絶滅のススメ

「望むのは、私の中にある不滅の意識の消失。それを実現するたった一つの方法は、人類を絶滅させることだった――」

そこは、一度生まれたら、二度と意識が消滅しない世界。子供を産んで死んだ人間は大地へ、子供を産まずに死んだ人間は天空へと渡り、永遠を過ごす世界。

反出生主義者の義兄が死んだ日の翌日、至道ススメは「あの世」で母親と邂逅し、全人類の始祖「大いなる父」からある〈啓示〉を受ける。その〈啓示〉とは、人類を絶滅させる方法、即ち霊術〈悪鬼〉の発現であった。