平本りこさまの作品はいろいろ読んでいますが
作品ごとに違う作風で書くのでいつも驚かされます
今回の作品はコンテスト用の「華麗なる復讐」がテーマです。
控えめで真面目で地味な女の子、主人公の香苗さん。
憧れの男性と交際を始めるのですが
純粋に心から愛していた男からぼろ雑巾のように捨てられ
出会った頃にタイムリープ……。
幸せから一転、悲しい展開に、ドロドロの闇落ち主人公になってしまい
わくわくドキドキ、思わず応援(?)してしてしまう(^^;)
女の子(サレ女)はどうするのか
香苗の最後に下した決断は……⁉
短編なのであっという間に読めますよ☆オススメします☆
純粋に健気に、良い子で、恋人を愛していた香苗。
恋人のためなら自分を犠牲にするのも厭わない。
有能で優しくて気遣い上手の恋人が、実は、既婚者だった──。
恋人の裏切りによって心がズタズタに引き裂かれてしまった香苗。
物語前半の恋人同士の甘くて優しいやりとりが、後半は一変、狂おしいほどの復讐に変わります。
純粋だからこそ、染まりやすい。染まってしまったらもう、元には戻れない。
そんな悲しみが香苗の言動から伝わってきて、復讐を遂げてスッキリ!というだけではない何かを、読者の心にひっそりと置いていきます。
純粋な人が裏切られたときの怖さは、静かでありながら、ゾッとするほどの冷たさを醸し出す。熱がない恐ろしさ。
タイムリームと絡めた復讐劇は恐ろしくも甘美で、ダークな世界の虜になりそうです。
ご堪能ください。
心がとても純粋な主人公の香苗は、意中の紘一との真の愛を信じていました。知人のSNSを介して彼の裏切りを目の当たりにするまでは。
これは、彼女が彼への復讐を華麗に遂げていく物語。
純粋すぎるが故の愚かさ。
信じすぎたが故の裏切り。
これらを内包した清楚な胸の奥は、悲哀の色に打ちひしがれていきます。
ひび割れて、砕け散り、振り切れた愛情がまるで燃え上がる炎のように憎悪へと生まれ変わる。
その耽美たる変容が、秀逸なる筆致が、戦慄的で妖艶かつ繊細に紡がれます。
穢された愛の軌跡をたどるように、
闇の熱をもちながら抱きしめられるように、
あなたは得体の知れない衝動に駆られると思います。
彼女の仕掛けた復讐の種たちが
植え付けられたその背徳の先へと咲かせるように、
わだかまる未来へと、狂おしいまでに華麗に遂げるまでは。
「幸福の絶頂に至り、奈落の底に落とされて、そして華麗に復讐を遂げる。」
主人公の越智香苗は同じ会社に意中の男性がいます。若手ながら有能で将来を嘱望されている想い人の名は溝沼紘一。時代遅れと言われてもおかしくない『社内恋愛禁止』という社則のもと、二人は秘密の関係を続けていた。
「香苗の純粋なところが好き」
その彼の言葉通り、純な香苗は疑うこともなく惹かれていった。
そんなある日、ふと目に留まったSNS。そこに投稿されていたのは――
強烈な依存心はやがて憎悪となる。騙され、転がされ、仕事も恋人も失った純粋な私の汚れた復讐が今、幕を開ける。
※※※こちらのレビュー文は、一部を本分および小説の概要から抜粋させて頂いております※※※