♡Valentine • panic♡


世の中の恋人が色めく冬のとある日。

甘い甘いお菓子を持った何者かが、一人優しくにこりと笑った──




☆★☆★☆






「はっぴーはっぴーバレンタイン〜!!はいつきみ」


「はっぴーバレンタインー玲ちゃん!はいつきみからも」



大きな声をあげ、二人は小籠に入ったチョコを渡す。市販のものと、手作りのもの。

それぞれがどちらかのものだろうと、かもめは他人事に見ていた。



だってバレンタインなんて、たまたま運良く意気投合し浮かれ充実した人種と、仲の良い陽キャやらが当てられるイベント。全くもって無縁の──つもりでいるイベントだ。そうは言いつつ、チョコを用意している。そう…念の為。貰う予定もないが予期せず貰ってしまったとき用の、少数にあげたい人に渡すためだけに持ってきた。




「かもめも!はい」



「つきみからも〜!!どーぞ好物チョコなんでしょ?」



「なっなんで知ってるの…?!まっまぁありがとう…じゃ、私からも…たまたま持ってたの今日」



「たまたまぁ?そんなわけ無いじゃん分かりやすい〜〜ツデンレ〜」



そっけなく渡そうとするかもめのほっぺをぷにぷにするつきみ。かもめはますます赤面し、渡そうとした手をひっこめた。



「…やっぱなし!あげない」



「えぇえ待って待ってツデンレじゃないから〜

デンツレだから〜!!」



「言葉としてツンデレだし言うならデレツンだから」



「つきみのせいであたしの分のチョコまで〜どうしてくれるの!!バレンタインはこの世界のお菓子回収デーでしょ?!どこかで読んだよ?!」




全くまとまりのない会話にくすりと透海は笑う。一人大人びた目線で微笑ましく、聖母のように見守っている。瑠花は横で、そんな透海に話しかける。



「…透海ちゃん、大人びてるね〜。でも甘いもの苦手じゃなかったっけ?チョコどうするの?玲ちゃんにでもあげちゃうの?」



「うーん…一旦全部溶かして煎餅に漬けて食べる」



「渋っ…」




チョコ漬け煎餅は果たして美味しいのか──ということは置いておき、とにかくチョコは自分で食べ切るそうだ。


せっかく頑張って作ったから食べて欲しい、という瑠花の願いはなんとか叶うようだ。



「あ、透海もはい!寮で渡すチャンスなかった」



「あ、ありがと…って“メガウマ胡麻油漬けのこだわり長期間熟成煮干し煎餅”って…え?え?」



「甘いもの苦手なんでしょ?わざわざ選んだの」



「いや選ぶセンス…ていうか煮干しって熟成させるものじゃないし…熟成=腐ってるんじゃないの?大丈夫?」



透海は煎餅を静かに懐にしまい、見なかったことにした。これは溶かせないし、単品で食べなければ…と絶望した。



「あとは寮じゃなくて登校組にあげるだけでー次は先輩たちだ!」



「GoGo!!」



つきみと玲は廊下を走り、二年生の元へ駆けていく。その背中を、透海瑠花かもめの達観トリプルが追うことになる──






☆ ★ ☆ ★






「しゅうせんぱーい!!くじらせんぱーい!るなせんぱーい!!あと…えと…先輩〜!!」



「僕、優香里ね?!覚えて?!」



「あっ玲につきみー!なになに〜俺にバレンタイン?それならありがたーく受け取るよ」



「柊雨くんもう今日26個貰ってますよね…もう充分だと思うので露骨にアピールしなくていいですよ?」



くじらに諭され大人しく座る。柊雨は「ど正論求めてない」とふてぶてしく口を尖らせた。



「じゃあ27個に記録更新しといてくださいね!はい!」



「あたしからも〜28個目!」



「ありがと〜なんていい子たちなんだ!おいしく食べるね」



遅れてやってきた達観トリプルからもチョコを貰い記録は31個に更新された。

くじらはその様子を若干冷たい目で見ていたことは、代理学園内の学家機密とする。



「あっそうだわたし一年生のみんなの分もチョコ準備万端ですよ!はいどうぞ。感想聞かせてくださいね!」



なんの悪意もなく、ただ言った言葉に一年生もとい二年生までもが戦慄した。


まだ柊雨ばかりか、優香里も瑠奈もくじらからはチョコを受け取っていなかった。



そして、皆が願ったのはこれ一心である。





(市販!!!市販のものであってくれ!!神様仏様くじら様!!)










……──




















当然、フラグに過ぎなかった。

















手作りである。







小綺麗にピンク色のカールリボンとミントグリーン色のストレートリボンが交差し、茶色の紙包みに、いともお洒落にラッピングされている。




外身だけだ。




「どうぞ。あれ、優香里ちゃんと瑠奈ちゃんなんで後ろに下がってるんですか?はいどうぞ。苦手なりにレシピを見て頑張ったんです!」




「あ、ありがとう…!とってもオイシソー」




「うわぁおっしゃれだー!!お腹空いた!くじら先輩、あたし今食べてもいいですか?」




「どうぞどうぞ!!嬉しいです」




「んん〜!おいしーい!なんか喉に引っかかる感じがとっても美味!みんなも食べなよ!

クセ強でおいしいよ!」







2月14日。





馬鹿により爆弾発言が投下。





オペレーション突発性チームが結成。





▷コードネーム“どくぜツンデレ”至急応答せよ!!



▷まずいこれは本当にまずい!!“ねこみみ計算系アイドル”先輩!!大至急対応お願いします!



▷無理だよ…誰かが今食べると言った以上、必然的にみんな食べなければいけない空気になる…“イングリッシュオンリー”には指導を施しておく。



▷違うよ“ねこみみ計算系アイドル”!!

僕たち今どうするべきか会議してるんだよ!!“イングリッシュオンリーについては諦めよう!!もうきっとあの子は無理だ!



▷おそらく“サンシャイン☆フィニッシュ”にだけは言われたくないだろうね。




▷体調が悪いって言い訳はどうですか?!




▷ダメだよ無謀だし、ここの全員がそれをするのは無理がある。落ち着いて“パワフル☆ガール”




▷…無理ですね。諦めましょう。




▷ダメだよ“クリアオーシャン”!!諦めないで!!まだ希望を捨てないで!!




▷…みんな、さようなら。今までありがとう。






透海は「じゃ、僕も」と言って静かにそれを口にする。そこで透海の意識は途切れた。





▷くっ…“クリアオーシャン”が自爆した…

この尊い犠牲を活かさなきゃ…!



▷どうする?!打開策は…




▷…みんな、私を犠牲にして、屍を踏んで先に進んで!



▷“イラストレーター志望”!!!待て!!





瑠奈は事切れる。





▷…ごめん、司令塔の俺がもう無理だと判断した以上、もう無理だよ。ごめんみんな。恨むなら俺を…!



▷“ねこみみ計算系アイドル”!!違うよ!!悪いのは…だれ?



▷さよなら、みんな!







代理学園の保健室には、多数の犠牲者が運ばれた。


あまりにも多い犠牲者に学校側は

世の中の恋人が色めく冬のとある日。

甘い甘いお菓子を持った何者かが、一人優しくにこりと笑った──




☆★☆★☆






「はっぴーはっぴーバレンタイン〜!!はいつきみ」


「はっぴーバレンタインー玲ちゃん!はいつきみからも」



大きな声をあげ、二人は小籠に入ったチョコを渡す。市販のものと、手作りのもの。

それぞれがどちらかのものだろうと、かもめは他人事に見ていた。



だってバレンタインなんて、たまたま運良く意気投合し浮かれ充実した人種と、仲の良い陽キャやらが当てられるイベント。全くもって無縁の──つもりでいるイベントだ。そうは言いつつ、チョコを用意している。そう…念の為。貰う予定もないが予期せず貰ってしまったとき用の、少数にあげたい人に渡すためだけに持ってきた。




「かもめも!はい」



「つきみからも〜!!どーぞ好物チョコなんでしょ?」



「なっなんで知ってるの…?!まっまぁありがとう…じゃ、私からも…たまたま持ってたの今日」



「たまたまぁ?そんなわけ無いじゃん分かりやすい〜〜ツデンレ〜」



そっけなく渡そうとするかもめのほっぺをぷにぷにするつきみ。かもめはますます赤面し、渡そうとした手をひっこめた。



「…やっぱなし!あげない」



「えぇえ待って待ってツデンレじゃないから〜

デンツレだから〜!!」



「言葉としてツンデレだし言うならデレツンだから」



「つきみのせいであたしの分のチョコまで〜どうしてくれるの!!バレンタインはこの世界のお菓子回収デーでしょ?!どこかで読んだよ?!」




全くまとまりのない会話にくすりと透海は笑う。一人大人びた目線で微笑ましく、聖母のように見守っている。瑠花は横で、そんな透海に話しかける。



「…透海ちゃん、大人びてるね〜。でも甘いもの苦手じゃなかったっけ?チョコどうするの?玲ちゃんにでもあげちゃうの?」



「うーん…一旦全部溶かして煎餅に漬けて食べる」



「渋っ…」




チョコ漬け煎餅は果たして美味しいのか──ということは置いておき、とにかくチョコは自分で食べ切るそうだ。


せっかく頑張って作ったから食べて欲しい、という瑠花の願いはなんとか叶うようだ。



「あ、透海もはい!寮で渡すチャンスなかった」



「あ、ありがと…って“メガウマ胡麻油漬けのこだわり長期間熟成煮干し煎餅”って…え?え?」



「甘いもの苦手なんでしょ?わざわざ選んだの」



「いや選ぶセンス…ていうか煮干しって熟成させるものじゃないし…熟成=腐ってるんじゃないの?大丈夫?」



透海は煎餅を静かに懐にしまい、見なかったことにした。これは溶かせないし、単品で食べなければ…と絶望した。



「あとは寮じゃなくて登校組にあげるだけでー次は先輩たちだ!」



「GoGo!!」



つきみと玲は廊下を走り、二年生の元へ駆けていく。その背中を、透海瑠花かもめの達観トリプルが追うことになる──






☆ ★ ☆ ★






「しゅうせんぱーい!!くじらせんぱーい!るなせんぱーい!!あと…えと…先輩〜!!」



「僕、優香里ね?!覚えて?!」



「あっ玲につきみー!なになに〜俺にバレンタイン?それならありがたーく受け取るよ」



「柊雨くんもう今日26個貰ってますよね…もう充分だと思うので露骨にアピールしなくていいですよ?」



くじらに諭され大人しく座る。柊雨は「ど正論求めてない」とふてぶてしく口を尖らせた。



「じゃあ27個に記録更新しといてくださいね!はい!」



「あたしからも〜28個目!」



「ありがと〜なんていい子たちなんだ!おいしく食べるね」



遅れてやってきた達観トリプルからもチョコを貰い記録は31個に更新された。

くじらはその様子を若干冷たい目で見ていたことは、代理学園内の学家機密とする。



「あっそうだわたし一年生のみんなの分もチョコ準備万端ですよ!はいどうぞ。感想聞かせてくださいね!」



なんの悪意もなく、ただ言った言葉に一年生もとい二年生までもが戦慄した。


まだ柊雨ばかりか、優香里も瑠奈もくじらからはチョコを受け取っていなかった。



そして、皆が願ったのはこれ一心である。





(市販!!!市販のものであってくれ!!神様仏様くじら様!!)










……──




















当然、フラグに過ぎなかった。

















手作りである。







小綺麗にピンク色のカールリボンとミントグリーン色のストレートリボンが交差し、茶色の紙包みに、いともお洒落にラッピングされている。




外身だけだ。




「どうぞ。あれ、優香里ちゃんと瑠奈ちゃんなんで後ろに下がってるんですか?はいどうぞ。苦手なりにレシピを見て頑張ったんです!」




「あ、ありがとう…!とってもオイシソー」




「うわぁおっしゃれだー!!お腹空いた!くじら先輩、あたし今食べてもいいですか?」




「どうぞどうぞ!!嬉しいです」




「んん〜!おいしーい!なんか喉に引っかかる感じがとっても美味!みんなも食べなよ!

クセ強でおいしいよ!」







2月14日。





馬鹿により爆弾発言が投下。





オペレーション突発性チームが結成。





▷コードネーム“どくぜツンデレ”至急応答せよ!!



▷まずいこれは本当にまずい!!“ねこみみ計算系アイドル”先輩!!大至急対応お願いします!



▷無理だよ…誰かが今食べると言った以上、必然的にみんな食べなければいけない空気になる…“イングリッシュオンリー”には指導を施しておく。



▷違うよ“ねこみみ計算系アイドル”!!

