第4話 サリアの予感

はっきり言っておく。心を入れ替えて子供のようにならなければ、決して天の国に入ることはできない。

                   マタイによる福音書18章



紅の騎士サリアは、狂戦士のカマールと昔話に、花を咲かせている、サリアは「上質なアールグレイティー」を白い器で飲んでいる。


カマールは、あいも変わらず酒ばかりだ。

それも飛び切り強いワイルド・ターキーの辛口のバーボンウイスキーを飲んでいる。ワイルド・ターキー、火を近づけるだけで、燃え始めることは確実である。50度以上あるのだ。

サリアは、喉が焼けるのではないかと心配する。


二人は同じ孤児院出身なのだ!


強靭なパーサーカーの肉体を持つ、カマール。

「フォースの力」以外は普通の人間であるサリア。


「どうしても越えられない壁のようなものがある!」


サリアはこれからのことを考えている。

「龍の一族」のことだ、戦力的な問題ではこちらが押している。


しかし、ここ戦地が日本の場合「完全勝利」が見えてこない。


「フォース」の力が、上手く使えないこともある。

それだけでも厳しいのに、日本の「皇室」が彼らに味方し、

大和の国の神々が、どうやら次々と参戦しているようなのだ! 


気配でわかる……。


そうなのだ!戦いは、霊界、神界でもある。

こちらには「大天使メタトロン」がいる。しかし相手には「ヤマタノオロチ」等がおり、厳しい展開だ。


さらに「皇室」から抜かずの刀を受けたと聞く。


天照大神のもと「天津神」は、やる気満々という感じ……。

では、大国主命たち「国津神」の神々の反応は……。

では、どうすれば良いのか?

何がなんでも、この地上界の戦いで「龍の一族」を倒すしか方法がない。

そこまで、サリアは考えた。



「カマール、また昔話をしようか?」

「いいや、今のサリアが一番『好き』だよ!」

思いがけない『告白』を受けて、胸の中が熱くなる。

(カマール、私もカマールが『好き』!)

言いたくても言えない、特に今は「戦時」なのである。

(グッとこらえた!)


「国津神」の中で、大国主命の息子である大物主大神が奈良の三輪山で復活の狼煙を上げている!

次期「総大将」と言われている。

このままでは、20年前に起きたという戦いと同じことになってしまう。


「大天使、メタトロン」「精霊たち」なんとかして!


すがりつきたい気分である。

タンカーの船底にいる、魔龍ターンが勢いづき体をバタつかせ暴れ始めている。


水天宮に思い切って「撤退」をすることを進言しようと考え始めた。


とにかく、敵地で戦う愚かさを知らねばならない!


しかし、朗報も飛び込んできた!

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