リアリティあふれる物語

 エッセイなどで、戦後すぐから昭和時代の風景を鮮明な記憶と共に描いている作者らしく、本作でも戦争の匂いが色濃く残る時代の小学生の日々をリアルに描いていらっしゃいます。様々な階層の人々が混じる町の描写も丁寧で、読んでいて引き込まれます。