ひげを剃る。そして眉毛も剃る。
@snacam
鼻毛も抜く。
「吉田さん、髭」
沙優が俺の顎を指さした。
「あ?」
「髭、剃らなくていいの」
「そうだな、剃るか」
俺はぼりぼりと背中を掻きながら、洗面所へと向かった。
電動髭剃り機を手に取り、髭を剃る。
「眉毛は?」
「あ?」
「剃らなくていいの」
「ああ、剃るか」
一度切った髭剃りのスイッチを入れ直して、眉毛も剃る。
「髪は?」
「剃るかな」
剃った。
「睫毛は?」
「剃れねえよ」
「抜いたら?」
「なるほどな」
抜いた。
「鼻毛は?」
「抜くか」
抜いた。
「指にも毛、生えてるし」
抜いた。
「腕の毛は?」
剃った。
「腋毛は?」
剃った。剃り尽くした。
胸から腹、下腹部、脛、足指、ほくろ毛。
自分では手の届かない背中の毛も剃ってもらった。
尻の毛も一本ずつ抜いてもらった。
全身の毛という毛を剃り、抜いた。
充実した一日だった。
ひげを剃る。そして眉毛も剃る。 @snacam
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます