極限の先に開ける境地。きっとあらゆる職種でも言えること、求めたい先。

 お医者様の仕事、即ち医療行為の難度たるや、凡夫に過ぎない私には想像することしか出来ません……ただただ、困難であろう、難解であろう、と思うばかりです。
 この作品では「そんなお医者さんだって、あくまでも人間なんだよ」「緊張だって当然するんだよ」ということを丁寧に教えてくれます。

 しかし、緊張するからこそ、難解な状況を打破しなければならないからこそ……その先に開ける道がある!

『荘子』の逸話に、包丁の語源(の一つ)にもなっている「庖丁」という人物の話があります。
 牛を解体する技術を極めた「庖丁」は、小刀を触れさせるたびにサクリサクリと牛の体を解いていく……『庖丁解牛』、道を極めた達人の技を示すエピソードです。
(医療の現場のお話でするエピソードでもないかもしれませんが……汗)

 きっとそれは、どんな職種でも……医療・料理のみならず、それこそ作家や漫画、サラリーマンの営業や事務業務、あらゆることにも通ずるのではないでしょうか。

 あらゆる道の先に通ずる、それぞれの人がいつかは求めてやまない「先」の境地。
 自分なりの「凪」を習得すべし!

 医療の現場を垣間見つつ、そんな励みを得られる、面白い作品でした!