第2話 プレバト俳句(2023年11月9日放送)について

今回もプレバト俳句を楽しく拝見しました。

今回のお題は「メガネ」。

身近にある、日常的なものですが、

そのぶん俳句に昇華するのは、難しかったと思います。


さて、今回、私が気になった俳句は2句。

まず、永世名人のKis-My-Ft2・横尾渉さんの俳句を見てみましょう。


年の瀬の終電 網棚に眼鏡


悪くはない句だと思います。

夏井先生も好評価されていました。

しかし、天の邪鬼な私は、まだ直せるのは?と思いました。

添削例を挙げてみます。


A 網棚の眼鏡震える年の暮

B 網棚の眼鏡ケースや年の暮


横尾さんの原作では、

「網棚」がリズムの悪い句跨がりになっていましたので、

それを解消する添削を心がけました。

永世名人なら、

句跨がりを使わず(絶対に必要なら使ってもいいのですが)、

正々堂々と5・7・5で勝負してほしいものです。

また、横尾さんの原作では、

終電が走行中なのか停車中なのか判然としませんので、

添削例Aでは、「眼鏡震える」としてみました。

さらに、「網棚」と言えば電車は想像できるので、

「終電」は削ってもいいと判断しました。

そして、網棚に眼鏡があるのか問題ですが、

私は、そんな光景は見たことがありませんが、

フィクションとして演出として許容しました。

ですので、添削例Bでは、

置き忘れのありそうな「眼鏡ケース」にしてみました。

それでは、もう少し、添削例を挙げてみます。


C 網棚の蛍光眼鏡クリスマス


こうすると、句全体が一気に華やかになるでしょう。

この眼鏡は、例えばクリスマスパ-ティー用の

派手な蛍光色のものかもしれませんね。


D 網棚の眼鏡静かな大晦日


こうすると、おそらく電車は停車中。

大晦日のしみじみとした味わい(雰囲気)が

醸し出されるのではないでしょうか。


ちなみに、横尾さんが以前に詠んだ俳句に、

「夏帽子夜行列車の網棚に」がありました。

季節が違うだけで、

発想(設定)が、

今回の俳句に酷似しているように見えますが、

問題ないのでしょうか。


次に、特別永世名人の梅沢富美男さんの俳句を見てみましょう。


鼈甲のフレームにある小春かな


「鼈甲」は、「べっこう」と読みます。

「小春」が冬の季語で、

傍題に「小春日、小春日和、小春空」などがあります。

さて、掲出句ですが、

夏井先生は「かな」がうまく使えていると褒めていらっしゃいました。

しかし、天の邪鬼な私は、もう少し直せるのでは?と思いました。

添削例を挙げてみます。


A 鼈甲のフレームに小春が宿る

B フレームの鼈甲に小春が薫る

C 小春日が宿る鼈甲フレームに

D 小春日が薫る鼈甲フレームに


普通に考えると、「ある」と「かな」は不要でしょう。

その削った4文字で、「小春」を描写してみました。

また、「鼈甲のフレーム」か「フレームの鼈甲」か、

迷いましたが、後者のほうがいいかなと思いました。

添削例A、Bは、句跨がりになっていますが、

「小春」と「宿る」「薫る」が、「る」の脚韻になっているので、

この場合は、むしろ、心地いい句跨がりでしょう。

添削例C、Dでは、語順を逆にして整えてみました。

添削例B、Dでは、「薫る」と嗅覚を使って、

より臨場感を出してみました。


今回は、以上です。





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プレバト俳句の添削ノート 第1話、第2話を書きました  滝口アルファ @971475

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