冬の寒さと人間の温かさが交錯する、心温まる俳句集

この俳句集は、冬の寒風に吹かれながらも、人間の心の温かさを感じさせてくれる。

作者は、俳句という短い形式を通じて、冬の季節の変化を繊細に捉え、それぞれの瞬間に宿る深い感情や美しい風景を巧みに描き出している。

立冬の訪れ、時雨の降る静かな午後、そして夜長に毛糸を編む家族の光景は、冬の寂しさと共に、人間の絆の温かさを感じさせてくれる。

特に、「改札に泣く女の情景」は、この作品の中で最も心を打つ。
冬の冷たい波が、彼女の涙と共に流れる様は、読者の心に深く刻まれる。

冬の俳句を通じて、季節の変化と人間性の深さを見事に表現しており、読む者に深い感動を与える俳句集だろう。

その他のおすすめレビュー

藤澤勇樹さんの他のおすすめレビュー323