはゼータガンダム?
それではあとがきまで読んでいただき大変ありがとうございました。後書きから読むタイプの方はぜひ本編も読んでみてください。
またそのうちお会いしましょう。できたら作者フォローしてくださいね。
ではでは。
やまもりやもり
双子の義妹のどちらかがベッドにもぐりこんでくる やまもりやもり🦎妹の友達がセフレだった🌷 @yamamoriyamori
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