モンスターハンター

れみ

第1話 モンスターハンター 

課題「湖」

「モンスターハンター」




人 物

深海太輔(ふかみたいすけ)(30)無職

高円寺里菜(こうえんじりな)(30)会社員

高根圭介(たかねけいすけ)(29)会社員



ここのところ、謎のUMA、絶滅したはずの首なが龍が

度々目撃されている関西の千城寺湖。

この静かな湖畔の別荘で一つの事件がおころうとしていた。

 


○関西の千城寺湖

   美しい緑豊かなダム湖

   湖畔に豪邸。


○湖畔の道

   深海太輔(ふかみたいすけ)(30)湖の周りを歩いて

   いる。スマホを見る。午後、6時。

深海「おっ、誰かいるな」

   望遠レンズの高根圭介(22)

   橋の上から、カメラで湖を狙う。

深海「そこから、なにが見えるんですか?

 恐竜でもみえますか?」

   高根、深海の方をみて微笑む。

高根「あっ!深海先輩!お久ぶりです、

 関東から帰っていたんですね。

 この湖の恐竜がでるのは、単なる

 ネットの嘘ニュースですよ。僕は

 トラフズクというフクロウを撮ってい

 るんです」

深海「へえ」

   深海関心の表情。

深海「本当?里菜の家を見てたんじゃ

 ないの?」


○湖

   木の枝に梟、その向こうに豪邸


○湖畔の道

   高根、明るく笑う

高根「深海先輩、里菜さまは、結婚して

 もうあの家にいませんよ」

深海「そうか」

高根「てか、深海先輩こそ、帰省して

 一番最初に来たのが、里菜さんの家で

 すか?ストーカーですか?」

深海「高校時代に振られた女の家に来

 ちまう俺たち二人。本当に不毛だな」

高根「でも、深海先輩の尊敬する所は

 小学校がらずっと里菜さん一筋の所です。一番嫌いな所もそこですけど」

深海「うるせい」


○車道

   キャンピングカーがクラクショ

   ンを鳴らして走ってくる。

   キャンピングカー、深海と、高根の

   隣で停止する。

   車のドアが開く高円寺里菜(30)

   が顔を出す

里菜「そこの二人、邪魔なんだけど」

高根「わっまじ?里菜さまが降臨された」

深海「おまえは、梟みとけ」

高根「いやだ」

里菜「家から不審者が見えたから、わざ

 わざ迎えにきたのに。乗らないの?」


○里菜の家(中)

   蜘蛛の巣。

   里菜電気をつける。

里菜「ビールと枝豆しかないけどいい?」

高根「いいっす!十分っす!」

深海「やだっ!俺、ポテチがいい」

里菜「我が儘言う人は食べなくて結構!」

高根「僕、枝豆でいいです、てか枝豆が

 いいです!」

里菜「じゃあ男子は、日がおちる前に畑

 から枝豆取って来てね」

深海「俺たちに指示?里菜、いつまでも生徒会長きどってんじゃないよ」

   二人軍手持って立ち上がる。

里菜「なにさ私のこと好きなくせに!」

   深海、苦笑い。


○屋敷・外

   沈む夕日が湖面に反射している。

   深海、高根、枝豆畑。

高根「深海先輩、なんで里菜さん、一人で

 ここにいるんだろ。たしか旦那さんと

 お子さんいたはずじゃ・・」

深海「高根よお、おれには聞いてくんな

 いのな、事情。つれないね〜」

高根「先輩は昔から優先順謎の事情だ

 らけで長くなるからパスでーす」

深海「だよな」

   枝豆をかかえて部屋へ


○屋敷(中)

