030 成功者に至る、賢者の道程な日々
俺が6歳のガキの頃は、ただのわんぱく小僧だった。
毎日泥だらけになって遊んで帰ると母に怒られる、そんな子供だ。
後で知ったがこの頃にハーフエルフだからと虐められている少女時代のリニアを救っていたらしい。
まあ俺にとってはいつもの喧嘩だったので記憶にも残っていないが⋯⋯。
しかし薄っすらとだけ長い髪の毛で目元や耳を隠そうとしていた、おとなしくカワイイ金髪の子は覚えている。
それが大人になって再会したリニアだったとは驚いたが⋯⋯。
「おまえ可愛いんだから髪切れ! それとおっぱい大きくなったら誰もそんな耳くらい気にしないよ!」
⋯⋯そんな無邪気な子供時代の俺のアドバイスを忠実に守って成長したのがリニアだった訳だ。
とはいえ、その後の子供時代では俺とリニアが会う事は無かった。
俺はその頃から全裸で野山を駆け回る日々だったし。
リニアは引きこもり人生一直線だったからな。
俺はすっかりリニアの事など忘れていて、しかしリニアはずっと俺に一途で思い続けていたのだった。
まあ俺が責任取って結婚するのは仕方ないのかもしれないな⋯⋯。
しかし普段はナマイキで腹の立つことも多いリニアだが⋯⋯案外優しい子だという事もわかっている。
自分勝手ではあるが人を傷つけようとはしないしな。
俺が10歳になった頃にはすでに魔力に目覚めていた。
その原因が全裸で野山を駆け回った影響だとは当時は思いもしなかったが。
しかしその頃の俺にとってこの魔法の練習は唯一の楽しい娯楽だったのだ。
そんな頃に俺はルドルフと出会った。
俺は山で遊んでいた。
しかしその頃のルドルフはまあムカつく普通の貴族のドラ息子だったのだ。
貴族の息子らしいお遊びの狩りゴッコで平民の俺が目障りだったのだろう。
「おい平民! ここは俺様の山だ、出ていけ!」
そんな事を平気で言う男だったのだ最初のルドルフは。
しかし⋯⋯。
その後モンスターに襲われているところを俺の魔法で救った。
その事がきっかけで俺とルドルフの友情は始まったのだ。
ルドルフは貴族らしい剣士として。
俺は魔法使いで。
ふたりはコンビを組んで冒険者ゴッコで遊ぶ毎日だった。
まだ年齢的に冒険者登録は出来なかったが冒険者ギルドには何度も足を運んでいたもんだ。
その頃は受付嬢だったミルナリアさんと出会ったのもこの時期だ。
そういえばその時からルドルフのミルさんを見つめる視線は熱かったな⋯⋯。
思えばそれがルドルフの初恋だったのだろう。
なおその頃のミルさんはすでに結婚していて旦那さんとラブラブだったが⋯⋯。
おかげでルドルフが発狂して一緒にヤケ酒を飲んだものだ。
思えばこれが俺の最初の飲酒だった。
あまりのマズさに俺はその後酒嫌いになったが⋯⋯。
その後、俺はひとりで冒険者になった。
ルドルフはもう伯爵家を継ぐための準備であまり遊べなくなっていたからだ。
あまり会う事はなくなったがそれでも俺たちは親友だった。
俺は15歳になり冒険者1年目だった。
この時点でCランク昇格間近という成長株の期待の新人である。
その理由はもちろん俺が魔法使いだったからだ。
この国では基本的に魔法は貴族が独占していると言っていい。
ルドルフは魔法も使えるが剣を使う方が性に合っているらしくあまり真面目に習わなかったらしい。
そんな平民には縁のない魔法を使える俺が冒険者として成り上がっていくのはある意味当然だったのだ。
⋯⋯そして慢心もあったのだろう。
何でもできると己惚れるくらいには。
その頃の俺には何でもできるような全能感が備わっていた。
だから目の前で攫われたお姫様の救出を誰にも言わずひとりでこなそうとする無謀なガキだったのだ。
⋯⋯まあその救出自体は無事に出来たがまさか命がけの戦いになるとは思わなかったし。
それに人殺しもこの時が初めてだった。
