デカ(刑事)魂(仮)

@lbda

第1話 エピローグ

「お前には責任を取ってもらう」

静寂の中、黒色の風船みたいな中で、その言葉が何回も反響して俺の耳に響いてくる。

肥満体型の脂ぎった顔のやつが俺に向かって、何階も繰り返し言ってる。

聴き分けのない子供に言うように、何度も何度も。

もう独りの俺は、少し離れた小綺麗な場所から、それを見つめてる。

どっちが本当の俺なんかわからない。

多分どっちも俺なんだろう。

少し離れた所で、妻と2人の子供が手を繋ぎながら離れて行っている。

時々振り向く子供達の手を、強めに引張る妻は一切こちらを振り向かない。

こちらの俺もただそれを呆然と見ている。

ピピッ、ピピッ

空?上?

どこかで遠くから聞き慣れた音が色々ものをかき分けて俺に届く。

ソファーの上で寝てた俺は目覚まし時計を止めると、大きなため息を大きく1つしてから、天井を眺めていた。

ソファーの上で置きた柿田はテーブルにある沢山の空き缶の中から飲めるものを探したが、どれも今までの自分が飲み干しており、全て空っぽになっていた。

チッ

小さな舌打ちしてからソファーを離れると、冷蔵庫に入ってる水を飲む。

なんで体が欲している時の水はこうもうまいんだと考えながら、リビングに転がってるパートナーをなくしたサッカーボールが、行き場所がないのか小さく動いている。

それをぼっと見ていたが、柿田は自分自身の出勤時間が迫ってるのに気付き、スーツを着ると急いで玄関を出ていった。






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