僕たち今どうするべきか会議してるんだよ!!“イングリッシュオンリーについては諦めよう!!もうきっとあの子は無理だ!



▷おそらく“サンシャイン☆フィニッシュ”にだけは言われたくないだろうね。




▷体調が悪いって言い訳はどうですか?!




▷ダメだよ無謀だし、ここの全員がそれをするのは無理がある。落ち着いて“パワフル☆ガール”




▷…無理ですね。諦めましょう。




▷ダメだよ“クリアオーシャン”!!諦めないで!!まだ希望を捨てないで!!




▷…みんな、さようなら。今までありがとう。






透海は「じゃ、僕も」と言って静かにそれを口にする。そこで透海の意識は途切れた。





▷くっ…“クリアオーシャン”が自爆した…

この尊い犠牲を活かさなきゃ…!



▷どうする?!打開策は…




▷…みんな、私を犠牲にして、屍を踏んで先に進んで!



▷“イラストレーター志望”!!!待て!!





瑠奈は事切れる。





▷…ごめん、司令塔の俺がもう無理だと判断した以上、もう無理だよ。ごめんみんな。恨むなら俺を…!



▷“ねこみみ計算系アイドル”!!違うよ!!悪いのは….だれ?



▷さよなら、みんな!










代理学園の保健室には、多数の犠牲者が運ばれた。



あまりの犠牲者の多大さに、学校側

世の中の恋人が色めく冬のとある日。

甘い甘いお菓子を持った何者かが、一人優しくにこりと笑った──




☆★☆★☆






「はっぴーはっぴーバレンタイン〜!!はいつきみ」


「はっぴーバレンタインー玲ちゃん!はいつきみからも」



大きな声をあげ、二人は小籠に入ったチョコを渡す。市販のものと、手作りのもの。

それぞれがどちらかのものだろうと、かもめは他人事に見ていた。



だってバレンタインなんて、たまたま運良く意気投合し浮かれ充実した人種と、仲の良い陽キャやらが当てられるイベント。全くもって無縁の──つもりでいるイベントだ。そうは言いつつ、チョコを用意している。そう…念の為。貰う予定もないが予期せず貰ってしまったとき用の、少数にあげたい人に渡すためだけに持ってきた。