思わぬ苦戦。
そして人殺しの十字架を背負う。
けっこうショックだった。
⋯⋯しかし。
「ありがとうお兄ちゃん! 私を助けてくれて!」
その銀髪の天使のようなお姫様の笑顔に救われた気がした。
そしてその姫様⋯⋯ファイリーナ姫救出のご褒美を王様からもらう事になったのだが⋯⋯。
「お兄ちゃん! 私と結婚しましょう!」
「ええ!?」
「イカン! イカンぞ! ファイリーナよ!?」
無邪気に俺と結婚しようとするファイリーナ姫と、それをあわてて止める優しい王様が強く印象に残っている。
結局俺への褒美は、普通は貴族しか入れないような魔法学校への入学だった。
たしかに大金を貰う事も考えたが⋯⋯。
「お兄ちゃん⋯⋯私よりもお金なの?」
そう汚れの無い無邪気な天使の瞳で言われると「やっぱり金をくれ」とは言いにくかった。
「ファイリーナ姫。 俺は魔法学校でいっぱい勉強してもっと強くなって⋯⋯それで手柄をあげて、いつか姫にまた会いに来ますから」
「絶対だよ! 約束だからね! こんど会った時に私が大人になっていたら、その時は結婚してね!」
「ああ約束だよ。ファイリーナ姫が
俺はチラっとこっちを睨む王様を見ながら姫の夢を壊さないように無難に答えるのだった。
まあ王様もしょせんは子供の戯言と娘の言うことを邪魔しようとはしない大人の対応だったのだ。
この時の俺も王様も、ファイリーナ姫の本気さと執念を知ることは無かったのである。
その後ファイリーナ姫はずっと俺への想いを
そして俺はというと、その後は魔法学校で勉強するので必死だった。
だからすぐに姫の事など忘れていたのだった。
俺のような庶民が一度でも落ちこぼれたらもう這い上がれない、そう思って。
それにこの学校へ入れてくれた王様の顔に泥を塗るわけにはいかないと思い、毎日必死で勉強した。
そして魔法の修行もしたのだ。
この学校生活4年間で一番努力したのは俺だったのは間違いないだろう。
少なくとも同期の貴族のボンボンには負けない魔法使いになっており⋯⋯。
最後に受けた超難関の賢者資格試験にこの年では俺だけが合格したからだった。
卒業生主席という座はどこかの貴族の子供がかっさらって行ったが⋯⋯。
その後俺は冒険者に戻るつもりだったからそんな学歴などどうでもいいと思っていたからスルーした。
しかしその時の学園長に「この魔法学校の教職にならないか?」と頼まれたのだ。
俺なんかが教師でいいのか?
そう思ったが学園長は⋯⋯。
「君にしか教えられない事もある。 自信を持ちなさい」
そう優しく仰ってくれたのだった。
その学園長は俺が教師になって半年ほどで亡くなってしまい恩を返せなかった事が無念である。
しかもその後の後任の学園長と俺はそりが合わず嫌われてしまったのだ。
結局俺が平民だという事と教育方針が貴族らしからぬという理由で解雇になるが⋯⋯それほど未練も無かった。
ただ初めての生徒たちをたった1年しか見れず、その卒業を見届けなかったのが残念だったが。
この時の生徒のひとりであるロザリアに、まさかあれほど感謝されていたとは俺は思いもしなかったのである。
まあそれだけでも1年間教師をした甲斐があったという事だろう。
学校を辞めて俺は冒険者に戻る事になった。
なんか親から離れて生活していた時期が長くて、また一緒に暮らすのもイヤだった俺は一人暮らしを始めた。
久々に再会したルドルフに田舎の山を安く譲ってもらい、そこで生活することにしたのだった。
圧倒的自由だった⋯⋯。
その解放感は言葉では言い表せない。
こうして普段誰とも会わない俺は服も着ないで全裸で野山を駆け回る野生に戻ったのだった。
というのも魔法学校の図書館で調べた仮説だが⋯⋯『全裸の方が魔力が高まるのではないか?』という実験だった。
そしてこの仮説は当たっていたのだ!