   泥酔する、里菜、深海、高根。

   ビールの缶が転がる。

里菜「ほら、深海、もっと飲め」

深海「もう、お酒は十分です!」

   高根、はソファーで寝ている。

里菜「それでは、じゃじゃーーん、いまか

 らゲームターーイム。私と結婚した

 い人!」

   里菜、ハンドバックから、小さな

   拳銃を取り出す。

深海「またまた〜、里菜ちゃん、おもちゃ

 の拳銃でしょ」

   里菜、にっこり微笑む。

   壁の壺に拳銃を向ける。

里菜「見てて、父さんと母さんの結婚記念

 の壺。この世から消えちゃえ」

   里菜、拳銃の引き金を引く。

   発射音がして、壺が砕ける。

   高根目を覚ます。

高根「うわっ!」

里菜「弾は残り、ひとつ」

  里菜、深海と、高根を見まわす。

里菜「弾を一個いれまーす。からからっと」

   里菜、丸い弾倉を何度かまわす。

深海「やめろ、里菜」

   高根、目を丸くする。

高根「里菜さん、どういうことですか?」

   里菜、自分の頭に拳銃を当てる。

深海「やめろ(大声で)」

里菜「ロシアンルーレット知ってる?

 こし餡ルーレットじゃないよ。この

 拳銃は六発弾が入る。そこに一発だ

 け、弾を込めて3人で順番に引き金

 をひくの。大当たりのお一人さまが

 出た時点でゲーム終了。生き残った

 人は私と結婚できまーす。ただし

 私が生きていたらだけど」

深海「ばかばかしい。そんなもんほっとい

 て、飲み直そうぜ」

   高根、立ち上がる。

高根「深海先輩、逃げるんですか?先輩、

 先輩が死ねば、僕が里菜さんと結婚

 できるんだ。一生に一度のチャンス

 なんだ!」

深海「冗談、いつもの里菜の気まぐれだよ」

高根「僕は、里菜さんの事を言う時、

 深海先輩の余裕の同級生ずらが我慢

 できない!逃げないでください」

   里菜、ふふと笑う。

里菜「ああ、たのしい、もっと派手に喧嘩

 しなよ。私のために男が命を奪い合う。

 最高にしびれるわ」

   深海、拳を握る。

深海「高根、何、言ってるんだよ!俺の目

 の前ちょろちょろしやがって。おまえ

 こそ目障りなんだよ」

   深海、高根の頬をビンタする。

   高根、吹っ飛ぶ。

高根」「なぐったね・・こいつ本当に

 殴りやがった。親父にも殴れれた事

 無いのに!」

   高根、拳を握り、深海に襲いかかる。

   拳が深海の頬に当たる、口から血。

深海「高根!グーゲンコでやりやがっ

 たな!そしたら、俺だって」

   殴りあう、深海と高根、

   里菜、おろおろし始める。

里菜「え・・あ・・なんか趣旨とちがうん

 ですけどお」

深海「この、やろお!」

高根「なにお!」

   激しく殴り合う二人。

   里菜、青い表情。

里菜「なによお!あんたち死ぬよ!死んじゃうよおおおお!やめなさああああい」

   深海、高根、動きを止める、

   そして、ふたり抱き合い、ちゅと

 キス。

高根「せんぱい♡」

深海「すきだよ♡」

   里菜、その場に座り込む。泣きだす。

里菜「ううううん、ううん、学校出て

 から何もかもうまくいかなくて・・夫に

 捨てられて、子供もとられて・・も

 う涙も枯れていたはずなのに・・」

高根「里菜さん、泣いてください、そして

 僕は今、絶賛恋人募集中です」

深海「高根、必要以上にちかづくなよ」


○窓

   窓の外に巨大な影が動く

(恐竜)「がががががががががが」

里菜「わっ!!恐竜だわ!いたんだわ、

 ほんとに!私たち食べられちゃう!」

   里菜、おろおろする。

深海「里菜、もう死ぬなんていうなよ。

 お返事は?」

里菜「腰が抜けた・はい・・副生徒会長」

   深海、里菜から拳銃を受けとる。

   深海、恐竜に拳銃を向ける。

深海「明日のネットが楽しみだぜ」

発射音「ぱあーーーーーん」

恐竜「ぎやあああああああああああああ」

   呆然の里菜。恐竜静かになる。

高根「里菜さん、飲み直しましょう」

   深海ガッツポーズ

深海「しとめたりっ!」


○車道

    湖に赤い血が浮かぶ。

    笑顔の里菜、車で出発。

    笑顔で手を振る高根、深海。

深海「さっ、俺もつぎつぎ!」


終わり

 














           

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モンスターハンター れみ @zgirunken

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