晩酌ツマミ詩
めいき~
晩酌ツマミ詩
静かに、ビールを傾けて。キリリと冷えたジョッキには。
温めに塩ゆでした、枝豆が良く似合う。
升でちびりとやる酒の、お供は塩と思いきや。
海鮮ものも捨てがたく、とっくりとっくり首傾げ。
あぁ…、居酒屋で揚げ物焼き物頼んでみれば。
次の一杯が、欲しくなる。
一人の時は、キャベツをちぎり。
串にさしては、遊びカップを傾けて。
子供心に、茹でたウズラを串にさし。
からりと揚げては、団子風。
肉の脂を感じながら、赤いワインも悪くはない。
月夜も、薄雲灯りにカーテンがゆれ。
ススキがゆれて、虫が鳴き。
薪の暖炉がはじける音さえ、添え物としては悪く無い。
酒を混ぜ、氷が鳴る。
そっと出された、青色に果物浮かべ。
そっと笑う、そんな他愛もない事でさえ。
酒を彩る、ぬりえのよう。
夢うつつの時を彩り、明日は虚無の顔をして。
また、夢が欲しくて舞い戻る。
どんな、風景もどんな添え物も。
共にあるもの、その全て。
美しい皿、美しい風景、騒がしい雑踏…。
もし、最低のものがそこにあるなら。
酔いつぶれた、自分だけ。
今日もふらりと、席に座り。
薄めたナポレオンを頼むが、ふと隣をみれば若い二人が中ジョッキ。
若さはいいなと微笑みながら、自分は小さいグラスにゆっくり注ぐ。
飲めない癖に、グラスを傾け。
多めの、つまみを欲しがって。
また、虚無の顔で日々に戻る。
炎上よりも、吟醸だろと。
焼き魚に合わせ、大根おろしを多めに頼む。
もう少し若ければ、鹿のローストも良かったかなと。
頭を過ぎるが、醤油を垂らした匂いにかき消され。
次はサザエか、それともハマグリ。
いやいや、餃子や軟骨もあるだろう。
考え想いをはせるが、眼の前に揺れるのは。
おでんともつ煮と湯気ばかり…、この店はいつまであってくれるのかと。
そんな事を思いながら、お首にも出さず。
口から出るのは旨い、美味い。
春巻一つ、ほろ酔い一つ。
酔いは残しちゃいけない、今日に愚痴と一緒に置いていく。
揚げ物、串もの、和え物、漬物……。
一皿一皿ものは沢山あるけれど、その毎日こそ様々な。
彩り織りなす、晩酌ツマミ詩。
晩酌ツマミ詩 めいき~ @meikjy
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