それから俺の魔力はさらに高まるのだった。
そんな隠遁生活が5年ほど続いた。
しかし俺の魔力の成長もほぼ止まり、この頃にはあまり全裸にはならなくなっていた。
たまに狩りをして素材を売って畑を耕す。
そんなスローライフを満喫していたのだった。
そんな日々が終わったのはみすぼらしい格好をした少女が現れるまでだったが。
それが俺の運命の相手のイリーナだったのだ。
イリーナが望んだこともあり俺は魔法学校ではとても出来ないようなエロいハレンチ授業をすることにした。
もちろん下心満載だったのだが⋯⋯俺の仮説の教育方針を実践したらどうなるのか? という実験でもあった。
ほんの少しだけ貴族たちの鼻をあかしてやりたい気持ちもあったのかもしれないが⋯⋯。
正直言ってイリーナがここまでガッツリと俺の指導を受けるとは思わなかった。
セクハラで逃げ出すならさっさと居なくなれ⋯⋯と、若干思っていたからだ。
しかしイリーナは逃げようとはしなかった。
俺にはそれは不可解で、とても逃げられないような悲しい事情がイリーナにはあるのだろう⋯⋯と、思うくらいだった。
それがまさか⋯⋯俺への愛だったなんてな。
そんなすっかり変わってしまった俺の生活に今度はリニアも加わって、ますますピンク色な日々になった。
ここは俗世とは切り離された秘境だからな⋯⋯俺が何しようが誰も止める者はいないのでやりたい放題だった。
イリーナのおっぱいだけで満たされた。
しかしそこにリニアのおっぱいも加わってさらに素晴らしくなった!
俺は知らなかったのだ。
こんな世界があったことを!
もうひとりでいいと思う俺は居なかった。
このふたりのおっぱいが無いと生きていけない駄目人間に俺は知らないうちになっていたのだった。
⋯⋯もしかしたら気づかなかっただけで元々俺はこういうダメ人間だったのかも知れないが。
子供の頃から俺はおっぱいが大好きだったのは間違いないし⋯⋯。
その後、なんやかんやがあってイリーナがあの時のファイリーナ姫だと知り⋯⋯結婚することが決まった!
マジか⋯⋯。
この俺が結婚とか⋯⋯しかもお姫様と!
まあもっともイリーナはもう姫としては死んだ扱いなのでお姫様との結婚ではないのかもしれないが、そんな事は些細な問題である。
需要なのはイリーナのおっぱいが結婚という人生を捧げるのに十分な対価だと思えた事だ。
そうこうしているうちに、ルドルフとミルさんの結婚が決まった!?
⋯⋯あのふたりがだぜ?
まあそれはいいんだけど⋯⋯そのしわ寄せに俺はリニアとまで結婚することになった⋯⋯。
⋯⋯マジかよ。
たしかにリニアは穀潰しの要らない子である。
でもおっぱいは立派だった。
今更このおっぱいを誰かに取られるのも嫌なくらいには、俺はリニアが気に入っていたと自覚したのだった。
リニアは確かに誰かに養ってもらわないと生きていけない駄目人間⋯⋯いや駄目ハーフエルフである。
だが過度な贅沢をするような子でもなかった。
なんというか⋯⋯彼女なりに奥ゆかしさはあったのだろう。
ご飯のおかわりは3杯目はそっと出す謙虚な子だ。
それに俺の稼ぎだとリニアひとり飼う⋯⋯いや養うのもさほど苦ではないし。
さっきも言ったがリニアの初恋が俺だと発覚したのも大きかったな。
こうなると俺にも独占欲が湧いてくる⋯⋯。
それに正妻のイリーナともうまくやっていけそうだと思ったので、俺はリニアとも結婚を決意したのだった!
イリーナとリニア、2人との結婚が決まりその準備と俺の領地開拓も並行して魔道具作りなんかもしながら忙しくなってきた頃だった。
そんな俺たちの前にロザリアがやって来た。
聞けば彼女は王宮を辞めて来たらしい⋯⋯。
その原因は間違いなくイリーナのせいだった。
そして愛する妻イリーナの責任は俺の責任でもある!
こうして俺は元教え子だったロザリアを領地開拓の傭兵として雇ったのだった。
俺が教師時代の頃のロザリアは子供だったのだが⋯⋯。
この5年ですっかりオトナの女性になっていた。
当然おっぱいも大きくたわわでエロくなっている⋯⋯。
よく学校で教え子に手を出す教師は何考えてるんだと思っていたのだが⋯⋯スマンその理由がよくわかったよ。
とはいえ俺はロザリアになにかする気は一切なかった。
たまにチラチラと揺れるおっぱいを見てしまう程度で⋯⋯。
それに俺にはいつでも自由に揉めるおっぱいが2人も居るんだぜ?
それで十分だと思ったからだった。
それがどうしてこのロザリアとも結婚することになったのか?
⋯⋯俺は悪くないと思う。
元々ロザリアがここへ来たときには実家から縁を切られていたのだった。
表向きには護衛対象のファイリーナ姫を死なせたガーディアンだったから実家を巻き込まないようにしていたのだ。
俺はその事が不憫だなとは思ったが⋯⋯どうする事も出来なかった。
ただその責任は俺たち夫婦にあるとは強く思っていたが、日々は無為に過ぎていた。
そして俺の叙勲が決まった。
これで俺はルドルフを上司とした王派閥の貴族の末席となった。
とうぜん俺に求められる要求は、俺の作る魔道具で王に貢献する事だ。
しかし俺は当然として地方貴族のルドルフも中央での魔道具販売の為のコネが無かった。
そこで白羽の矢が立ったのがロザリアの元実家だったのである!
そうして俺の方からロザリアの実家に声をかけて共同販売のパートナー契約をしたのだが⋯⋯ロザリアが今俺の所に居るとバレた。
まあ隠す気も無かったんだが⋯⋯。
俺としてはこの事でロザリアと親が仲直りしてくれればそれでいいと思う程度だったのだ。
しかし予想外の事態が起こる!
そう⋯⋯俺の魔道具が売れすぎた⋯⋯。
あまりにも莫大な金が動き始める⋯⋯。
するとこのままではマズイという話になり⋯⋯より密接な俺とロザリアの親との関係を作らなければいけなくなったのだ。
「ではロザリアもジーク様の側室にしちゃいましょう!」
そうしてイリーナの発案によってロザリアとまで結婚することが決まったのだった。
⋯⋯まあいいか、ロザリアも可愛いしおっぱい大きいから!
くよくよしても、もうどうにもならん!
おっぱいだ! おっぱいだけが俺の安らぎだった。
それにロザリアもこの縁談にそこまで嫌悪感が無さそうだったし。
こうして新興貴族なのにいきなり嫁を3人も持つという⋯⋯他の貴族たちから疎まれるスタートになってしまったが、もうどうでもいいや。
しょせんは俺の事を羨ましいと喚いているだけだと思うとあんがい許せるというものだ。
てか⋯⋯俺って完全に勝ち組だよなあ⋯⋯。
黒髪でポニーテールの元教え子で、背徳的なおっぱいのロザリア。
金髪のショートヘアでナマイキな、ハーフエルフのおっぱいのリニア。
銀髪のさらさらロングヘアが美しい、ロイヤルセクシーおっぱいなイリーナ。
もうどこにも逃げられない、おっぱい包囲網の完成である!
残念ながら俺にはこの天国から逃げる気がまったくおきないのだった。
人生とはこうも変わるのかと思うばかりである。
最後にひとつくらいは先生らしい事を言っておこうか。
「人間、どれだけ偉くなろうが強くなろうが、最終的にはおっぱいを愛でて揉めれば、それで幸せなのである。
いつでも自由に揉めるおっぱいがある、それくらいの成功で人はちょうどいいのだ。
だが忘れてはならない。
そのおっぱいにも心があるという事を。
自分だけが良いと思っていると、その愛するおっぱいからの温もりが消えてしまうかもしれないのだ。
おっぱいを愛し、おっぱいから愛される。
そんな人生が幸福なのだ。
それで十分じゃないか⋯⋯そうだろ?」
俺は確かに結婚して苦労も増えたが、それでも幸せだ。
なぜなら俺が愛し俺を愛してくれる、そんな素敵なおっぱいに包まれているのだから⋯⋯。
俺の賢者に至る
──今の俺は、人生の
隠遁賢者のエロ教師ライフ!~愛弟子の才能【おっぱい】を見逃さない、ちょっとエッチな魔法の授業~ 🎩鮎咲亜沙 @Adelheid1211
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