第2話

「契約?契約期間と解約条件を教えてくれ」


『内容より期間と解約についてを優先するとは珍しいな』


「解約したくてもできないとなったら困るからな」


『こちらが望むものは食べ物だ。食べようと思ってもほかのやつらに食べられてまともに食事ができていないからな。その対価としてこの世界の情報と契約期間に応じて様々なサポートをしよう。契約期間や解約条件についてはそちらに一任する』


「なら解約条件は双方に契約を破棄したいという意思表示をしたときだ。期間は解約するまででどうだ?だが、」


『だが?』


「期間に応じた様々なサポートではなく最初から追加要素なしにしてほしい。最初からできることとできないことをはっきりさせておきたい」


『それはできない。こちらは契約期間が長くないと困るからな』


「考えさせてくれ。あとあんたはこの言語以外を話せるのか?」


『無理だ。だが何かあるのか?』


「そうか。気になっただけだ。」


このハムスター契約期間が大事なのにも関わらず期間を一任したということはなにかあるはず。


「寿命1時間を代償にこいつの情報を要求する《Requesting his information at the cost of a one-hour lifespan.

》」


『何か言ったか?』


「何も言ってないぞ」


このハムスターの情報を見てみると




種類   :ライアースライム


個体名  :バレッタミーラ


欲しいもの:人間の情報


特性:捕食または長時間の観察によりほかの生き物の情報を得ることができる

   自身が情報を持つ生き物に変身することができる

   相手に何かしら嘘をつかないと生きていけない

   嘘がつけてないとスライムの状態に戻る



という感じである。会話に違和感を覚えたと思ったらうそをつき続けないとだめだったみたいだ。さすがに2つしか嘘をついてないなんてことはないだろう。



「契約内容についてって......あんたスライムだったのか?」


『...っ。なぜわかった。はむすたーという動物になりきっていたはずだが。』


「ハムスターとしては本物そっくりだが会話をすると違和感があるぞ。あと2つしか嘘をついていないのはいくら何でも舐めすぎだ。」


『嘘をつきすぎると自分で矛盾していることに気付かないことがあるかもしれないからな。』


「人間の情報が欲しいなら別に食べなけれな問題ない。こちらとしては人間であることにこだわってはいないから逆にスライムになれる方法を教えてほしい。契約は互いに情報を教えるということで問題ないはずだ。食べ物は別に穀物でもないだろ?」


『あぁ。契約も互いの情報だけで問題ない』


「じゃあ契約成立だ。期間は解約するまで、解約は双方が解約の意思表示をしたときだ。」


『わかった。ただ、なぜあんたはわたしが2つしか嘘をついていないと理解していた?』


「天から与えられた特殊能力を使っただけだ。そういうあんたこそ発声器官がみ当たらないがどうやってしゃべっているんだ?」


『...?しゃべれるのは人間の特権じゃないぞ?それなりにしゃべる種族はいたはずだが?』


「そうか。じゃ、人間が住んでいる場所を知ってるなら案内してほしい。」


『わかった。ついてこい』


そうして契約したばかりのスライムについていった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

刹那のうちに ガルグイオ @panda_brown_

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