第2話 狂戦士カマール
狂戦士であるカマールは、自分でコントロール不能な位の「フォース」の力を持っている。
しかし、その反面「人間力」が乏しい……。
人と人のコミィニケーション能力、つまり「人間関係」がどうしてもうまくいかなかった。
少々、馬鹿な点もある。
天は二物を与えないものだ。
結局のところ、自室に引きこもりバーボンをチビチビやるのが関の山だ!
寡黙な狂戦士。
見ようによっては、陰気臭い……。
明るく気高いサリアとは180度、性格が異なった。
しかし、サリアはそういう「邪気」のないカマールが好きだった。
さらに、ここぞ!という時に「力」となり爆発する。
やられても向かっていく「ファイティング・スピリッツ」。
暴走すると、サリアでも止められないこと。
「頼りになる兄弟のような存在」から始まった———。
とっても生き方の不器用なところ、サリアはそういうカマールのことが、大好きだった。
単なる都合の良い存在ではなく、心と心がかよい合っているという意味である。
唯一、気持ちが通じ合う存在だった!
「時間だ!」
軍議に参加しなくてはならない!
カマールにとっては、二時間以上も耐えなければならないが……。
何の話か、良くわからないところも多い。
サリアは優しくカマールをフォローするだろう。
十字を右手で額から胸、さらに左肩から右肩に切り、祈りを捧げる。
カマール自身は意味が分かっているのか、どうか知らないが……。
つまり、「自分で自分を『清め』たのだ」
自分の肉体存在の否定である。
肉に仕えるのではなく、霊に仕えるという意味だ。
その宣言なのである!
さらに、キリスト教の十字架は「肉体の存在は無く、霊である」という肉体の否定の意味なのだ!
その意味が正しければ「肉体」は疲労してしまうが「霊」であるならば、疲れることはないはずである。
人間は本来『神の子』であるならば、無限の力を持っているということになるはず。
さらに言えば『神の子』はいつかは『神』となるのである!
『永遠の命』を持つはずである。
「人間は『神の子』であり『無限力』なはずだ!」
『神の子』の真理に到達しなければならない!
つまり、本当の本来の「狂戦士」の力がもっと発露するに違いない。
「悟れ」カマール!
何はともあれ、軍議に参加しなくてはならない。
「自分の太陽」であるサリアのために。
軍議、十分前の合図がなり響いた。
慌てて、髭を剃り始めた。
もう間に合う訳が無い……。
そうなのだ。それが今のカマールなのだ!
軍議でサリアを、ちらっと見る。
ブロンドの髪を短髪に切りそろえ、宝石のような青い瞳。
陶器のように美しい首のライン。
カマールから見ると「芸術品」だった。
聖なる存在だった———。
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