「かもめも!はい」



「つきみからも〜!!どーぞ好物チョコなんでしょ?」



「なっなんで知ってるの…?!まっまぁありがとう…じゃ、私からも…たまたま持ってたの今日」



「たまたまぁ?そんなわけ無いじゃん分かりやすい〜〜ツデンレ〜」



そっけなく渡そうとするかもめのほっぺをぷにぷにするつきみ。かもめはますます赤面し、渡そうとした手をひっこめた。



「…やっぱなし!あげない」



「えぇえ待って待ってツデンレじゃないから〜

デンツレだから〜!!」



「言葉としてツンデレだし言うならデレツンだから」



「つきみのせいであたしの分のチョコまで〜どうしてくれるの!!バレンタインはこの世界のお菓子回収デーでしょ?!どこかで読んだよ?!」




全くまとまりのない会話にくすりと透海は笑う。一人大人びた目線で微笑ましく、聖母のように見守っている。瑠花は横で、そんな透海に話しかける。



「…透海ちゃん、大人びてるね〜。でも甘いもの苦手じゃなかったっけ?チョコどうするの?玲ちゃんにでもあげちゃうの?」



「うーん…一旦全部溶かして煎餅に漬けて食べる」



「渋っ…」




チョコ漬け煎餅は果たして美味しいのか──ということは置いておき、とにかくチョコは自分で食べ切るそうだ。


せっかく頑張って作ったから食べて欲しい、という瑠花の願いはなんとか叶うようだ。



「あ、透海もはい!寮で渡すチャンスなかった」



「あ、ありがと…って“メガウマ胡麻油漬けのこだわり長期間熟成煮干し煎餅”って…え?え?」



「甘いもの苦手なんでしょ?わざわざ選んだの」



「いや選ぶセンス…ていうか煮干しって熟成させるものじゃないし…熟成=腐ってるんじゃないの?大丈夫?」



透海は煎餅を静かに懐にしまい、見なかったことにした。これは溶かせないし、単品で食べなければ…と絶望した。



「あとは寮じゃなくて登校組にあげるだけでー次は先輩たちだ!」



「GoGo!!」



つきみと玲は廊下を走り、二年生の元へ駆けていく。その背中を、透海瑠花かもめの達観トリプルが追うことになる──






☆ ★ ☆ ★






「しゅうせんぱーい!!くじらせんぱーい!るなせんぱーい!!あと…えと…先輩〜!!」



「僕、優香里ね?!覚えて?!」



「あっ玲につきみー!なになに〜俺にバレンタイン?それならありがたーく受け取るよ」



「柊雨くんもう今日26個貰ってますよね…もう充分だと思うので露骨にアピールしなくていいですよ?」



くじらに諭され大人しく座る。柊雨は「ど正論求めてない」とふてぶてしく口を尖らせた。



「じゃあ27個に記録更新しといてくださいね!はい!」



「あたしからも〜28個目!」



「ありがと〜なんていい子たちなんだ!おいしく食べるね」



遅れてやってきた達観トリプルからもチョコを貰い記録は31個に更新された。

くじらはその様子を若干冷たい目で見ていたことは、代理学園内の学家機密とする。



「あっそうだわたし一年生のみんなの分もチョコ準備万端ですよ!はいどうぞ。感想聞かせてくださいね!」



なんの悪意もなく、ただ言った言葉に一年生もとい二年生までもが戦慄した。


まだ柊雨ばかりか、優香里も瑠奈もくじらからはチョコを受け取っていなかった。



そして、皆が願ったのはこれ一心である。





(市販!!!市販のものであってくれ!!神様仏様くじら様!!)










……──




















当然、フラグに過ぎなかった。

















手作りである。







小綺麗にピンク色のカールリボンとミントグリーン色のストレートリボンが交差し、茶色の紙包みに、いともお洒落にラッピングされている。




外身だけだ。




「どうぞ。あれ、優香里ちゃんと瑠奈ちゃんなんで後ろに下がってるんですか?はいどうぞ。苦手なりにレシピを見て頑張ったんです!」




「あ、ありがとう…!とってもオイシソー」




「うわぁおっしゃれだー!!お腹空いた!くじら先輩、あたし今食べてもいいですか?」




「どうぞどうぞ!!嬉しいです」




「んん〜!おいしーい!なんか喉に引っかかる感じがとっても美味!みんなも食べなよ!

クセ強でおいしいよ!」







2月14日。





馬鹿により爆弾発言が投下。





オペレーション突発性チームが結成。





▷コードネーム“どくぜツンデレ”至急応答せよ!!



▷まずいこれは本当にまずい!!“ねこみみ計算系アイドル”先輩!!大至急対応お願いします!



▷無理だよ…誰かが今食べると言った以上、必然的にみんな食べなければいけない空気になる…“イングリッシュオンリー”には指導を施しておく。



▷違うよ“ねこみみ計算系アイドル”!!

僕たち今どうするべきか会議してるんだよ!!“イングリッシュオンリーについては諦めよう!!もうきっとあの子は無理だ!



▷おそらく“サンシャイン☆フィニッシュ”にだけは言われたくないだろうね。




▷体調が悪いって言い訳はどうですか?!




▷ダメだよ無謀だし、ここの全員がそれをするのは無理がある。落ち着いて“パワフル☆ガール”。




▷…無理ですね。諦めましょう。




▷ダメだよ“クリアオーシャン”!!諦めないで!!まだ希望を捨てないで!!




▷…みんな、さようなら。今までありがとう。






透海は「じゃ、僕も」と言って静かにそれを口にする。そこで透海の意識は途切れた。





▷くっ…“クリアオーシャン”が自爆した…

この尊い犠牲を活かさなきゃ…!



▷どうする?!打開策は…




▷…みんな!私を犠牲にして、屍を踏んで先に進んで!



▷“イラストレーター志望”!!!待て!!





瑠奈は事切れる。





▷…ごめん、司令塔の俺がもう無理だと判断した以上、もう無理だよ。ごめんみんな。恨むなら俺を…!



▷“ねこみみ計算系アイドル”!!違うよ!!悪いのは…だれ?



▷さよなら、みんな!










代理学園の保健室には、多数の犠牲者が運ばれた。

あまりの多大な犠牲者に学校側──小瀧を中心として怪しんだが、




その首謀者は今も尚分かっていない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

代理学園 🪼彗星 @makaronzuki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