禍津町、という地域を舞台に巻き起こる、ホラー味の強いミステリー。あるいは、謎解き要素の散りばめられたホラーでしょうか。
そう思えるのは、舞台として描かれる地域も登場する人物たちも、一癖二癖ありながらリアリティのある、現代的な背景を持つ人々だからかもしれません。
都市伝説が大好きな女子高生たちが「恐怖のピタ止めチャレンジ」というものにハマり、そこから連続殺人事件が広がってゆく。
その事件も、一見すると猟奇的な犯行に見えるのに、目撃者の目の前で現実ではあり得ないことが起こってゆく……。
第一章はとてもホラーっぽい雰囲気と演出がなされているので、これは超常現象!? と思いながら読み進めていたのですが、途中から視点が刑事側に移ると事件の印象も一変します。しかし、要所に差し込まれた被害者側視点を見れば、やっぱり怪奇現象が起きているようにも思えて。
群像劇という形式を巧みに使って展開されているので、事件の真相だけでなく、誰が何を知って隠しているのかも気になって仕方ありません。
密度のある描写ながらも登場人物たちがコミカルで、怖すぎないのも読みやすいです。(と言いつつ私は昼間しか読めませんが!)
ぜひご一読ください。
第5章3話まで読んだレビューです。
禍津町という田舎町にある漆黒のシェアハウス。管理人の青井草太が連続女子高生殺人事件に巻き込まれるところから物語が始まります。ホラーな事件が次々に起こり、捜査がすすむにつれ謎が更に深まって行きます。
物語の舞台となっている禍津町の風景、シェアハウスの住民や捜査に当たる警察官達。物語の背景とそこに生きる人物達がしっかりと描かれているので物語に嘘くささを感じず、どんどん展開していくミステリーに安心して心を委ねることが出来ます。一日二回の配信なので、「続きが気になる」とイライラする心配も要りません。
謎はまだまだ深くなりそうな予感。そして、謎が深まるほどラストのカタルシスは素晴しいものであるはず。期待を抱きながら物語を追いかけていきたい。
読み応えのある物語をお探しの方に是非オススメしたい作品です。
第一章を読み終えた段階でのレビューです。
冒頭、少女たちの怪談話にほのぼのして油断していたら、怖い事態が目の前に! あっという間にこのお話の謎に惹き込まれてしまいました。
世間を騒がせている女子高生連続殺人事件、高魔台の黒鐘の屋敷と呼ばれるシェアハウスに住む、癖のある住人たち。第一章は、そこの管理人である草太の目線でお話が進みます。
暑い夏の早朝、突然鳴り響く、鳴るはずのない鐘の音。そこへ白いワンピースの少女が訪れ、草太は、その少女と共に呪いの家へと向かうことになるのです。
ホラーな部分だけでなく、日常の様子も丁寧に描かれており、そこがまた怖さを引き立てています。田舎町ならではの、少しのんびりとした雰囲気も感じられる中、じわじわと得体の知れない恐怖が日常に忍び寄っているような、そんな怖さがあります。
すらすらと読んでいける文章力の高さも魅力的。
ここからどんな展開が待っているのか、こ、怖いのですが、気になって仕方ありません!
ぜひこの怖さをご一緒に!
お薦めします(^^)!
本作は非常によく作り込まれており、ホラーとサスペンスの要素を両立させてあります。
導入から事件の発生まで。事件現場と日常が繋がっていく様には恐怖を覚えずにはいられません。
街に残る都市伝説。それを興味本位で語り合う女子高生たちのシーンから物語が始まります。唐突に起きる難解な事件は凄惨且つ残忍。それは連続殺人事件の始まりでした。
一方で牧歌的な日常を送っていた主人公は意図せず巻き込まれてしまいます。謎多き物語は彼を事件の渦中に誘っていくのです。
サスペンスの要素が強い作品ですので詳しくは述べられないのですけれど、一風変わった登場人物たちが主人公と共に難解な事件を紐解いていく様が思い浮かびます。
おどろおどろしいホラーと驚愕のサスペンス。
読者は読み始めるや、その世界に没頭できることでしょう。
お勧めの作品です。
最新話の12話まで読んだ感想になります。
女子高生連続殺人事件が世間を騒がせている頃合いに、ふいにメゾン・ド・ノワール1号室の一乗寺探偵事務所を訪れる女子高生。彼女が探偵に依頼したいこととは? という感じで始まるミステリー寄りのホラー小説です。
物語が進むにつれて、少しずつ感じていく違和感。それが醸し出す独特の雰囲気。私はこういう感じ結構好きです。
ただ、ちょっと物語の進行が遅めな話ですので、話が動き始めるのは4話くらいになりますので、展開の早い物語を好きな人には向かないかもしれません。
ただ、ゆっくり進める事によって、小説全体を重厚な雰囲気がつつみこんでいますので、本格的なミステリーが好きな人は、結構、好きになる雰囲気ではないのかな? と思っています。
とてもリアリティを伴って語られる素敵なプロローグから始まる物語です!
都市伝説の会話じたいはきっちりなのですが、仲間内で都市伝説の「オチ」が微妙に食い違う。
なぜかグループに一人存在する都市伝説系にやたら詳しい友人。という描かれてみるとまさにその通りと納得できる構成がお見事でした!
そして同じくらいプロローグの引きも秀逸となっています・・・!
気心の知れた仲特有の軽快でリズミカルな会話は、内容が都市伝説だとしても微笑ましいものなのですが・・・話のリズムと会話文の間の取り方が秀逸で、1話の中で緩急がはっきりと読み手にも伝わってきます!
特に・・・。
謎に迫る要素も色が濃いため多分にふんわりとしたレビューとなっております!
ですが、随所に想像を手助けする人物一覧に始まり見取り図等々、作者様の配慮が見受けられる良作です!
ぜひともみなさんにも不可解な現象の結末を見届けて頂きたい名作となります!